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終わってしまったカードゲームの思い出を作る。 シャーマンキング 超占事略決編

  今までいろいろなカードゲームを遊んですごしてきたけど、その中には今ではもうサポートを終了してしまったものもいっぱいありました。そんなカードゲームたちの思い出について語りたいという自分語りの記事でございます。当時を思い出して懐かしんでくださる方や、カードゲーム業界の歴史の一抹の資料として読んだくださる方がいれば幸いです。

シャーマンキング 超・占事略決とは…


  当時大人気連載中であった『シャーマンキング』を題材としたトレーディングカードゲームで、タカラトミーから販売されていた。
  ゲーム性はヒーロー選択タイプの先駆けとも言えるルールで、二人のシャーマンを選びデッキを構築、その際1人はファーストシャーマンとしてはじめから場に出た状態で始まる。シャーマンたちの霊力や最大召喚数などを参照し霊を場に出して戦闘を行う。戦闘の処理はキャラクターカードゲームとしては、複雑かつ独特で、防御したのがシャーマンか霊か、ダメージは防御力を超えているか、いないか、を参照しシャーマンにダメージが入ったり、霊が生き残ったり破壊されたりと瞬時に理解するのは難しい反面、そこに他のカードゲームにはないオリジナリティが存在している。

結構複雑

  またシャーマンごとに固有のステータスや持ち霊、秘技、必殺技などのカードが存在しており、キャラクターごとにしっかりとした個性を持っているので、原作再現やあり得ない組み合わせのタッグで遊ぶなど、シャーマンキング好きを満足させるキャラクターゲームだった。
  その反面、トレーディングカードゲームでは類を見ないレベルのインフレを起こしたカードゲームという歴史もある。同じ名前のキャラクターなのにステータスがほぼ完全に上位互換のカードが短期間に収録されたり、ルールを一新したオーバーソウルシリーズにおいてはほとんどすべてのカードが上位互換として一新されてしまった。そんな曰くもあり現在は生産中止となっている。

グリコ版という画期的なアイテム

  スナガガの超・占事略決の思い出はなんと言ってもウエハースのある。今でこそ、当たり前のようにお菓子売り場にポケモンカードがおまけのグミが売っていたり、バトスピのカードにウエハースが付録となって売っていたりと、お菓子とカードを組み合わせた販売方法が当たり前となっているが、その先駆けは超・占事略決だったと記憶している。


  子供ながらにお菓子のおまけシールやカードと、トレーディングカードゲームのカードでは数段トレーディングカードゲームの方が高級なものであると言う認識を持っていた。少年スナガガもお菓子は親に頼めば買ってもらえるが、遊戯王にしろポケカにしろ、自分の小遣いためて買うぐらいしか入手する手立てが無かったのである。そんな高級感の塊のトレーディングカードゲームをお菓子に封入するという荒業にでたのが江崎グリコ株式会社だった。
  そのウエハース一枚とTCG一枚を封入した超・占事略決グリコ版はどんな高級な御菓子よりも価値のあるものとして認識され、一日100円というお菓子を買うのみに許可されたお金は全てグリコ版超・占事略決へと注がれたのだった。ちなみにシャーマンキング 超・占事略決のデッキに必要なカード枚数は32枚と少ない。それも相まっていつか遊べるぐらいの枚数のカードを集めてやると息巻いて、ひたすらウエハース食べ続けたのであった。
  しかしデッキは完成しなかった。それもそのはずで、カードリストを改めて見てみると収録されているほぼ半数がシャーマンカード。デッキにはファーストシャーマン一枚と、2人目のシャーマン4枚しか必要がないのだ。子供たちに喜んでもらうためにたくさんのキャラクターカードたちを入れた江崎グリコ株式会社の優しさは、スナガガ1人を泣かす結果になったのである。

始めようぜ超・占事略決

  今回も遊んだことがないのでは?とお思いの読者の方々、今回は安心していただきたい。なんとイエローサブマリン秋葉原ミント店にて300円で超・占事略決オーバーソウルのスターターセットを手に入れてしまった。対戦相手がいないけど、一人回しなら一流カードゲーマーの得意とするところである。

  スターターは固定で葉とアンナが収録されているかと思っていたが、5人のシャーマンからランダムで二人入っているみたいだ。正直恐山アンナが欲しかったけど、霊たちが可愛いので満足としよう。
   実際に遊んでみると、ルールは複雑なものの独特な攻撃カード合戦が意外と面白い。まるでマジック:ザ・ギャザリングのスタック連続処理、遊戯王のチェーンの応酬を思わせるようなそれは、思いの外駆け引きが多い。大ダメージを与えることを目的とするか、霊を破壊する事を目的とするか、ここは霊を捨てて必殺技カードは攻撃に回すか、打消カードはいつ使うかなど、攻撃の目的と落としどころを考えるだけでもなかなか悩ましい。
   しかしゲームとしての問題はなかなか多いようで、ファーストシャーマンを集中攻撃すことで、2体1という盤面を作るとほぼその状況から逆転は不可能になったり、強すぎる巫術があったりとゲームバランスにはなかなか難があったらしい。しかし自分の分身となるシャーマン、ともに戦う霊、繰り出す必殺技、戦いの中の駆け引きとキャラクターカードゲームに必要なものは全部揃っており、原作好きの方にはぜひ遊んでみてほしいカードゲームだと感じた。

  ちなみに超・占事略決はGB版とGBA版が存在しており、とちらもカードゲームシュミレーターとして完成度はお墨付きである。スナガガもいつか実家にあるDSを引っ張り出して全国行脚の旅に出たいと思います。みなさまもあの頃に戻った気持ちで、いろいろな超・占事略決に触れてみるのは如何だろうか。


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