3ヶ月間毎日新しいことをやるプロジェクト Day 25 - 住宅ローンを一括返済してみた
3ヶ月間毎日1つずつ人生で初めてのことに挑戦するプロジェクト、25日目はなんと住宅ローンを一括返済してしまいました。もはやチャレンジとも呼べない内容ですが、まあ話を聞いてください。
今の家を買ったきっかけ
27歳のときに結婚し、東京の片隅にある賃貸アパートで新生活を始めました。駅からはかなり離れていてすぐそばに高速道路が走っているという立地でしたが、2人で住むには十分すぎる広さの住まいでした。
都心から20kmも離れていない土地でしたが周辺には緑が多く、休日になると夫婦で近くをぶらぶら散歩していましたが、よく通る散歩道に、お蝶夫人が住むような、それはそれは立派なお屋敷がありました。ある日しばらくぶりにその道を通ると、なんとそのお屋敷が取り壊され、10戸ほどの建売住宅が建設中。留守番をしていた不動産屋の営業担当者とお屋敷がどうなったのかなど話をするうちに、なぜか他の物件も見てみないかという話に。今思えばだいぶうかつにセールストークに乗せられていました。
その後、セールスマンにすすめられるままにいくつか新築の建売住宅を見に行ったのですが、どうもこれは私たちが住みたい家ではないなと。もともと二人とも昭和テイストが好みだったこともあり、中古で何かよい物件がないかと調べているうちに今の家に出会いました。
35年の頭金無しフルローンを組む
「売地」として売られていたこの物件には、当時ですでに築年40年を超える古家が建っていて、取り壊し費用を考慮したお値段になっていました。家は少し手直しをしたら十分に住めそうです。
いつ家を買おうなどという計画もなく頭金も準備していなかったのですが、物件価格がかなりお安かったためフルローンで審査が通りました。しかもリフォーム費用は夫の実家からお借りするという無計画っぷりで、敷地50坪強の不動産を手に入れてしまいました。
当時から夫婦で会計をきっぱり分けていたために、諸費用が割高でも住宅ローンを真っ二つに割って契約しました。私は35年元金均等支払い、金利は2年固定の変動という一番低いものにしました。特に深い考えはなく、なんとなくしばらくは金利が上がらないだろうという根拠の無い思い込みからでしたが、幸いその後の金利上昇もなく(むしろ下がりましたね)、10年固定や35年フラットなどの金利を選ばなくて正解でした。
その後12年ほど夫婦個別に住宅ローンの返済を続けましたが、諸々の理由で離婚を決断。当時の収入状況から、私がこれまでの支払い分の元金に当たる金額を元夫にキャッシュで渡して家を出ていただき、残るローンの契約を私名義に変更し2本立てのローンを一人で返済を続けることになりました。バツイチ40歳、とうとう築60年近い一軒家の主人となりました。
転職で退職金が入った
そうこうするうちに再婚、妊娠、出産と目まぐるしい40代前半をかけぬけ、45歳の今年転職を決意しました。勤続20年のホワイト企業、しかも45歳以上の自主退職には退職金を上乗せするというありがたい制度があり、そこそこまとまった額の退職金を手にしました。
一部はリフォームに使いましたが、それでもまだ結構な金額が。このまま手元に置いておくと、浪費家の私のことだからジワジワと切り崩してしまいかねません。老後の大切な資金として運用したいところですが、まとまった額を投資にまわそうにもノウハウが全くありません。
限られた知識でそれなりに考えまして、結局2本ある住宅ローンのうち1本を全額繰り上げ返済してしまうことにしました。超低金利のこの時代、最も低金利でお金が借りられる住宅ローンはむしろ返さない方がいいなどとも言われています。住宅ローン金利を上回る資産運用も十分できそうでしたが、いきなりまとまった額の運用では失敗しそうですし、どのくらいの期間をかけて分散すればいいかも検討がつきません。
一方、現時点でローンを半分返済しまえば、万一共働きの片方が働けなくなってしまって1馬力になっても、十分返済できるレベルになります。まとまったキャッシュを手元に置いておきたいという気持ちはありつつ、いくばくかは手元にまだ残していますし、娘は2歳で数年はまとまった教育資金が必要になることもなさそうだし、ということで決心しました。ローン返済で浮いたお金をこれから数年積立投資を続けて資産構築を目指します。
ボタンひとつで全額繰り上げ返済
私は三井住友銀行の住宅ローンを利用しているのですが、繰り上げ返済、めちゃくちゃ簡単でした。銀行ローンのメニューから繰り上げ返済を選び、全額繰り上げ返済というオプションと決済日を指定するだけです。手数料として一万数千円がかかりましたが、実行ボタンを押した瞬間に銀行残高から一気に残額が下がり、同時に2本あった住宅ローン口座の1本が消滅しました。
通常であれば住宅ローンを完済すると、抵当権抹消の手続きに必要な書類が銀行から送られてきて、その後は自分で行政書士を頼むなどして登記の書き換えが必要になるようです。残念ながら我が家にはもう1本の住宅ローンがついているため、この手続きはしばらく先にお預け。あとは、35年ローンを組む際に一括でかけた保証金の一部が、しばらくしたら返金されるとのことです。
ということで、ローン残高が一気に半減しました。銀行残高も一気に減りました。この間現金には一銭も触っていないのですが、いざ現金での操作でしたらこんなに気軽に決済などできなかったかもしれません。数千円の出費には慎重になるのに、桁が3つも4つもあがると数千円なんて気にならなくなってしまうのも怖いです。
お金には無頓着でここまで来てしまいましたが、これを機会に家計の見える化や予算化、将来に向けてお金に働いてもらう仕組みというものを、初心者向けベーシックな手法に沿ってコツコツ作っていきたいと思います。
ということで、本日のレポートは以上です。それではまた。
おまけの追記です。今回返済したのは「元金均等」で組んだ方のローンだったのですが、当初50万円ほど私の方が多く負担していたローンだったのにもかかわらず、15年ちょっとの間に元利均等で組んだローン口座と残高が反転。しかも100万近い差がついていました。
なぜ元利均等の方を返さなかったのかについては、手元に確保したい現金と、すでに元本がある程度減ってきていて、この先払う金利もそこまで大きくないと判断したためです。
借金返済において元本を減らすことの重要性を、あらためて自覚しました。