建築積算入門 笠木
笠木(かさぎ)とは
笠木とは、ベランダやバルコニー、塀、キッチン、階段の手すりなどの上部に取り付けられる仕上げ材のことです。
主にデザイン性を高めるため、汚れを防止するために使用されます。
今回は室内に使用する笠木について解説いたします。
表面の材質
主に以下の3種類となります。
安価なオレフィンシートの笠木が多く使用されています。
・オレフィンシート
・集成材
・無垢材
メーカー
基本、建材メーカーであれば用意があります
・大建工業
・永大産業
・パナソニック
・ウッドワン
・LIXIL
・パナソニック
・YKK
etc…
規格寸法
厚み 20~24mm
長さ 3900~4000mm
積算開始
積算条件
・在来工法3.5寸柱(105mmx105mm)
・壁石膏ボード厚み12.5mm
・大建工業 シート笠木を使用
・笠木使用箇所 キッチン
モデル図面
積算手順・ポイント
①壁厚を確認
今回は在来工法 3.5寸柱(105mmx105mm)、壁石膏ボード12.5mmの為、壁厚は130mmです。
②見込みを選定
壁厚に応じて、見込みを選定します。
必ず、壁厚より少し大きい見込みの笠木を選定します。
※見込みとは建築の部材の奥行きやその寸法を指します。
壁厚130mmの為、見込154mmが適切な笠木のサイズとなります。
壁厚より少し大きい笠木を使用して、チリをだします。
※チリとは
枠を壁面から飛び出すように納めることを「チリ」といいます
下の図より、130mmの壁厚に対して、見込154mmの笠木を使用するとチリ12mmとなります。
根拠
154mm-130mm=24mm
24mm÷2=12mm(両側12mmのチリ)
また、チリの寸法は笠木裏面のシート巻き返し寸法に注意してください。
※笠木裏面は全面化粧されていない為、チリが大きすぎると化粧されていない素地が見えてしまう為
必要本数
笠木1本3900mmに対して、約1820mmの長さが必要なので、約0.5本必要となります。
※実際はボード内々に納める為、1820mmより少し短い長さになります。
余りを他の場所に流用出来ないか?
継ぎが発生しないように積算する事もポイントです。
例えばキッチンの他に階段笠木があり、
階段笠木の必要本数が0.5本の場合、
キッチン笠木で使用した笠木の余り0.5本分を
階段笠木に流用する事が出来ます。
"0.5本を2つ繋げて使用する"考えはNGです。
継ぎ目が発生してしまい、意匠性が悪くなります。
4mを超えるような長さの場所に笠木を使用する場合はやむを得ないですが、
基本的には継ぎ目が発生しない積算を心がけてください。
笠木は天端のみか、床まで落とすか?
笠木の納め方は以下の2種類あります。
以下の2枚の写真を見ると一枚目は天端のみ、2枚目は床まで笠木を落としているのが分かります。
床まで笠木を落とす場合は、その床まで落とした分の笠木が必要になりますので、
天端のみ時より多く使用します。
積算時に拾い漏れがないように注意しましょう。
建築積算に興味をお持ちの方へ役立つ記事を掲載していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。