スニフ村的歌詞がすごい曲その10"nirvana"
人の行く末
どうもスニフ村です。
あけましておめでとうございます。
今年も出来るだけたくさんnoteを書きたいと思います。
前回次の更新は元旦ですと言っておいてガッツリ2日でしたね。
間違えましたすみません。
曜日感覚が死んでいます。
皆さん2021年はどんな1年でしたか?
2021年を通して最も僕が良いと思った楽曲で今回はやっていこうと思います。
今年もたくさん音楽を聴こう。
やっていきます。
dodo&tofubeats「nirvana」
【曲全体を聴いての感想】
この楽曲がリリースされた時シンプルにとても驚いた記憶があります。
dodoとtofubeatsだと!?と。
この組み合わせは絶対マッチするなという確信と共に楽曲を聴き、衝撃を受けました。
マッチしてるとかいう次元ではなく、シンプルに2人の良いところが掛け算されているような印象でした。
とりあえず2人でさっさとアルバムを作って欲しい。
そんな気持ちを強く持ちました。
もちろん今も思ってます。
去年の1月後半にリリースされた楽曲がなぜ僕にとって今年最も良かった楽曲になったのか。
そんな2人の相乗効果と、言葉の繊細さを共有できればと思います。
【人との別れ】
この楽曲は最初にhookが入りますが、今回はまずはお互いのバースから始めていきます。
dodo
「君が座ってたイスに描く姿君がいる 名前を呼んでアピール 絞り出す記憶けど持たない1分 まだここらにいるかな 行かないで欲しいよ ニルバーナに 俺らはここらにいるから また戻ってきてよ、いつかは 振り返るほど幸せ 保存したい君との今まで 全てが過去、俺らも屍 いつかは諦めなきゃ仕方ねぇ けど地獄も天国に 出来る俺らの特技 君との別れに送り出す この言葉、もう気にしないで僕に」
早速dodoの良さ全開ですよね。
細かく語尾で韻を踏んで、でも言葉に意味が通ってる。
人との別れの後の自分を表現するかのような歌詞。
意外にも歌詞がストレートなんです。
君がいた場所にまだ君がいるように感じる。
いつかは戻ってきてね俺らは待ってるから。
そんなメッセージを包み隠さず言葉にする。
曲を聴けばわかるのですが、イントネーションで上手く韻を踏んでいる印象を与えることで聴きやすくスッと言葉が入ってきます。
曲名にもなっているニルバーナ。
ヒンドゥー教や仏教における概念であり、繰り返される輪廻からの解放された状態を意味するそうです。
この言葉を使うことで、死を直接的に表現せずとも物悲しさや人との別れの儚さを表しているように僕は感じます。
死という言葉を直接使ってしまうと、死以外の別れに曲を重ね合わせることができなくなる。
別れって死以外にもあるので、そういう意味でも、多くの人に共感してもらえる楽曲に仕上がっているのではないかなと思います。
「振り返るほど幸せ 保存したい君との今まで」
このフレーズが僕はdodoのバースの中で1番好きです。
君との思い出を思い返すと、幸せで、この記憶や思い出をそのまま保存したい。
シンプルだけど暖かみを感じる。
とても素敵なフレーズです。
そう思えるほどの相手との別れってめちゃくちゃ辛いはずなのに、楽しかった幸せな思い出を優先できる心が本当に好きです。
音楽というもので、たとえ地獄でも天国のように変えられるdodoとtofubeats。
その2人から別れに言葉と音楽を届けてもらえる人ってどんな人なんでしょう。
少なくとも彼らの音楽に救われ、彼らの音楽とともに生きた人なんでしょう。
続きます。
「俺らの存在、小せえ けどとてつもなく良い人生 送れたよって言い切ってる この記憶がいい記念品 君との思い出が 全てを解いてく 忘れたとは、違え 俺らは進む次の次元」
もう僕が言葉を加える必要がないくらいこの部分には言いたいことが詰まっていると思います。
たかが1人の人間。
存在は小さくても、自分の物語の主人公として生きた人生は、決して悪いものではなかったと、生きてるうちから言い切れる。
それは、君と過ごした日々や思い出がそうさせてくれた。
良い人生だったという証明が君との思い出であり、それを昇華することは忘れるということではない。
そして次のステップへと進んでいく。
涅槃の先へ。
そしてhookへ
「薄れていくあの日の君とのこと さみしい戻れない2度ともう 消えかけてくまるで焚き火の炎 目を凝らしてみる、最後の火の粉 君と2人寄り添った日は 遠くに行っちゃったよ すっかり 今は辛い 今は暗いけど また会える日までgood bye 君と2人 いれた日々をしない 無駄に 君と2人 過ぎちゃったね、あっという間に」
このhookもdodoの細かい言葉使いが光っていて、途中から語尾を「i」で揃えるんですね。
それが恐らくhookで最も表現したい人との別れの儚さと火を対比させる要素になっているのかなと思います。
人は生きることを命の炎を燃やすなんて言いますが、炎はいつか燃え尽きます。
そんな人の最後を火の粉と喩えるこのhook。
最後まで火種を残そうと火の粉を出す炎が、最後まで自分自身がここにいたことを証明しようとする人間のように見えたんじゃないでしょうか。
恐らくこの炎の解釈は人それぞれだと思います。
僕からすれば、このnoteも火の粉で、何か自分の存在を残したいと思っています。
いつ消えるかわからない命の炎を燃やしながら。
別れの悲しさや暗さに浸りながらも、楽しい思い出を思い返す。
きっと僕も身近な人がいなくなった時、悲しさと共に楽しかった思い出を思い返すんだろうなと思いました。
その時僕は何を思うんでしょうか。
このhookのような気持ちになれるのでしょうか。
きっとその時もこの音楽に助けられるんだろうなと思います。
【過去と今に自分を探す】
tofubeats
「トーフビーツは誰かより長生き 誰かより早く死ぬ どっちにしろ誰かにたまに気にされて思いだされたいし 変わらないでいたいし でも変わっていきたいし ちょっとした思い出くらい忘れないで覚えておきたいし やりたいことやりたいし だいたいままならないし 10年前に作ったものも未だに超えられてもないし とは言いつつ前進 してるいつも返事 してるみたいな気分 いい感じです 言い返してる」
このリリックすごくないですか?
人間が抱える悩みや葛藤が全て詰まっているように僕は感じます。
当たり前のことで、人は誰よりも長生きすることはできないし、誰よりも早くは死ねない。
生きようが死のうが誰かに思い出されるような人間になりたい。
良いところは変わらないでいたいし、悪いところは変わりたい。
思い出も忘れないで生きたい。
やりたいことはやりたいけど、やれないことが多い。
こんな当然のように人が抱く感情や葛藤が素直な言葉で表現されています。
そして僕がすごく好きなフレーズ
「10年前に作ったものも未だに超えられてもないし」
これは恐らく「水星」のことを指していて、2012年にリリースされたtofubeatsの代表的な楽曲です。
tofubeatsほどのアーティストでも、自分の過去の楽曲に囚われているというか、自分自身の過去を越えようとしていると知ると、何も残せていない自分とは…となります。
tofubeatsも同じ人間なんだなあと親近感すら湧きます。
そしてそんな気持ちを抱きながらも前へと進んでいく。
そして自分自身の問いかけに答えるような形で自分の成果となる楽曲達を産み、「いい感じです」と自分に答える。
過去の自分に囚われ、その過去を越すために今を生きる。
昔よりも良い自分に、そして超えた後も、その超えた過去の自分からより良い自分になるため生きていく。
これも一種の輪廻なのかもしれません。
続きます。
「モノはいつかなくなるけどその隙間になにを入れようか? また会えたら話そう聞きたいこと たくさん尽きない相談 せっかくの人生忙しくしたいけど ちょいslow down 悲しいけど 君はもう苦しまなくて良い NIRVANA」
人との別れでぽっかり空いた心の穴に何を埋めれば良いんだろう。
まだまだ話したいことがたくさんあった。
そんな後悔の念をこのリリックの序盤で感じます。
でも前を向く。
せっかくこの世に生を受けたのだから、彩りの多い、カラフルな人生にしたいけれど、今は一旦休憩。
君との日々を振り返る時間を作ろうと思う。
そんな時間もきっと必要なんだろう。
時間が解決するという言葉をよく聞きますが、きっとこの時間は、振り返る時間なんだと思います。
少し休憩がてらゆっくり振り返る。
人生を前進し続ける人間にとっては、休憩も前進の1種なんだと感じさせます。
そして君がいなくなって悲しいけど、もう君は過去の自分に囚われていくという輪廻から解放されて、苦しまずに済む。
それがNIRVANA。
言葉の構成力が異常に良いですよね。
それでもtofubeats本人は水星を越えられてないと思っているということが恐ろしいです。
彼が水星を越えたと思える楽曲はどんなものなんでしょうか。
本当に楽しみです。
頼むからdodoと一緒にアルバム出してくれ。
そしてまたhookへ
「薄れていくあの日の君とのこと さみしい戻れない2度ともう 消えかけてくまるで焚き火の炎 目を凝らしてみる、最後の火の粉 君と2人寄り添った日は 遠くに行っちゃったよ すっかり 今は辛い 今は暗いけど また会える日までgood bye 君と2人 いれた日々をしない 無駄に 君と2人 過ぎちゃったね、あっという間に」
tofubeatsのバースを聴いてからだとまた少し聴こえ方が変わりますよね。
君という人との別れを、寂しさや悲しみと共に噛み締め、自分自身を戒めるように聴こえてきます。
あの日には2度と戻れない。
だから思い出を忘れずに、過去の自分と向き合って前に進んでいく。
その先にあるものが、輪廻からの解放。
"nirvana"なんだと思います。
【最後に】
いかがだったでしょうか。
またもや死にまつわる楽曲になってしまったあたり、どんだけ好きなんだよ自分と思いました。
でも僕がこう言った曲が好きな理由として、死というものをネガティブな感情として着地させていないというポイントが挙げられます。
死というネガティブなものを、ポジティブなものに昇華していく過程を見れることに僕は惹かれているんだと思います。
基本思考がネガティブな自分にはできない感情の昇華のさせ方に憧れを抱き、自分もそうなりたいと投影しているんです。
きっとこれから良いなと思う楽曲はまた似ている曲が多いんだろうなと思います。
ただ、これから僕が変わってどんな楽曲にさらに魅了されていくのかも、楽しみです。
【次回作】
次回は新年を迎えたので、またさらに希望を持てる楽曲とかにしようかなと思っています。
まああくまで予定なので、どうなるかはわからないです。
でも今年も楽しくこのnoteを書いていきたいなと思うので、「継続は力なり」という言葉を体現できるよう頑張ります。
今年もみなさん楽しく音楽聴いていきましょう。
よろしくお願いします。
誰も待っていないでしょうが今後のスニフ村をお楽しみに。
それでは皆さん。
良い音楽を。
スニフ村