人を思い、自分の思いをぶつける、とても綺麗で、まっすぐな言葉~ルフィの言葉~

noteに初投稿記事を書く。まずは、私が今読んでいる『ONE PIECE』の好きな言葉について書いていきたい。
私が『ONE PIECE』を読んでいて、ルフィの言葉で大好きな言葉がある。
それがこの言葉である。

尾田栄一郎著『ONE PIECE』78巻「悪のカリスマ」
第783話”邪魔だ”より引用

この言葉は、この巻に収録されている「ドレスローザ編」のボス、王下七武海、ドンキホーテ・ドフラミンゴに向けて放った言葉である。

この章の舞台である「ドレスローザ」は、ドフラミンゴに文字通り「支配」されていた。人の心、命を自分の意のままに操ろうとするドフラミンゴ。
その「糸」は、ルフィの友達、仲間にも向けられていた。
自分の大切な人たちを傷つけたドフラミンゴを許せないと、ルフィが思うのは当然。だからこの言葉を放った。

私自身、ドフラミンゴが許せないと思っていて、怒りと悔しさでいっぱいだった。だからこの言葉を見た時、心に風が一気に吹いて、晴らしてくれたような気がした。それが私の、この言葉が好きな理由の一つ。
でも、他にもある。大きく分けて二つある。

一つは「大切な人を思って放った言葉」
先ほどのシーンに映っている四人は、ルフィの友達と仲間である。
(右からレベッカ、フランキー、ベラミー、ロー)
それぞれ目的は違うけれど、己の大切な人、信念のために戦っている。
虐げられながらも、自分を育ててくれた人と暮らすために、ドフラミンゴを討とうとしているレベッカ。
ドフラミンゴから国を解放しようと立ち上がった、小さな兵士たちに心を打たれて、協力したいと思って戦っているフランキー。
自分が憧れていたドフラミンゴに使い捨てられたとしても、自らドフラミンゴを選んだケジメとして、ルフィに殴られたベラミー。
自分に命と心をくれた恩人の本懐を果たしたいと願い、恩人を思いながら戦っているロー。
そんな強くて優しい自分の大切な人の心に寄り添い、その思いを全部拾って放った言葉だから、とても綺麗でカッコいいなと思った。
それと、とても簡潔な言葉なのも、ルフィらしいと思う。ルフィは難しいことは考えない。でも人として大切なことはきちんと分かっている。だからまっすぐに伝わる言葉を言う。それがとてもルフィらしいと思う。

もう一つは「誰も死なせない」という言葉の重さ。
ルフィは、この章の二年前にあたる「頂上戦争編」で、最愛の兄、エースを亡くしている。目の前で自分を庇って殺されたエース。死力を尽くして助けに行ったのに、助けられなかった。ずっと慕っていた兄がもういないという事実。悲しくて、己の無力さが悔しくて。
もうそんな思いをしたくない、誰にもさせない!という思いがある気がして。それがルフィの大切な人だけではなく、ドレスローザにいる人全員に向けていると思って。
だから、それが私にも響いて、ルフィの思いがどこまでも響き渡って、ルフィの大切な人たちを守れますようにと思った。そんな優しい言葉だと思った。

さて、ここまで好きな理由を述べてきたが、なぜここまで惹かれたのかについても書いていこうと思う。
このシーンの前にこんなやり取りがある。

尾田栄一郎著『ONE PIECE』78巻「悪のカリスマ」
第783話”邪魔だ”より引用

このやり取りを聞いていて、私もドフラミンゴと同じ心境だった。
というのも、この章は「偉大なる航路」後半に当たる海「新世界」に君臨する「四皇」と呼ばれる海賊の一人、カイドウを倒すために、その取引相手であるドフラミンゴに、ルフィたちが喧嘩を売ったものなので、言い分的にはドフラミンゴに分があると思った。
だからなぜ「ドフラミンゴが自分の邪魔をした」と言うのか、気になっていた。そして先ほどのシーンにつながる。私みたいに思った人がいるのかは分からないが、疑問を持たせ、そしてその次の言葉は、とてもルフィらしくて、まっすぐな言葉だったから惹かれたんだと思う。

またこれは、私がSNSで交流している方と話した時の会話なのだが、このことについて話していた時、その方は
「ルフィは確かに自由を謡っていますからそれを阻害することこそがルフィにとっての悪」
と言われていた。この言葉を聞いた時、ルフィのことをよく見ているなと思った。そして、ルフィ自身が「心から放った言葉」だから、惹かれたんだと思った。人に寄り添い、そして自分が感じたことをそのまま伝える。
だから大好きなんだと思った。

人に寄り添い、その人を思う言葉を伝えられる人。
でも自分を制限せず、意志を貫ける人。
そんな仲間思いの、友達思いの一人の「人間」「船長」であるルフィが大好きだ。


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