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「さきどり佐知子にスイッチ」
遥か上空から見える景色は凄く綺麗だった。
夜空から見える地上の世界は、真っ暗で、そして、ある場所は凄く光が集まっていて、まるで、天と地が逆転して、夜の星空を見ているようだった。
セスナに乗ってる私は、ボーっとそんな事を考えていたわ。
先どり佐知子さん、後ろのカーテンで仕切られてる場所でこれに着替えて下さい。
阿部チェリーは、そう言って私に黒いドレスを渡したの。
10人も乗れない狭いセスナの後ろは、カーテンで仕切られていて、カーテンの向こうは広く席が空いてて。
そこで、私は言われるがまま、黒いドレスに着替えたの。
そして、着替え終わったら、阿部チェリーの部下の人が、私に近寄ってきて、私の髪の毛をといで、メイクをしたの。
メイクが終わって、鏡を見て少し笑いそうになった。
キツイ顔で、全然、私の顔じゃなかった。
私が、何とも言えないでいると、阿部チェリーは、私の首にネックレスをつけた。
凄く高級そうな。
自分で言うのもだけど、まるでTVで見るアカデミー賞の主演女優さんみたいだった。
ま、言い過ぎね。
でも、まるで別人になってて。
今のご自分のメイクを覚えておいて下さい。
次からは、自分で出来るように。
阿部チェリーは、セスナの小さな窓で地上を見ながらそう言ったの。
私は… 私はどうなるんでしょうか?
思い切って聞いてみたの。
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