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エクサクタは作品作りに使えるのか
前回、ライカM3を10年使っての所感を書きましたが、もう一台の相棒、エクサクタ・ヴァレックスも2013年秋に購入して10年が経ちました。
早田カメラ店の店長に「作品作り」には使えないと言われたこのカメラ。でも、少なくとも私は作品作りに使ってます(笑)。実際のところどうなのか、いいところ、悪いところも含めて書いてみます。
いいところと悪いところ
エクサクタ・ヴァレックスのいいところはズバリ、エクサクタ・マウントのレンズがたくさんあること。
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シュタインハイル・オートDキナロン35㎜、
シュタインハイル・オートテレキナー13㎜
カールツァイスはともかく、シュタインハイルのレンズに出会えたのは、エクサクタ・マウントを知ったから、というところが多分にありますし、その中でアダプターをつけることなく、自動絞り機能など、そのカメラのための設計されたレンズで撮れるのはメリットだと思います。
次に悪いところについて、操作性のことも含めて書いてみます。
よく使いにくいことで挙げられる、左手でシャッターを切ることについては、まったく問題ないですね。なぜならば、自分は左利きだから(笑)。私のエクサクタ・ヴァレックスは、Ⅱaというモデルで、クイックリターンではないけども、シャッターを切った後、ファインダーが見えなくなり、「撮った」という感覚が得られる点では、100%デメリットではないと思います。
本当によくないところを挙げれば、巻き上げレバーを270度くらい回さなければならず、巻き上げの際、レバーをストラップに引っかけることがあり、引っかけたままうっかりシャッターを切ると、シャッター幕の動きに影響が出ること、あと、シャッタースピードダイヤルに指などがかかっていると、シャッタースピードに影響が出ること、ですね。
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シャッターを切る間、右のシャッタースピードダイヤルに触れるのもダメ
私のエクサクタの場合、1000分の1のシャッタースピードで明るいところを撮ると、ムラが出ることがあり、その点において、このカメラはいつでもどこでも安定して撮影できるわけではないことは付記しておきます。
エクサクタで作品は作れます!
で、作品は作れるか、問われれば、作品は作れます!
こちらはカールツァイス・ビオター58㎜を使ったポートレート。優しい感じに仕上がりました。
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キューバに行った時もこのカメラを持参。こんなスナップを撮り、グループ展に出したこともありました。
望遠レンズが使えるのは、さすが一眼レフです。一応、実質的に初めて販売された35㎜フィルム用一眼レフなんですよね。
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スペインのサン・セバスティアンにて
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こんな感じで、エクサクタでも十分納得がいく写真を撮ることができています。
結局、作品作りって、どんな対象を撮るか、それと、そのカメラに信頼・愛情を寄せられるかどうか、なのではないでしょうか。それ次第で作品は撮れる。
実は、自分がエクサクタを使っているのはある意味不便だから。
過去の先達はこの不便さを乗り越え、真摯に対象と向き合っていた。その精神を自分にも宿したいんですよね。
これからもエクサクタで作品作りに励んでみたいと思います。