R-1グランプリ1回戦というエンタメ
昨年のR-1グランプリファイナリスト、どくさいスイッチ企画さんが、
「本当にヤバいものを観たければR-1の一回戦に来るべきだ。」と言っていた。どうやら、相方も審査員も経ていない悪い意味で煮詰まった作品がたくさん見れるという意味らしい。行ってみるしかない。
初めてのR-1グランプリ観戦
ある日の大阪予選、仕事を午後休にして予選会場に向かう。受付の横には、次の出番のピン芸人が並んでいた。特攻服を着てフリップを持った人がいる。よく知らないが、あまりにもR-1一回戦の光景だ。
受付で「出場ですか、観覧ですか。」と聞かれた。1回戦はそんなこと聞かれるのか。芸人さんとの距離の近さを感じる。
会場は自由席。最前列も空いているが、ヤバい人に至近距離で叫ばれたら怖いので4列目くらいにした。(実際に突然叫びだす人もいたのでポジション取りは正解だった。)以下はこの日の個人的ハイライトである。
一つ目のボケにたどり着く前にネタをとばして帰る人
フリが長めのコントで一つ目のボケに辿り着かず、後ろを向いてフリーズして「ありがとうございました」と言って帰った人。2回戦以上にいく人ならアドリブで言葉を繋ぐはず。R-1一回戦じゃないと見られない光景である。
女子高生の直後に露出狂の男性現る
天真爛漫な女子高生のネタの直後、坊主とスキンヘッドの中間の髪型をしている大柄な男性による露出狂のコントが始まった。ゆるふわ女子高生がステージを去って、象のジョウロを股間に当てがった男性が出てくるまで1分もかからなかっただろう。緩急で頭がおかしくなりそうだ。R-1グランプリはさまざまな人間を見せてくれる万華鏡である。
他業種の方の活躍
アイドルがお笑い賞レースに出る、という話は聞いたことがあったが実際に見たのは初めてだった。その日はグラビアアイドルの方が出ていた。胸元が開いた服で深くお辞儀をしたとき、会場の平均座高が上がったのを感じた。
謎のフリップネタ
「民主主義とは?」と書いたフリップが出てきた。香ばしすぎる。
謎のフリップ帰還
順番間違いなのだろうか?「民主主義とは?」と書いたフリップは舞台袖に戻って行った。
謎のフリップ芸見れず
「民主主義とは?」の人は最後まで出てこなかった。
結局、民主主義のことを調べなきゃなと思ったりしたので、あの人の術中にはまってるのかもしれない。
結論:みんな面白かった
僕は人前を避け続けた人生だ。小学生の時の学芸会の劇で、セリフが2つ以上ある役を避けてきた。授業で指名されても黙ってしまうし、喋っても教卓まで声が届かない。R-1グランプリ0回戦敗退である。
R-1グランプリに出てる人は大きい声でストーリーを、フリップを、大道芸を、エピソードを、必死に伝えている。予想がつくボケで失笑を量産する人も、震えてる人も、粗品さんのパクリっぽい人も、Bluetoothが切れてネタを続行できなかった人もみんな輝いていた。0回戦敗退の自分は面白がることしかできない。
芸人の方々、とても尊敬しています。面白いことも面白くないことも、こっちで面白さを見つけるので好き勝手やり続けてください。いつもありがとうございます。