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無言のメッセージ

「どうか忘れないで・・・」って、そう言われた気がしたの


祖母が亡くなったときに母がポツリとつぶやいた言葉


祖父母とはいつも長期の休みに帰省して、バカンス気分で過ごしたものです
寡黙で厳しくも優しい祖父と、いつもニコニコ春の陽射しのような祖母
毎年楽しみにしていた記憶が、いまも鮮明に思い浮かびます


そんな祖母が亡くなったのは、私が社会人三年目の4月19日の事
翌日が誕生日の母のプレゼントを買う目的で、二人で買い物に出かけていました


昼食を済ませて帰り、リビングでゆっくりしていたころ突然電話が鳴ったのです
それが祖父からの「祖母の危篤」を知らせる電話でした


朝の畑仕事を終えてお風呂に入っていたところ、浴室で倒れたと・・・
救急搬送されたけれど、手の施しようがなかったと・・・
刹那、私と母は凍り付いたように、時間が止まったような感覚でした


それからは怒涛のように帰省のチケット手配、通夜から葬儀まで
あっという間に時が過ぎていました


そして、火葬も済んで祖父母の家に帰ってきたとき
冒頭の言葉が、母の口からポツリと出たのです

私の誕生日の前日に亡くなるなんてね
まるで「どうか忘れないで・・・」って、そう言われた気がしたの

と・・・


私は今でも両親の誕生日にはプレゼントをしてるので
今年も母にプレゼントを贈ったのですが
母の誕生日には必ず、いつも優しい笑顔の祖母の事をセットで思い出します


本当に母の言う通り、絶対に忘れることはありません
今日は母の誕生日
今ごろ母も祖母の事を思い出して、墓前に花を手向けていることでしょう

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陽だまり
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