3ヶ月間毎日新しいことをやるプロジェクト Day 18 - ヘルシオオーブンで低温蒸し
3ヶ月間毎日1つずつ人生で初めてのことに挑戦するプロジェクト、18日目に挑戦したのはヘルシオオーブンを使った低温蒸しです。
ヘルシオとは
「ヘルシオ (Healsio)」は家電メーカーのSHARPが2000年代初頭から展開している調理家電のブランド名です。300度近く加熱された水蒸気を用いて庫内の温度を一定に保つことで食材をむらなく加熱することで、しっとりふんわりと料理を仕上げることができます。
ヘルシオの登場後、メーカー各社から類似製品が発売され「スチームオーブン」という市場ができました。ヘルシオと他の製品の何が違うのかについては、こちらに詳しく書かれていますが、水蒸気で「蒸す」ことと加熱水蒸気で「焼く」ということの違いについては、こちらの動画でわかりやすく解説されています。
ヘルシオブランドでは、スチームオーブン以外にも調理家電が販売されていて、もうひとつ有名なのが「ホットクック」という電子調理鍋です。
こちらは具材と調味料を入れるだけで料理ができるという調理器具ですが、火を使わずに加熱時間や温度を自在にコントロールできるということで、特に忙しい共働き世帯で愛用されています。
ホットクックとヘルシオオーブンに私が出会ったのはここ数年の話でして、まずはそのことについてお話します。
私の料理遍歴
これを読んでいるあなたはお料理好きですか? 私は食事が終わるたびに次は何を食べようかなと食べることばかりを考えている人間です。食べることへのこだわりが強く、他人に調理を任せたくないので、家で食べる食事はほとんどすべて私が作っています。
実家暮らしのときには、全くといっていいほど料理をしませんでした。というのも、母親がとても料理上手だったからです。月に1-2度程度しか外食をしない家だったので、毎日母親が台所に立ちっぱなしでした。
27歳のとき結婚と同時に実家を出てからは、私の食事を作ってくれる人がいなくなりました。自分が料理をしないと食事ができない、きちんと自炊しないといけない... よくわからない強迫観念を原動力に、毎月「きょうの料理」を買ってきては作れそうなものを探し、毎日仕事帰りにスーパーに寄っては重い袋を家まで運んで調理するというのを3年くらい続けました。
そのときになぜ、もっと外食や惣菜を利用しなかったのか、今となっては謎です。それと、自分だけががむしゃらに頑張ってしまったために、夫が炊事を(それ以外もですが)担当しなくなり、そのことが後の離婚原因にもつながりました。引き換えに、私は食材の上手な組み合わせ方、自分好みのレシピ探しのノウハウ、そして料理技術と段取りという、一生涯役に立つスキルを習得しました。
調理家電との出会い
料理経験の蓄積とともに調理道具が増えましたが、調理にはガスを使うという昔ながらのやり方を貫いていました。なんというか、IHやホットプレートなど電気を使う調理に対する根拠のない不信感があったからのように思います。
あるとき、真空状態を簡単に作れるバキュームシーラーという器具を忘年会のくじ引きで当てました。使い方を調べるうちに友人から真空低温調理を勧められ、何それと調べ始めたところから調理家電沼にはまりました。
はじめに買い求めたのは、Anovaという棒状の温度調整器具です。鍋にお湯を張りこの機械を突っ込んでおくと、設定した温度にお湯を温めることができます。大きい塊肉を真空パックにし、数時間お湯の中に放置するだけで芯まで熱がとおり、やわらかくて美味しいローストポークや鶏ハムができるんです。これにははまりました。
次に手を出したのはスロークッカーと電鍋。前者は長時間加熱や保温ができる電気鍋、後者は台湾の家庭には必ずひとつはあるという蒸気で加熱する鍋です。スロークッカーではコンフィや煮豆を、電鍋は蒸し器としてずいぶん使いこみました。
この頃からキッチンに電化製品がいくつも並び、台所に立ってやることは材料を切って鍋に入れるだけ。ガスレンジを使う機会が減りました。
ホットクックに手を出したのは、育休がきっかけでした。仕事復帰に向けて家事を全面的に自動化しようと、乾燥機付きドラム洗濯機やルンバ、ブラーバ、食洗機などを買い求める中、料理の時短や自動化に最適と絶賛されているホットクックをとうとう手に入れました。
そしていよいよヘルシオの出番です
ホットクックを使いこなそうと調べているうちに、「はろこみ」というワーキングマザー(ファザーもいます)のコミュニティに出会いました。鍋に乾麺、具材、調味料、そしてお湯をぶちこむだけで作れるモチモチのワンポットパスタを教えてもらったのも、このコミュニティです。
はろこみではヘルシオオーブンに関する情報交換も盛んです。中でも最も興味をそそられたのが70度の低温蒸し。蒸し物といえば100度以上の水蒸気を使うのが常識だと思っていたのですが、ヘルシオを使えば65度以上95度までの温度設定が可能なソフト蒸しという機能が使えるのだとか。そして、低温で蒸した野菜やお肉はとても美味しいのだそうです。
このプロジェクトでもよく名前が登場する勝間和代さんもヘルシオの低温蒸し機能を愛用していて、著書やYouTubeにも頻出します。
ヘルシオ欲しい!でも高い!
購入をためらっていたところ、ヘルシオの最新モデルが発表されました。
最上位機種のお値段なんと17万円以上。さすがに手が出せません。
そんな中、新モデル発売を控え一つ前のモデルが在庫処分特価で出されているのを見つけました。それでも10万円近くのお値段でしたが、これ以上がまんできず注文してしまいました。
いよいよヘルシオ が我が家にやってきたその翌朝、あこがれのモーニングセットを作りました。
なんと、トーストとアスパラガス、そしてエッグスラットの3種類を1枚の天板で同時調理してくれるんです。ヘルシオのセンサーが素材の火の通り具合を見ながら、それぞれの素材に適した温度で加熱してくれるのだとか。もはやSFの世界ですね。トーストはややパサついていましたが、アスパラはシャキシャキ、エッグスラットもほどよく火が通っていました。
次はいよいよ本題のソフト蒸しです。もやしとほうれん草を70度で15分低温蒸しにしてみました。
伝わりますか、このシャキシャキ感? 口に含むとシャキシャキとするんですが、きちんと火は通っているんです。ごま油と塩で味付けしてナムルにしましたが、とても美味しかったです。
ということで
世の中のあらゆるレシピや料理番組が、まだまだ火による加熱とフライパンや鍋を使うことを前提としています。私も長年この「常識」にとらわれていました。
ホットクックがすごい、ヘルシオ面白いといくらSNSなどで配信しても、ほとんどの友人は興味すら示しません。料理はやっぱり火を使うもの。水蒸気で蒸し焼きにするって、オーブンが水浸しになるんじゃないの? 自動調理っていうけれど、結局野菜は切るんだし、お鍋を火にかけるのと大して手間は変わらないじゃない。
そんな声が聞こえてきそうです。
調理家電はなんとなくズボラで手抜きなイメージがあるかもしれません。鍋やガスオーブンの方が信頼できると思うかもしれません。それでも新しい技術や機械に出会い、使いこなせるようになると、料理の世界が変わります。
なんだかとっても長くなりましたが、本日のレポートを終わります。それではまた。