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「さきどり佐知子に天窓に映る月」
チャイニーのベスパの後ろに乗って、ずっと彼の背中にしがみついて。
たくさんの時間が、光のように過ぎて行く。
色んな話を聞いて。
色んな街角を通り過ぎて。
幸せだった。
チャイニーの生きる目的や、夢や希望は、計り知れないものだった。私には。
大人になる前の希望に満ち溢れた、チャイニーの、その瞳は何よりも美しく、そして恐さもあった。
ある街で、チャイニーは、ベスパを止めたの。
そして、大きな川沿いを歩いて行くと、少し丘があって、その鬱蒼とした緑の奥に、小さな家があったの。
赤い屋根と、少し汚れた白い壁。
なんだか、可愛いらしい家だった。
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