見出し画像

第5話 「長堀通りのプレゼント」

長堀通りの歩道の、少し石畳み作りになっている場所を指して、君は言った。

ここの部分、俺の会社が担当してん。

23歳の頃かな、君と長堀通りを歩くなんて珍しい事だった。

君は、たくさんの仕事をしていたんだと思う。

人に言える仕事も、あまり言えない仕事も。

身寄りの無い、荒れてしまった若者を食べさせて行く為に、たくさんの汚れ仕事と言われる事もしたんだろう。

汚れてないけどね。

どんな仕事も。

君の運転するベンツは、とても静かで速かったから、僕は気持ち良かった。

運転も上手いしね。

僕達は、買い物をしたんだ。長堀通り沿いにあった東急ハンズで。

誰かの誕生日プレゼントを買ったんだ。

君は、誕生日を凄く大切にしていた。

小さい頃から。

ここから先は

781字

¥ 100

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる