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あこがれ

遠い遠い記憶のおはなし・・・
いつでも人の輪の中心にいるあなた
ボクはいつも、それを遠くから見つめていた


すごく頼りになって明るくて
スポーツ万能で気配りもできる
ボクの大好きな「あこがれの人」


いつも隅っこで一人ぼっち
自分の世界に閉じこもっていたボク
あなたは気さくに声をかけてくれた
ずっと不思議に思っていたんだ


あるとき思い切って聞いてみた
「なんでボクに声をかけてくるの?」と
そしたら、さも当たり前のように
「○○と一緒におったら楽しいからに決まってるやん」って


刹那、時が止まったような感覚
初めて家族以外の人間に認められた気がした
言った本人には、そんなつもりはないんだろうけどね
それでもボクにとっては嬉しかったんだ


それからというもの、いつも一緒に遊んだっけ
晴れの日は公園で遊びまわり
雨の日はおうちでアニメを見たりゲームしたり


休みの日にはお弁当を持って、遠くの公園までサイクリング
夏の日は朝から夕方まで、近所のプールで一日中泳いで遊んで
帰りによくかき氷を食べながら帰ったっけなぁ


近所の男の子にいじめられたときは
ボクをかばってくれてやっつけてくれたよね
そのおかげで、やがていじめられなくなっていった


本当に好きだったんだ・・・あなたのことが
あれがボクの「初恋」だったんだなって
いま考えたらそう思えるんだ


ある日のこと
あたなが「引っ越しする」という知らせを聞いて
ボクは人目もはばからず泣いたっけ
そうして「初恋」は終わりを告げた


幼いころの遠い記憶
あこがれと恋愛感情の入り混じったあの頃の思いは
いまでも淡い記憶として、心の中に大切にしまっている

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陽だまり
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