「クオリティ真紀子の悪い予感」
ワンダーピープル…
何か、謎めいて恐い響きだった。
そして、サマーが何故こんなバカでかいオープンカーに乗って来たのか。
それも、凄く謎だった。
サマー!どこに向かってんの?
私は、向かい風をめいっぱい受けながら、サマーに、車の事を聞いたの。
え〜〜! 何か言った〜〜?
サマーは、運転に夢中で、こっちを向かずに集中してた。
ねぇ!ねぇちょっとサマー!
って大きな声で言ったら。
あ!これの事? これは、え〜っと。
プレゼント〜〜!
だって。
よく分かんなかったけど、とにかくサマーは、オープンカーを思いっきり飛ばしてたの。
嫌な予感、嫌な予感しかしなかった。
しばらくして、サマーは、オープンカーを港に止めたの。
もう、真っ暗になった港に、白い大きな豪華客船が、きらびやかな光りを、あちらこちらに放って浮いていたの。
いかにも、許された者しか乗ることの出来ない堂々としたその豪華客船に、サマーは、あれに乗り込もうって言ったの。
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