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【AI小説】朱黒の鬼模様 役小角のユダ エピローグ
この小説は、人間が描いた原案をChatGPTが展開し人間が加筆編集したものです
夜が明けると、朝霧が街を包んでいた。潮の匂いが混じるそれは、まるで遠い記憶の残滓のようだった。
霧の中から、タコのようなひげをたくわえた老人が現れる。
「ワダツミ様……」
ヒノが驚きの声を漏らした。この老人こそ、大和の神々の中で最も古い神の一柱、海の神ワダツミである。
「よくやったのう。我らが使者、日本鬼子。真の英雄となったパンダマン。異国の精霊、カクタス。そして、キンメリアの戦士、コナンよ」
コナンは静かに銃を構え、霧の老人を鋭く睨みつけた。
「……今はワダツミと名乗っているのか、クトゥルフ。」
その一言で、霧の奥に潜む異形の存在がざわめく。その雰囲気を感じたヒノは二人の間に入り、薙刀を握りしめた。ワダツミはそれを手で制止する。
「……わしはこやつと因縁があるんじゃよ。有史以前、グリーンランドがハイパーボリア大陸と呼ばれ、氷河におおわれる前にのう」
コナンはちらりとヒノを見た後、静かに銃を下げる。
「お前にも、黒蓮にも、二度と関わるつもりはない。」
長野県・戸隠山の地下深く。
冷たい岩壁に囲まれた空間の奥、闇の裂け目『天の岩戸』が不気味に渦巻いていた。その前に立つのは、赤い瞳の鬼娘、禍津日鬼子(マガ)。
「約束通り、持ってきたぞ」
マガは掌に載せた黒蓮の花を差し出す。受け取ったのは、鮮血のような着物を纏う妖艶な鬼女・紅葉。
「ふふ……美しいわ」
紅葉は細い指で黒蓮の薬を撫でながら、恍惚とした笑みを浮かべた。
「これで計画が動き出す……」
彼女の囁きとともに、闇の裂け目が揺らぎ、異形の囁きが響き渡る。
「冷泉帝……狂える天皇こそが最適な器。彼を依り代に、ニャルラトホテップを降臨させる……」
闇が紅葉の足元でうごめく。
マガは目を細め、くるりと踵を返す。
「……好きにしな」
彼女の背後で、嘲笑うような声が響いた。
一方そのころ。富士樹海の地下深くに広がる巨大施設、スケープゴート財団本部。
特別収容房の中、唐邦翡翠は静かに座っていた。手錠をはめられたまま、天井の蛍光灯を見つめる。
扉が開く。
三人の人間……いや、それよりも禍々しいものが入ってきた。
一人目は、ポンパドールにした黒い髪に白いスーツを纏う美しき悪魔・スケープゴート財団の諜報部門の長リリス。細い指を絡め、妖艶な微笑を浮かべている。
二人目は、赤銅色の体躯、牛骨の肩当、毛皮のマントを着た機動部隊長アスモデウス。鋭い眼光を翡翠に向けながら、腕を組んでいた。
三人目は、額に謎の刻印、黒い金属の義手、白衣を纏い、どこか冷たい人間離れした雰囲気を持つ男。
カイン――最初の殺人者。
カインは静かに言葉を発した。
「司法取引を持ちかけに来ましたよ、唐邦翡翠さん」
翡翠は顔を上げる。
「司法取引……?」
リリスが微笑みながら椅子に腰を下ろした。
「あなたはベリアルを召喚した。その影響で、あなたの魂は彼と不可分になってしまったの」
「つまり?」
アスモデウスが低く告げる。
「ベリアルの力を受け継いだままということだ。お前が望むかどうかにかかわらず、な」
翡翠は息を呑む。
カインは続けた。
「我々はスケープゴート――闇の中から人類を守る者です」
翡翠の瞳に、疑念と困惑が浮かぶ。
「……私に、その手伝いをしろと?」
カインはゆっくりと頷いた。
「あなたの力を、人類を守るために使うつもりはありませんか?」
翡翠は目を閉じる。
彼女の中で、何かが静かに揺れ動く。
「わかったわ。」
──その選択が、未来を変えることになるとは、まだ誰も知らない。
(なお、断ったらアスモデウスが取り押さえてリリスが洗脳する手はずだったことは知る由もない。)