両親との思い出

小さい頃の事を思い浮かべるとき、あまり母親と出かけた記憶がない。


両親共働きで飲食業界に努めていた母は、平日に休み土日は出勤だったお陰で、休みの日はずっと父と私と弟の3人で過ごしていた。


子煩悩だった父は、自分の時間を私たちの為に使うことにまったく抵抗はなかったようで、休みになるといつも公園や行楽地、外食に連れて行ってもらったものだった。


公園や行楽地ではカメラ片手に私たち姉弟の写真を何枚も撮って、うちに帰ったら夕食が終わって家族4人でスライドショー。いっしょに遊びに行けなかった母は、二人の様子を写真で見て取って、毎回すごく喜んでそれを見ていたのが印象的だった。


写真の中の私たちは、私が頭を右に傾けて笑顔を作ると、弟は後ろで頭を左に傾けて笑顔を作る。私が常に前を歩き、弟はその後ろをピッタリついてきて、写真に写るときはいつもツーショット。


おそらく父は、普段一緒に遊びに行けない母が寂しい思いをしないよう、毎回私たちの事を写真に記録して母に見せていたのだと思う。


その甲斐もあって、母はあまり寂しさを感じている様子はなく、休みになると自分は仕事なのにお弁当まで作ってくれて、「今日も楽しんできてね」といつも優しく笑顔で言ってくれた。


いまは姉弟二人とも実家を出て暮らしているので、家族4人が集まることは滅多になくなったけれど、全員揃った時は時間を忘れて話が尽きない。

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