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13歳のSF

第1話 「テレパシー」


春の惑星が、地球上に降り立ったから、僕達はいっせいに制服を着たのだ。

正確には、制服みたいな黒い服。

黒い服だったら、何でもいいと勝手に思い込んでいたから、それで良かった。

それに、もう、青春は終わったのだから。

最近まで、バレンタインデーにチョコレートを誰にも貰っていない事をみんなで笑い合ったりしていたけれど、もう、そんな事も全然どうでもいい事になる。


何故なら、僕達は、もうすぐ13歳という歳になるのだから。


元服なのだ。

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