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建築積算入門 壁石膏ボード(2F)




はじめに

※この記事は建築積算入門 壁石膏ボード(1F)の続きです。
まずはこちらの記事をお読みください。



積算開始


モデル図面



立面図
矩計図



今回の図面は、グリット線の数字から910モジュールを基準としています。


天井高を確認して石膏ボードのHサイズを決める

平面図、矩計図、断面図等から天井高を確認することができます。


矩計図から2Fの天井高が確認できます。

天井高2400の為、3x8(サンパチ)の石膏ボードを選定します。
サンパチとはW3尺(910㎜)xH8尺(2420㎜)の大きさです。
※在来工法の場合は横架材まで石膏ボードを張り上げることがありますが、今回は天井高を基準に壁の石膏ボードのサイズを選定します。


石膏ボードが必要な個所

外周
石膏ボードを積算する上での外周とは、室内に面した外壁を指します。
図面の青いラインを外周とします。


間仕切り壁
間仕切り壁とは、建物内部の空間を仕切るための壁の事を言います。
図面の緑と黄色のラインを間仕切り壁とします。


妻壁
妻壁とは、妻側の妻梁以上の外装の壁のことを言います。
立面図の青い三角形の箇所です。


外周、間仕切り壁、妻壁それぞれに必要な枚数を積算していきましょう。

外周石膏ボードの積算

まず、外周の長さをだします。
外周の長さ÷石膏ボードW

X軸が7280㎜x2=14560㎜
Y軸が7280㎜x2=14560㎜
外周29120㎜÷石膏ボードW910mm=32枚
※メートルに換算して計算してもOK
29.12m÷0.91m=32枚

外部サッシ・外部建具の拾い出し※差し引き用

サッシ窓、外部建具(玄関等)の箇所には石膏ボードを貼れない為、
窓の大きさ分の石膏ボードを差し引く必要があります。

※外部サッシ・外部建具の詳しい拾い出し方法は、建築積算入門 壁石膏ボード(1F)をご確認ください。


外部サッシ・外部建具の差し引き枚数


掃き出し窓はP数x3/4とし、
腰窓はP数x1/3を差し引き計算します。

2階以上の掃き出し窓は、バルコニーの防水立上りを確保するため段差(またぎ)が必要となります。



よって石膏ボードを貼る範囲が1階より少し増える為P数x2/3差し引きで計算します。

該当箇所は以下の通りです。
赤〇が掃き出し窓、青丸が腰窓です。


2階平面図より、
腰窓 5.5Px1/3=1.83枚
掃き出し窓 2Px2/3=1.33枚
合わせて3.16枚が差し引き枚数と計算できます。

最初に出した外周全体の枚数-窓の差し引き枚数
=外周に必要な石膏ボード枚数になります。

外周全体32枚-窓の差し引き枚数3.16枚=28.84枚
よって外周に必要な石膏ボードの枚数は 29枚となります。

つづいては間仕切り壁の積算です。

間仕切り壁石膏ボードの積算

間仕切り壁を記した図面をご覧ください。
縦を緑色、横を黄色で色付けしています。



平面図のグリット線をもとに、縦横それぞれのP数を出します。
弊社では910mmを1P、0.5Pを切り上げでP数を算出しています。
※詳しいルールについては建築積算入門 壁石膏ボード(1F)をご確認ください。

縦 16.5P
横 9.5P となります。

間仕切り壁の石膏ボードは両面に貼るため、数えたP数にx2をします。

16.5P+9.5P=26P  
26Px2=52枚です。

内部建具の拾い出し※差し引き用

内部建具の箇所には石膏ボードを貼れない為、
建具の大きさ分の石膏ボードを差し引く必要があります。

内部建具の箇所を拾い出しましょう。

内部建具の箇所に赤くチェックを入れました。
グリット線をもとに建具のP数を出します。
※910mmを1Pとします。

内部建具のP数は7Pです。

内部建具の差し引き枚数

建具の差し引き枚数は出したP数に2倍して3/4をします。
※両面差し引く必要がある為、内部開口は建具P数x2x3/4で計算します。

内部建具7Px2 x3/4=10.5枚です。

間仕切り壁全体の枚数-建具の差し引き枚数=間仕切り壁に必要な石膏ボードの枚数になります。

間仕切り壁全体 52枚-建具の差し引き枚数 10.5枚
=間仕切り壁に必要な石膏ボードの枚数 41.5枚となります。
 切り上げで42枚となります。

妻壁の積算



妻壁は立面図の東側の青い三角形の部分です。
妻壁に使用する石膏ボードは主に910mmx1820mmのもので、3尺×6尺の
長さであることからサブロクと言われる大きさのものです。
1枚あたり1.6562㎡(0.91mx1.82m=1.6562㎡)

妻壁の面積を出します。
三角形の面積は底辺x高さ÷2です。

この家の場合、底辺に当たるのは平面図のLDKの東側、3,640mmです。
図面から、この屋根は勾配の記号から5寸勾配であることが分かります。

この二等辺三角形の高さを出します。赤い線の長さです。



底辺1820㎜の直角三角形とし、勾配が5寸勾配なので
1820㎜x0.5=910㎜です。

高さが出たので、青い三角形の面積を出します。
底辺3.64ⅿx高さ0.91ⅿ÷2=1.6562㎡

この妻壁の面積に必要なサブロクの枚数を出します。
妻壁面積1.6562㎡÷サブロク1枚の大きさ1.6562㎡=1枚
妻壁に必要な枚数は1枚です。

階段の腰壁を積算


赤く線を引いた箇所は階段の手すり壁部分です。

階段4段分が1P、2段分の長さなので半分の0.5P、455㎜です。
ここは腰壁なので3x8(8尺H2420)の半分の高さと考えます。

3x8(サンパチ)の半分の幅、半分の高さの石膏ボードを2枚合わせて貼るので、
階段手すり壁は
サンパチ(8尺:H2420)が0.5枚必要ということになります。


積算結果

必要な石膏ボードの枚数は
2F外周  サンパチ(3x8)29枚
2F間仕切り壁 サンパチ(3x8)42枚
妻壁  サブロク(3x6)1枚
階段腰壁(3x6)0.5枚
となります。


建築積算に興味をお持ちの方へ役立つ記事を掲載していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

お読みいただきありがとうございました。














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