2019.5.17(金) SUSONOトークイベント 龍崎翔子(ホテルプロデューサー)×佐々木俊尚
今月のSUSONOトークイベントのゲストは、ホテルプロデューサーの龍崎翔子さん。
ホテルプロデューサーという肩書きも、龍崎翔子さんというお名前もまったく知らず、どんな方なんだろう? と興味津々でお話を聞いてきました。
ご本人のプロフィールやプロデュースしたホテルについては、noteに記事を書かれていたのでこちらを参照してもらうのが良いかなと思います。
しかし、SUSONOのトークイベントには普通に生活していたらずっと知らないでいたであろう分野の第一線で活躍している方が毎回来られるのが嬉しいですね。
自分の世界が広がる感じがします。
今回の話の中で一番共感したのは、動機とモチベーションについて。
なぜホテルプロデュースという仕事をしているのかというと、自分が泊まりたいと思うホテルがなかったから。
自分の中にある「満たされない思い」を満たすためにやっている。
世の中に自分が欲しいものがないなら、自分が作ればいい。
そういうところが僕にもあって、「ああ、わかる」と思ったんですね。
僕はクリエイター寄りのエンジニアだから、使いにくいサービスがあったり、あったらいいのにと思うサービスがあると、自分で作ればいいよねという発想になるのは似ているなと。
ただ、そういう思いと発想を現実のものにする行動力とエネルギーはすごいなと、いろんな人の話を聞いていていつも思います。
それに、自分のやっていることについてものすごく考え尽くされていて、賢い人なんだなぁと感じました。
面白かったトピックとしてはあと二つくらいあって、一つはホテルはメディアであるという話。
ホテルってただ単に泊まって寝るだけの場所ではなくて、ホテルという場所を介していろんなものをつないでいるんですね。
龍崎さんはホテルに宿泊しているゲストと3つのものを繋げていると話していました。
一つ目は「ゲストと街」
ゲストはホテルを起点にして行動をします。
だから、その街の世界観をホテルで表現することによって、街のことを伝えるメディアとしての役割を果たすことになります。
二つ目は「ゲストと人」
ホテルに泊まっているゲスト同士や、街に住んでいる地域の人との出会いの場所になります。
普段の生活圏内では出会うことのなかった人と人を結びつける、そういうメディアの役割もまたあるのです。
そして三つ目が「ゲストと文化」
龍崎さんは「ライフスタイルを試着する」と表現されていて、これはいい表現だなと思ったんですが、普段の生活に取り入れるには難しいことを、ホテルという非日常の空間で体験してみることができるんですね。
例えば、大阪の弁天町のホテルにはレコードプレイヤーとレコードが部屋にあって、レコードがある生活を体験することができるわけです。
ホテルがそういう「食」「生活」「物」などのライフスタイルを提案し、それを試すことができるという考えは面白いなと思いました。
もう一つ面白いと思ったトピックは「住の流動化」について。
今後の流れとして「住む」という行為はどんどん流動化していって、ホテルというものと賃貸住宅というものの境目がなくなっていくし、一箇所に一生住み続けるのではなく、住所を持たない人や、複数の拠点を移動しながら生活する人が増えていくだろうという話です。
佐々木俊尚さんも三箇所の拠点を移動しながら生活されているし、僕も将来的にはそういう生活をしてみたいなと思っているところもあって、興味深いところでした。
今までは、自分の家を持つことがステータスで、何十年ものローンを組んで家を買うということが何か人生の最大目標とか人生最大の買い物みたいになっていましたし、今でもそういう考えの人も多いと思います。
でも、僕はどうもそういうことができそうもなくて、ある場所に一生住み続けるという未来が想像できないんですよね。
旅人気質なのかもしれないですが。
そうしたときに、今の賃貸住宅は2年契約で2年単位で引っ越すか住み続けるか考えるわけですが、そのスパンを数ヶ月、一ヶ月、数週間単位にしてしまうとどうなるのかとか、移動するときの荷物や食料はどうするんだとか、じゃあ、キャンピングカーのように住居そのものが移動してしまったらどうだとか、そういうことを考えるのはとても楽しいなと思ったのでした。
他にもここに書ききれないほどの面白い話が聞けて、龍崎さんの生き方にも共感したし、とても刺激を受けることができました。
僕もやろうとしていることが停滞気味なので、そろそろやらねばと思い直したりもしましたしね。
さて、やるかー。
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