フィンランド・プンカハリュへようこそ~その①プンカハリュってどんなとこ?
今回は、森と湖の国、フィンランドを存分に味わうことができ、私が地上で最も愛している場所のひとつ、プンカハリュについて、2回に渡って紹介したいと思います。
第1回:フィンランド・プンカハリュへようこそ~その①プンカハリュってどんなとこ?(本稿)
第2回:フィンランド・プンカハリュへようこそ~その②行き方、滞在etc.
プンカハリュって知ってる?
ところで、プンカハリュ(Punkaharju)ってご存じですか?
プンカハリュはフィンランド東部に位置する景勝地。オペラフェスティバルなどで有名なサヴォンリンナの南東30㎞ほどです。湖の上を回廊のような“尾根”が数キロ続くエリアがいわゆるプンカハリュで、その南東には村があります。
2017年には、フィンランド独立100周年を記念して行われた人気投票で「世紀の道」の第一位に選ばれています。
湖を貫く“回廊”
で、プンカハリュがどんな感じかというと、
“尾根”は細く、回廊のようで、さながら湖上の天橋立、といったところでしょうか。道路と鉄道が走る“尾根”が湖面を貫き、左右に湖が広がる抜群の光景が数キロにわたって続きます。具体的にはサイマー湖群の2つの湖、プルヴェシ湖とピフラヤヴェシ湖を隔てているそうです。
プンカハリュには、大きく分けると2つの“尾根”があり、そのひとつには、上の写真のとおり国道14号線と鉄道が走っています。
もうひとつは細い道で、こっちの方がプンカハリュ感(!?)を味わえるかも。もっとうねうねとしていて、車で走ると結構上り下りがあります。
“尾根”の上の道路から離れると、
こんもりとした丘となっていて、ハイキングのできる小道があります。
小道を歩けば、左右にはこんな風景が目に飛び込んできます。
細い方の“尾根”の途中にはトイレのある休憩所もあります。
観光・見どころ
プンカハリュでは、ハイキングやドライブで、雄大な景色を楽しみ、自然を満喫するのがまずひとつ。
立ち寄り地点として、絶対に押さえておきたいのが、森の博物館「LUSTO」です。
多くの森に囲まれているフィンランド。その森の成り立ちや資源としての意味、フィンランド人の生活にとっての森の重要性、林業やアートとしての魅力などを学ぶことができます。
木彫り体験や電動のこぎりを使った競技などのイベントもあるようです。
開館は毎日で、入場料は大人16ユーロ(2024年7月現在)。本数は少ないものの、鉄道の駅もありますよ。
もうひとつ、めっちゃマニアックだけど、塹壕跡も見ることができます。
木造の構造物で強化されたこの塹壕は、1944年に作られました。1990 年代に再構築された後、2013 年にも一部改修が行われ、現在に至っています。
1939 年末から 1940 年の春にかけて、フィンランドはいわゆる冬戦争で、当時のソビエト連邦と戦いました。その後、平和条約の条件に基づく領土の割譲により、フィンランドの東国境の一部が移動。それまであったフィンランド南東部の要塞は新しい国境の東に残されたため、新たにこのエリアに防衛線を作ることとなりました。その一部がプンカハリュに残っているというわけです。
1941年~1944年に勃発した継続戦争では、この防衛線に到達した戦闘はなかったようですが、その存在自体が、その後のソ連との和平条件に影響を与えたそうです。
国家的な景勝地として
プンカハリュはフィンランドの象徴的な「国定景観」とされ、現在は自然保護区に指定されてます。また、EUの自然保護地域のネットワーク「Natura 2000」プログラムにも含まれています。
その美しい景観は、芸術家や作家にインスピレーションを与え、国内外からの観光客を惹きつけてきたそうです。1802年には、当時この地を治めていたロシアの皇帝で、初代フィンランド大公でもあるアレクサンドル1世がプンカハリュを訪れ、保護を求めています。
しかし、この美しい風景は残念ながら、日本ではまだまだ知られていないと思います。
次の記事では、行き方や宿泊、村の情報などをお伝えしたいと思います。