8月8日、薬局に行く

一緒に住んでいる彼女が熱を出した。
彼女は薬局に薬をもらいに行ったが、時間がかかりそうだったので薬を受け取る前に帰ってきた。

在宅勤務の昼休みに僕が薬局に行くことになった。こういう時、看病したり役に立てたりするのはとても嬉しい。最近の僕はお仕事を軽やかにこなすことができていない節があり一日の大半は誰の役にも立っていないので、彼女の役に立つのがいつもよりもとびきり嬉しいのである。

薬局に行って彼女の名前を伝えたら、「お母さんの薬を取りに来たのかな?」と言われた。

「いえ、彼女のです。」って言ったら、彼女いるの必死で自慢してるみたいでださいよな。「一緒に住んでる人です。」っていうのもなんか匂わせみたいできもいよな。「はい、代わりに来ました。」でいいか。でも、薬をどんな年齢の人が飲むかとか薬剤師さん的には気になるのかな。というより、僕28歳なのに「お母さんの薬を取りに来たのかな?」ってどういうことだ。平日に薬局行ったから実家住みニートだと思ったのかな?それとも、内面の幼さを薬剤師さんに見抜かれたのかな?僕がお仕事できないから?お仕事できてないやつなんて幼稚園児みたいなものなんだから「おつかいできて偉いね」ってこと?

みたいな考えが頭の中で渦巻き、少し間を空けて僕は「か、うあ」と言った。「はい」「いいえ」に続く第三の返事である。意味としては「彼女の、いや、まあ、はい、一緒に住んでる女性という点ではお母さんでも彼女でもどっちでもいいですよね。内面の幼さ、人間性の乏しさについてはこれから修正するべく尽力します。」である。

薬局から出て歩いていると、片手運転でガッツポーズしながらフル音量で歌っている人が原付で走っていて、僕を追い抜かしていった。憧れはしないが、なんか負けてるような気がして情けなくなった。

今日も平和な1日だった。めでたし、めでたし!

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