【レースレポート】全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース
■全日本自転車競技選手権大会 男子エリート
開催日:6月23日(日)
会場:日本サイクルスポーツセンター
コース: 8km×20周=160km
出走者:宇賀隆貴、白尾雄大、鈴木道也
ロードレーサーにとって特別な大会、全日本選手権が今年も開催された。サンブレイブはキャプテンの吉岡直哉が体調不良により欠場。3人での出走になった。
レースは、雨、風と非常に厳しいコンディションの中でスタート。序盤からアタック合戦が繰り広げられる。大逃げから優勝が決まった年もあったことを考えれば、当然の展開だ。
決定的な逃げができたのは、4分の1を消化する頃。序盤からレースを支配しようとしていたJCL TEAM UKYOから増田成幸選手がアタック。この動きに宮崎泰史選手(KINAN Racing)が追走し、2人の先頭となる。
一方、集団は遅れる選手が続出。白尾、鈴木は残り13周でレースを降りた。
残り12周、宇賀が単独アタックを試みる。宇賀と先頭、メイン集団とのタイム差はそれぞれ約1分。その後、先頭にいた増田選手がメカトラで遅れ、宇賀と合流。先頭は宮崎選手、宇賀、増田選手の追走、メイン集団の構図になる。
宇賀自身はこの動きについて「逃げるつもりはなかった。集団の右側がたまたま空いたので、アタックのようにスッとゆっくり上がっていたら誰もついてこなかった。『あれっ』と思いつつも、そのうち追いつかれるし、(前にいればその後の)上りでペースアップする必要もないので、前で待っていようと思い走っていた。いつも自分が走っている2時間半のエンデュランスのパワーとペースで走っていたら意外と前との差は開かず、後ろと差は開き、2周ぐらい逃げたときにはじめて追いかけようかと思った。
そのような中で増田さんがパンクして合流した。UKYOとKINANという集団を牽引できる2チームが逃げに入っていたのが大きく、このままの展開でレースが終わるケースも考えられたので、順位を意識しつつ走った。ただ、基本的には前待ち作戦。強い選手たちがアタックしてもいいタイミングで合流できれば自分の最終的な順位が上がるかなと思った」
宇賀の動きは先頭にもメイン集団にもつけないように見えたかもしれない。しかし、逃げることが目標ではなく、終盤を見据えた上でのレース運びだった。
その後、メイン集団のペースアップにより、宇賀、増田選手、さらに宮崎選手も吸収。レースが振り出しに戻ったところで、金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)がアタック。そこに小林海(マトリックスパワータグ)、山本大喜、小石祐馬(ともにJCL TEAM UKYO)がつき、4人による争いになる。
最終的には、小林選手がスプリント勝負を制し、全日本優勝チャンピオンの座を手に入れた。宇賀は11位でフィニッシュ。完走者わずか19人のレースで、UCIポイント獲得に成功した。
宇賀隆貴選手コメント
「全日本は、第1目標が完走、第2目標がUCI圏内、第3目標はトップ10だった。前半は速かったがUKYOやシマノの人数が揃っていたため、僕自身が動く必要はなかった。ただ、勝ち逃げになりそうなときは反応して、乗り遅れないようにはしていた。去年、完走すらしていないレースである程度力を示して11位に入れたのは嬉しい。UCIポイントも獲得できて、達成感はある。ただ、反面満足しているわけではない。いい悔しさと、同時に晴れやかな気持ちでもある」
■リザルト
1位 小林海(マトリックスパワータグ)4:47:25
2位 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)+0:00
3位 山本大喜(JCL TEAM UKYO)+0:00
11位 宇賀隆貴(さいたま佐渡サンブレイブ)+10:04
DNF 白尾雄大
DNF 鈴木道也