「クオリティ真紀子とプロポーズ」
サマーとずっと、電車の中でセッションしてたら、もう車窓に映る景色はダイダイ色で寂しく綺麗だった。
全然知らない街。
乗っては、降りてく乗客達。
私達は、ちょっとイタイ感じのカップルに見えたはずよ。
でも、そんなの気にならなかった。
久しぶりに音楽を楽しめたの。心から。
で、サマー、これからどうする? って聞いたのよ。なんか、これから素晴らしい事が起きそうな気になってたの。
サマーは、旅をしよう! そして、どこかでまた歌いなよ!そして踊りなよ! って言ってきたの。
嬉しかった。 けど、急に現実が気になって。
お金は?目的は?将来の夢は?泊まる所は?
ご飯は? 家賃は?趣味は?
私は、何度も聞いたわ。
もう、たたみかけまくり。
そしたら、しばらくして、サマーは言ったわ。
俺、どこかのビーチで働く!
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