「阿部チェリーはボスになる」
その女は、ウェイトレスを装っていたのよ。
筋金入りのプロってのは、ウェイトレスの女だったのよ。
ん?
あ〜。
ありゃ、まさしく筋金入りだな。
わざと自分から一瞬、赤外線のラインに入ったのよ。しかも、その瞬間、俺に微笑んでよ。
撃たれる!
俺は、咄嗟にウェイトレスの女を守る為に、素早くつき飛ばしたんだ。
その瞬間、テーブルに座ってる、もうひとりの女のテーブルが嫌な破裂音と同時に粉々になってよ。
ま、赤外線の角度からして、絶対テーブルだろうな〜って思ったけどよ、かなりヒビったぜ。
さすがの俺も。
そして、軍団の奴らが煙幕をはってる間に、俺が、つき飛ばして倒れているウェイトレスの女の手を掴んで、ラバリッツホテルのあのカフェの厨房を抜けて勝手口から一緒に逃げてよ。
ま、一緒にっていうか。
俺が手引きされたっていうか。
ん?
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