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新型コロナ後遺症で寝たきりになった話

緊急事態宣言は延長され、こっそりお酒を出す居酒屋が増え始めた。
自粛に疲れてきた。
ワクチンが自分の元に届くのはいつになるんだろう?
そう考えながらも、日々満員電車に揺られながら出勤せざるを得ない。

そんなモヤモヤする現役世代へ


この春、私は新型コロナ後遺症として筋痛性脳脊髄炎と診断されました
現在1日の大半を寝たきりで過ごし、脳血流の低下によって脳の機能も低下しています。
簡単に言うと新型コロナ感染によって体も脳もダメになってしまいました。
そんな私からコロナのリスクは想定よりも重いと今一度言わせてください。
人生が台無しになります。

無症状や軽い風邪の症状も多い
後遺症は味覚嗅覚の異常やハゲるといったものであり致命的ではない
そんな情報が多く広まっていると思います。
これらの情報の中で”若い自分は大丈夫なんじゃない?”という気持ちが徐々に強まってしまってもしょうがないと思います。
しかし、いま気持ちを緩めるのは全くお勧めできません。
死よりも辛い状態はあり得ます。

筋痛性脳脊髄炎という後遺症

聞き覚えがないと思います。こんな病気です。

筋痛性脳脊髄炎(ME/CFS)とは
・突然激しい倦怠感に襲われ、生活が著しく損なわれるほど強い疲労とともに、頭痛、微熱、筋肉痛、脱力感などの全身症状と思考力、集中力低下などの神経認知機能障害が長期にわたり持続し、社会生活が困難になる病気
・中枢神経系の機能異常や調節障害であり、通常ウイルス感染後に発症
・詳しい病態は不明で、有効な治療法もなく、成人が発症前のレベルの身体機能を取り戻す率は0~6%
・患者の約25%はほとんど家から出ることができないか、寝たきり
・国内の患者数は推定で30万人
身体障害者手帳を取得できる方は0.01%
障害者総合支援法の対象疾患でもなく、医療費の助成も受けられません

引用:障害者政策委員会(第11回)議事録 3

ナイチンゲールも50年間苦しんだ病気です。
ウィルス感染後に発症するケースが多く、新型コロナ感染も含まれます。
私の場合は以下のような症状です。

■自分の症状
・37-38.7の継続的な発熱
・強い倦怠感
・慢性的な頭痛
・1日12時間以上の異常な睡眠
・前頭葉側頭葉の血流低下(思考力、集中力、記憶力の低下)
・軽い運動や知能労働を持続すると寝込む(クラッシュという症状)
 *上記の全ての症状が1年以上継続

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横たわる絶望

■感染後のつらみ
・なにやってもダメ
 肉体的に日常生活に最低限必要な動作以外動けない
 本を読むのが異様に遅いなど脳機能も低下
・いつ日常に戻れるのか見通しが全く立たない
・貯蓄が爆速で減っていく

感染前はアウトかセーフかの両極端でコロナを捉えていたように思います。
 ほとんどが重症には至らない、無症状もある、後遺症も致命的ではない
 死亡リスクはあるが若年層での割合はかなり低い
 もし低い確率を引いて死んでも、そこまでの話
感染症対策はしながらも、白黒な考えが私の中ではありました。

しかし、現実に訪れた後遺症は黒に果てしなく近いグレーで、
突然あらわれ、濃く、重く、暗いベールで未来を覆ってきました。
今後何十年も真綿で首を絞められる状態が続くことを覚悟しなければならないという絶望は、なかなか想像できないと思います。

昔、植物状態になったら潔く殺してくれと父親に話しました。
何も出来ずひたすら死を待つ日々は私には死ぬより恐ろしい。
同じように、ボケる前に死にたいとも話していました。
自分が自分でなくなった時に人に迷惑をかけたくないという思いです。
自分自身を失ったまま生きながらえることに意義を考えられないのです。
己を失うことが死ぬより怖いのです。
何もできない状態で生き続けることはまさに死ぬより恐ろしい事態でした。

今、私にとっての死より恐ろしい事態に限りなく近づきました。

現在は会社から傷病手当金が出ていますが、いつまでも続きません。
いずれ傷病手当金の期限が切れ、貯蓄が尽きるのも時間の問題でしょう。
前述の通り、国の補助は望めないのでその後はどうなるかわかりません。

声は出せるので、今は趣味程度に司会や解説をしたり、自粛を補助するコミュニティ運営など、できる範囲のことをリハビリとしてやっています。
ですが、その程度のことしかできないのが現状です。

心からお願いしたいことは、ただただつまらなくても家にいてくれということです

手洗いマスクの徹底、三密回避などキッチリこなした上で感染しました。
対策・警戒した上でもこの状態になりえます。

現役世代の方はモヤモヤしながらの生活を余儀なくされていると思います。
他人がやってるから、という甘い言い訳もしやすい環境になっていました。
オフラインでの開催に踏み切ってしまうイベントもチラホラ目に付きます。
しかしそれでも、十分に気をつけて生活することを強くお勧めします。

緊急事態宣言の有無や変異株が地域で発見されてないことを自分が安全である言い訳にしないでください。
私が感染したのは去年の3月で、緊急事態宣言も変異株という言葉もありませんでした。

人生を無駄にしたくないのであれば、家にいてください。
私は仲間が増えて欲しいとは思いません。

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