第2話 「ヒント」
M-16というモデルライフルを、転校していく友達にプレゼントしたのは、それを使って欲しいからでは無かった。
もしもの時の御守りに、部屋の隅にでも置いてくれてたらと、みんなでお金を出し合った。
僕達は、M-16の使い手になってしまったけれど、転校して行く彼には使って欲しくない。
それでも、僕達はプレゼントした。
お道具箱や体操袋、細々とした、たくさんの荷物を持って、ランドセルの端の部分には細くて真っ黒で長いM-16が、ブッ刺さっていた。
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