第9話 「犬小屋」
小さい犬、おる。
ほら、あそこ!
めちゃくちゃ可愛いやん。
ミカちゃんの機嫌は、治っていた。
僕とミカちゃんは、寝坊と朝の喧嘩で大遅刻をして誰もいない校庭を歩いていた。
その時、ミカちゃんは、小さな犬を見つけた。
なぁ!
あそこ、よちよち歩いてるやん。
どうする?
ミカちゃんは僕の腕を引っ張って、その犬がいる、裏庭の方に行こうとした。
僕達が近づいて行くと、その犬は駆け寄って来て、ミカちゃんの手を何度もペロペロ舐めた。
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