![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/50386104/rectangle_large_type_2_08812d7043ef771c82578ee7882a1ecb.jpg?width=1200)
「さきどり佐知子の恋じゃない」
毎日、決まった時間に彼は訪れるの。
ラバリッツホテルの格式高い1階のカフェに。
いつも険しい顔してさ。
キャメルマキアートをオーダーするの。
毎日ビシッとした黒のスーツで、髪は綺麗に横分けててさ。
また、会いたいって思うようになったの。
でも高いホテルでさ、お金も少なくなってきて、そろそろホテルに居るのも、やめなきゃって思いはじめてた。
もっと稼いでればよかった。なんて思ったわ。
あと3日。
あと3日でこのホテルを出なくちゃ。
それまでに、何か、ひと言でも彼と話がしたい。
そう思ってた。
でも、無理ね。ただ見てるだけ。
優雅な人生を送ってるフリしてさ。
余裕のある生活なんて、別に憧れてなかったけど、あの場所は嘘でもそうせざるおえないのよ。
わかるかな?こんな気分。
ここから先は
690字
¥ 100
期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
Amazonギフトカード5,000円分が当たる