モチベーション維持と回復の方法：ケビンコーチとディーンの場合
こんにちは！Sunbears（サンベアーズ）編集担当の久保田です。今回私たちのチームメートのコリーナが、英国のコベントリーを拠点とするJ&Kコーチングのサッカーコーチ、ケビンとサッカー選手のディーンを取材しました。
焦点をあてたのは、サッカーに対するモチベーションはパンデミック前と現在ではどのような違いがあるのか、また困難な日々の中で前に進むことができたのはなぜか、という点です。それを皆さんにも共有させていただきます。
最初にケビンコーチの洞察を紹介しましょう。
ケビン：「パンデミック前はサッカーの技術を向上させる目的で練習をしていたんだ。身体を鍛えることで、全体のパフォーマンスを向上させたかったからね。色々と調べたり選手としての経験から気づいたのは、身体的状態が良ければ良いほど、試合全体を通じて高い技術を維持できるということ。試合の後半になってくると少しずつ技術が雑になってくるから、例えば60分間、最初から最後まで同じように筋肉を働かせるためには、身体を鍛えておくことが重要なんだ。
コーチとして、パンデミック前後のモチベーションの違いで気づいたのは、これはどちらかというとメンタルヘルスの問題だということ。ロックダウン中やロックダウンから抜け出す段階の選手にとっても同じこと。だから選手には外に出てもらい、週に数回でもいいから一日中体を動かす習慣をつけさせる。そうすることで精神的にも安定し、ストレスが解消された状態を維持できるように仕向けている。
モチベーションを上げるために一番難しいのは、選手らを外に連れ出して最初に練習をするとき。コーチとしては、選手を外に集めてやる気にさせるのが一番難しい。でもいったんここに来て練習をすると、皆次も来てくれるんだ。結局、未知の世界に対する恐れなんだと思う。
まずは外に出て、身体を動かしてみて、どう感じるかが一番大事だと思う。好きだと思えばそれをやり、そうでなければ違うことをすればいい。自分がやろうとしていることは、肉体的にやる気を起こさせる何かを見つけようとしていることなんだからね。」
次に、毎週ケビンコーチのもとで練習を重ねてきたサッカー選手のディーンが、自身の経験を語ってくれました。
ディーン：「（ロックダウン中は）人生が苦しかったよ。モチベーションを維持するために始めた練習だけど、もうすぐ新しいサッカーシーズンが始まるんだ。つまり、自分の中でモチベーションを探さなければならなかった。
数カ月間ロックダウンされていて、誰にとっても心理的に楽ではなかったから、サッカーをすることでメンタル面も健康でいられたんだと思う。今は自分がいろいろなことに関わっているので、それが精神的なモチベーションになっているのは確か。フィットネスも必要だし、仕事から解放されることも必要。サッカーはそのための 「道 」を提供してくれているんだと思う。
ロックダウンの前は、主に楽しむためにサッカーをしていたよ。子供のころからやっているので、サッカーするのが大好きなんだ。今は、仲間のほとんどはプロになるのは無理。自分たちが競技としてプレーする唯一の機会は、サッカーの試合だけなんだ。」
最後に、主なポイントを紹介し、結論を述べたいと思います。
【ポイント１】小さなことから始めよう
「最初の一歩はいつだって一番難しい」のです。でも、そこから良くなったり悪くなったりしながら、少しずつ楽になっていきます。紆余曲折、浮き沈みが多いかもしれませんが、そのことを何度も認識し、思い出すようにすることが大事です。最初は小さなことから始めましょう。例えば10〜20分程度の運動をするなど、明確で簡単な目標を設定すると、驚くほどエネルギーと意欲が湧いてきます。
【ポイント２】好きなものにトライ
どのような運動や活動を選択するかは、あくまでも個人の主観によるものです。人はそれぞれ違いますから、何に時間とエネルギーを費やすかは、制約や疑問なしに自由に試して決めて構わないのです。
【ポイント３】変えることを恐れない
途中で考えや目標を変えても全く問題ありません。自分が納得できないものや、自分を苦しめるようなものにこだわる必要もありません。変化は成長するための自然な要素ですから、恐れずに受け入れてください。
【ポイント４】心と体はつながっている
サッカーはメンタルヘルス、さらには自分のアイデンティティの一部と関連しています。これは、スポーツや身体活動が日常生活に与える影響と、たとえ困難な状況にあっても努力を怠らないことが重要であることを伝えています。
結論：プロでも困難。だからマイペースで。
今回のインタビューでは、練習を再開しモチベーションを回復することはプロのコーチであっても難しいということが分かりましたので、どうか落ち込まないでください！ 人と比較してしまう気持ちをできるだけ抑えてください。自分のペースで自分の道を歩んでいけば、遅かれ早かれ良くなっていることに気付き、自分の努力の結果を楽しみ、そして感謝できるようになるはずです。
英国（正確にはイングランド）では７月19日にほとんどの法的制限が解除されて、自由な雰囲気が戻りつつあるそうです。今回の取材記事を通じて、少しでもスポーツ好きな皆さんの心身のモチベーション維持や向上にお役にたてれば幸いです。
オリジナルの英文記事は、Mediumのブログからお読みいただけます！
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