2022年11月の記事一覧
「わかった」はコミュニケーションの失敗
「わかる」という概念について、考え続けている。
まず、「わかった」という言葉を、自分に向けて使う時と他者とのコミュニケーションで使う時の2パターンにわけたい。
まずは、自分に向けての、内省的な「わかった」。
以前、こんなnoteも書いた『人生の推進力は、勇気ではなく、わかったつもり』。本当に何かをわかりきるなんてことはない。常に「わかったつもり」でしかない。
その「わかったつもり」の時に、
編集者とは何か。その定義を改めて更新
“わからないこと、あいまいなことを、そのまま伝えている作品を、ぼくは編集したい”
『観察力の鍛え方』の本の最後に、ぼくはこう書いた。
人間は誰しもが矛盾や葛藤といった明確に割り切れない「あいまいさ」を抱えながら生きている。ぼくはその「あいまいさ」に触れることが人間を知ることだと思っているし、「あいまいさ」を味わい尽くすことが人生を楽しむことだと考えている。
そして、文学とは人間が抱える「あい
「うまいけど、ダメな写真」と「ヘタだけど、いい写真」
作家の岸田奈美さんと16才の男子高校生に写真を教えることになった。二人ともカメラのことも写真のこともまったく知らないようだ。それでもシャッターを押せばうつるのが写真の魅力のひとつだ。
しっかりのレベルにもよるけど、カメラのことと写真のことをしっかり学ぼうとしたらそれなりに時間がかかる。大学や専門学校で写真を専攻したぐらいだと、撮影現場ではまったく役にたたず、足をひっぱるだけの存在になって辛酸をグ