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第3話 「見えている景色」
グッドラック!の言葉を大切に胸にしまって、どんカヌーを漕いだんだ。
真っ青な空とオレンジの太陽。
水平線が無限に広がって、なんだか身体の奥の方から、物凄く元気が湧いて来た。
あまりにも元気が溢れてカヌーを漕いでいる時に、ふと思ったんだ。さっきのレニークラビッツ兄さんがくれたトロピカルジュースのおかげじゃないかって。
こんなに元気なのは。
そう言えば、とても美味しかったけど、どこか漢方のような味がほのかにしたんだ。
スパイシーと言うか。
身体の底から温まってるって言うか。
あの島の人達は、あのトロピカルジュースを毎日飲んでて、だからあんなに陽気にすごしいるんだなぁとか思ってるうちに、水平線はどんどん丸みを帯びて行ったんだ。
その丸みは、どんどん迫って来た。
なんか、どんどんどこかに連れて行かれているような気分で、とても恐かったんだ。
どれだけカヌーを漕いでも、その丸みからは逃げれなかった。
丸みの最後の部分は、ナイアガラの滝のような底の知れない圧倒的なこの世の果てに見えていたからさ、死に物狂いでカヌーを漕いだんだけど、もう身体は全然動かなかった。
ヘトヘトでさ。
あ〜、このまま死んじゃうのかなぁなんて思って、諦めかけた時にさ、声がしたんだ。
おい!お前さん、カヌーをお捨てなさい。
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