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ハンドメイド働き方改革 〜シングル・アゲイン〜

再婚に挑戦したが2度の離婚を経験した。竹内まりやの「シングルアゲイン」のタイトルが私にベストマッチしているのだが意味合いがちがって歌詞に全く共感がない。離婚率が高い国はそれに比例して再婚率も高いと何かの記事で見た。それはそうだよね と頷く。

1度目の離婚のときに、子供との時間を大切にしたいと思い得意のハンドメイドで2013年に起業。そこからcreemaやminneなど作家が手作りした作品が販売・購入できるハンドメイド市場が盛り上がり、2016年頃から一気にハンドメイドブームとなった。そのブームが作った大きな波に私も見事に乗っかっることができて、作品のネット販売、店舗販売、イベント出展など沢山の経験をして、いつの間にかハンドメイド作家として忙しく働き、稼ぎ、車を買ったり、家のリフォームをしたりしながら、気付けば子供も小学生となっていた。

私が思うに、ハンドメイドブームは2度あった。ハンドメイドがビジネスになり「買い手が増えた」2016年が第一次ブーム。コロナ禍もあって「作り手が増えた」2020年が第二次ブーム。私の私観ではあるが絶対そうだと思ってる。

そのハンドメイド第二次ブーム中に私は再婚して第二子を授かった。面会謝絶の中で生まれてきた娘はダウン症という特徴を持っていた。ちいさく生まれたのもあって産後の入院が長かったり検査のための通院も長いこと続けていた。突如障害児の母となった私の中から「仕事」「ハンドメイド」の文字は消え、「ダウン症ってなんじゃ?」を追いかける日々となった。発達が遅い、知的障害がある、特徴的なお顔、優しい性格、踊りがすき、アート性のある人もいる、個人差ある。書道家がいる、俳優がいる、運転する人もいる、大学行ってる人もいる、個人差ある・・。「ダウン症」ってなんじゃ? 考えるのが面倒くさくなって、上の子と同じようなズボラ育児に戻った。保育園も入れた。さあ、仕事、仕事。(割愛してるがこの間に既に離婚している。)

そしてハンドメイド界に戻った2022年。

作り手の増加、店舗の増加、SNSの普及、ネット販売サービスの充実。コンテンツが増えて便利だけど面倒くさいな、、といった、まあまあなカルチャーショックの繰り返しだった。それまで私の作品を丁寧に取り扱ってくれていた取引先に「活動再開しました」とメールをすると、「お帰りなさい!」と作品の復帰をを受け入れてくれたお店もあったが、時代の変化とコロナ禍によって閉業や店舗縮小でお取引が難しいという返信があったりした。仕入れ先の閉業もあった。そのかわり、ハンドメイドアクセサリーに特化した店舗やイベントが非常に増えていた。テナントや、駅構内などあちこちで綺麗な台紙に貼りついて審査され商品となったアクセサリーを見かけることもとても増えた。いろいろな課題や疑問が浮き上がったが、まずは自分の作家活動を再開してみることにした。

展開していく上で何より大切なアクセサリーブランドとしての世界観を見直し、作品を見直し、ネットショップ再開、ビッグサイト展示会に出展、新規委託販売先との契約、販売。これまでの経験と作品への信頼が、変わらず定期的に仕事を運んできてくれた。しかし売り上げは当時の1/3。いや1/5もしかして1/10かも。作品の魅力がないのか、私の力不足か、はたまた世の中のハンドメイドへの認識が変わったせいなのか。悶々としながら仕事をこなす。あーじゃない、こうじゃない。そして気づく。ワクワクしながら作品作りに取り組んでいない自分に。家事育児と仕事。”仕事”としてやっているハンドメイド。そこに以前からの情熱がないことが、作品を通してお客様に伝わってしまっている。そんな気がした。

そして委託取引をやめて、作品作りと向き合った2024年春夏。”ものづくりが好き”、という再確認をして私はひとつの決断をした。ハンドメイドアクセサリーを仕事にするのをやめるという決断だった。自分自身がワクワクしないこと、楽しめないことで人の気持ちは動かせない。気持ちが動かないことに、人はお金を使わない。私は生きていくために仕事をして収入を得る必要がある。上の子供は来年中学生になる。なぜか中学受験をして私学に入ろうとしている。下の障害児は療育機関で身の回りの自立訓練に時間をかける必要がある。この環境下で、ハンドメイドのブランドとしての飛躍と我が家の経済発展はすこぶる難しい。限られた時間の中で、充分な制作と販売活動は、ムリ。ムリだ。絶対ムリ。ええい、やめたれ!ハンドメイドのブランドとしての仕事は潔くここで一旦終止符。私はブランディングのために自然と身について行ったWEBの仕事に就いた。

続けるというのはすごいことだ。自分の人生でこんなにも長く続いた仕事は他にない。「続けてるだけですごいよ」という言葉を周りからかけてもらい、ことあるごとに支えられていた。でもきっといつのまにか、”続けること”にしがみついているだけになってた。大好きだった”趣味”のハンドメイドに戻りたい・・。

好きなことを好きで居続けるために、prikishのアクセサリーを好きで居てくれる人を大切にするために。いままでも、これからも”ありがとう”を伝えたい。2025年prikishは愛を込めて、活動方法を変えます。

そして。そんなこんなで再婚を機に引っ越してきた土地で、女手ひとつ二人の子供を育てている。ネット、宅配サービス、物流がいまの私の三大パートナー。海と山に囲まれ豊かかつ不便な環境で成長する息子と、療育に通う娘との幸せな暮らしが、今後も続きますように。日々のことを記録していこうと思います。

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