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「クオリティ真紀子のピザを切る未来」
あんなに練習したブーメランが、全然通用しなかったの。
けっこう、遠くまで飛ばせるようになってたんだけど、やっぱり上空のヘリには全然届かなかった。
サマーのキャンディ弾なんか、私のブーメランよりも、もっと通用してなかったから、途中少し笑けて来ちゃった。
凄くピンチなのに。
もう、笑うしかないって感じ。
人生って、たまに全然通用しない時ってあるじゃない?
お先真っ暗状態から、脱出する方法なんて多分無いのよね。あるとしたら、ただ、ひたすら全力を尽くすだけなんだろうけど、どうにもならない事だってあるわ。
この時は、もう、お手上げ!って感じだった。
ジャガーが現れなかったら、本当にダメだったかも知れない。
そう。
国際スパイ組織ビッグジャガーのジャガー。
颯爽とセスナ機で現れて、ワンダーピープルのたくさんの赤いヘリ達を追いやった。そして、あまりにもカッコよく丁寧にノースサイレント号の屋根に、パラシュートで降下したの。
なんかよく分からない人だった。
でも、サマーも、プリマも、本当に嬉しそうだった。
傷だらけのプリマを医務室に連れて行って、応急処置をしてあげている時に聞いたの。
ジャガーって、本当に味方なの?
って。
そしたら、プリマが色々と教えてくれたの。
国際スパイ組織ビッグジャガーが、誰かや、どこかの組織の味方になる事は無いって。
ただ、世界の要人達の秘密や、どこかの国の機密情報を奪取して、それをネタにとんでもない大金を要求しているだけの、言わば世界を股にかける賢いマフィアなんだって。
じゃ、なんで助けてくれたの?
って、聞いたらさ、プリマは少し黙って、少し泣いたの。
プリマってさ、基本的に、すぐに笑ったり、泣いたりするのよ。だから時々、面倒くさいの。
しばらくして、またプリマは口を開いた。
国際組織ビッグジャガーは、スパイ活動で稼いだとんでもない大金のほとんどを使って、世界の色んな所に学校を作っている事が、分かったんだって。
ワンダーピープルのように、優勢遺伝子を集めて、クリスタルな世界を作ろうとしているやり方とは全く逆で、どんな人も、どんな国のどんな状況でも、学校を作る事によって、この世界を変えようとしてるって、プリマは言ったわ。
て事は、味方なんだ。
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