「小川修司写真展 女学生日和 その6」を見て、ストリートフォトを考えた
ギャラリーヨクトで2月3日(土)から開かれている「小川修司写真展 女学生日和 その6」を見に行った。
継続は力なり
小川修司さんは尊敬する写真家の一人。この女学生日和は7年も続けているという。女性に声をかける、写真を撮る、それで個展を開く、いまどき、それだけでもすごいこと。それを7年も続けていらっしゃる。
ストリートフォト・スナップの危機
あらためて、ストリートフォトって危機にあると思う。こんな声が聞こえてきそうだ。「声がけは気持ち悪い」「女性だけ撮るのはおかしい」スナップもそう。「無断でシャッターを切るなんて」「それって盗撮じゃないの」……。
このまま行けば、ブレッソンも「盗撮」と言われる日が来てしまうのかもしれない。街で人を撮れなくなる日が来るのかもしれない。ストリートフォトやスナップフォトに取り組んでいる人たちで、この問題は真剣に議論しなければならないと思う。
小川さんの作品を見てほしい。被写体は安心した顔をしている。無論、初期の作品には緊張感もあるけど、信頼は伝わる。
当事者間でしか分からない関係を、外野が勝手に憶測で語りがちな今日、撮影者と被写体の豊かな関係を直接見て、感じ取ってほしいと思う。
瞬間を残し、時間を残す
ストリートフォトやスナップの意義って何だろう。
それは、瞬間を残すことではないか。
写真って、2つの面があると思う。
一つはphoto graph=光の画の側面。つまり時間軸に関係なく、光で画を描くこと。
もう一つは写真=真を写すの側面。瞬間を写すのって、こちらの側面が強いと思う。ある時のある姿を、写真で「残す」。
これを続けることで、時代の変化、時の移ろいが見えてくる。小川さんのプロジェクトに意義があるのは、無論、作品自体にあるとともに、こうしたある時を「残す」ところにもある。
タイポロジーの側面も
小川さんと会場でお話を伺い、もう一つの側面を知った。それはこの作品群にはタイポロジー的でもある、ということ。
スナップを同じテーマ、題材で描き続けると、そこにはタイポロジーの意味も出てくる。
このいろんな意味で意義があり、そしてなんと言っても、作品を見た時に受ける安心感、喜び、希望。それを是非感じてほしいな、って思います。
「小川修司写真展 女学生日和 その6」は、2月11日(日)まで。
小川修司 写真展「女学生日和 その6」
会期:2024年2月3日(土)~2月11日(日)
13:00-19:00
入場無料・会期中無休
会場:ギャラリーヨクト
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-10 ユニヴェールビル102
Tel:03-6380-1666