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建築積算入門 巾木
巾木とは?
「巾木(はばき)」とは、建築やインテリアの用語で、壁と床の接合部分に取り付けられる細長い板状の部材を指します。
壁を保護し、美観を向上させるために使われます。
巾木は、掃除機や家具が壁に直接当たるのを防ぎ、壁の損傷を防ぐ役割もあります。
木材やプラスチック、金属など、さまざまな素材で作られています。
住宅や商業施設など、多くの建物で見られる標準的な仕上げの一部です。
有名なメーカー
基本的に建材メーカーであれば、用意しています。
・大建工業
・パナソニック
・永大産業
・LIXIL
・ノダ
etc...
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規格サイズ
メーカーによって誤差がありますが、大体下記の寸法の巾木が多く作られています。
厚み 6〜9mm
高さ 50〜60mm
長さ 3900〜4000mm
入数 2本入または10本入
材質
・オレフィンシート
・無垢材
一般的な戸建て住宅では、オレフィンシートの巾木が採用されています。
メーカー
基本的に建材メーカーであれば、長尺巾木(オレフィンシート)の用意があります。
・大建工業
・永大産業
・LIXIL
・パナソニック
・ノダ
・YKK
・アイカ工業
・ウッドワン
etc...
不陸調整の有無
室内巾木には不陸調整が付いているものと付いていないものがあります。
不陸調整付の事を、スカート付と呼ぶ人もいます。
※不陸調整とは
「巾木の不陸調整」とは、壁や床の仕上げが平坦でない場合、つまり「不陸」が生じている部分を調整するために、巾木の不陸調整のゴムを使ってその凹凸を目立たなくする作業や技術を指します。
木造住宅は湿気を吸って膨張したり、乾燥して収縮したりする特性があるので、どうしても不陸が発生しやすいです。
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積算開始
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早速、積算してみましょう!
まず、巾木を使わない場所を抑えておくことが
ポイントです。
【巾木を使用しない箇所】
・玄関ドア、内部建具
・掃き出し窓(1F)
・玄関収納(台輪納めの場合)
・キッチン
・和室※洋風和室の場合を除く
・階段
・浴室
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赤線が巾木を使用する箇所になります。
総長約49.5mになります。
総長49.5m÷巾木一本長さ4m=12.375本
切り上げで13本必要という積算結果になります。
上記の13本は現場ロスを考慮していないので、
お客様ごとの特徴をふまえてロス率を設定してみてください。
出隅
出隅とは壁と壁、壁と柱などの二つの面が、ある角度で出合ったときの出っ張りの部分をいいます。
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図面の赤い丸の箇所です。
巾木同士がぶつかる箇所なので繋ぎ目があり、掃除機がけの際にぶつけてしまうと剥がれが生じるため、角を守るためにキャップを付けることができます。
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上記の図面でトイレの引き戸には出隅用キャップをチェックしなかった理由は、
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上の図のように通常の出入り口用の建具は、枠が壁面より飛び出し出隅が発生しないためです。
クローゼットの折れ戸の箇所は
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上の図のように通常の収納用の建具は、枠幅が壁厚より小さいため収納内部に出隅が発生します。
よって、収納内部に出隅キャップを付けます。
入隅
入隅(いりすみ)とは 壁など二つの面が出合った所の内側にへこんだ部分をいいます。
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青い丸の箇所です。
ここも巾木同士がぶつかり継ぎ目になる箇所です。
剥がれ防止の為に、入隅用のキャップを付けます。
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建築積算に興味をお持ちの方へ役立つ記事を掲載していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。