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30代、書店員に挑戦して得た知識。

   スナガガは仕事を辞めて、転職活動をしている間、本屋さんのバイトに挑戦してみたことがある。期間は5カ月と短かったが、意外と得るものは大きい。特に本や漫画が好きな人は一度経験しておくと、ちょっと効率的に本を探したり、取り寄せられたりすることができるようになるだろう。そんな少しお得な本屋の裏側をお伝えできたらと思います。

実は取り寄せはAmazon並みに効率的

   20年ぐらい前の話、本屋に自分の書いた本を並べて欲しかったら、各本屋さんで一冊ずつ取り寄せをお願いすれば良いという噂があった。なんでも噂の根拠は、一冊単位では取り寄せられないから数冊一緒に届いて、余ったものは陳列されるという話らしい。私の友人もそんな噂を信じて、布教したい漫画をいろいろな本屋で取り寄せていた。
  しかし2024年そんなことをしても無駄である。結論から言ってしまえば、書店には注文した冊数分ちょうどで届くようになっている。さらには取次に在庫があれば、早いと翌日か、翌々日には届くようになっているのである。500円の本であろうと送料は基本かからないので、書店へ取りに行くのが手間でなければかなり便利である。ただ土日の配送がなかったり、出版社にしか在庫のないものなどは1週間から2週間ぐらいかかってしまっうので、取り寄せにかかる時間は都度確認してみたほうが確実だ。

意外と知らないISBN

  書店員になって最初に教わるもの、それが『ISBN』。世界中の出版物に大抵付けられている書籍の情報や物流状況を確認するための13桁の数字とバーコードだ。注文を受ける時や発注をするときなど基本的にこの番号を入力して行うよう教えられる。なぜならISBNを使えば、お客さんが探している『人間失格』がKADOKAWAのものなのか、新潮社のものなのか、新装版なのか、旧版なのか間違えずに済むからである。
  逆にお客さんの立場になっても、このISBNは便利なものである。特装版と通常版を間違えずに済んだり、単行本と文庫本勘違いさせずに済んだり、長くてちょっと恥ずかしいラノベのタイトルを言わずに済んだりするわけなのだ
  そんな便利な番号ISBNなのだが、お客さんがこの番号を使って注文したり、在庫確認をされたりすることはほとんどなかった。あまり認知されていないようなのだ。かくいうスナガガも書店員になるまで知らなかった。これを記事を見てISBNを使いこなせば、書店員に気の利くやつとして認識されるとおもうので、是非有効活用してほしい。

絶版は意外と早い

  本屋で働く前、出版社から取り寄せれば大抵の本は手に入れられるのだろうと思っていた。でも実はそんなことはなく、出版社はあまり在庫を抱えない。とりわけ重版もされないような、それほど人気ではない本であれば2年もすれば在庫が枯れて絶版になってしまう。4年前に出版された大手出版社のモロッコの観光ガイドが在庫なし重版予定なしになっているなんてこともあった。文庫本や新書、コミックスならまだしも、中堅出版社の単行本を買うかどうか悩んでいるのなら、すぐに買ったほうがいい。たぶん数年後後悔することになるだろうから。

最終手段『返品待ち保留』

  出版社にも書店にも在庫がない本が、どうしてもほしいというときに使える最終手段がある。それが『返品待ち保留』だ。
  基本的に多くの書店は出版社からの委託販売という形で商売を行っている。なので本屋さんに並んでいる書籍たちは概ね出版社の在庫で、いつまで経っても売れなければ出版社に返されるという段取りになっている。そこで『返品待ち保留』をしておけば、全国の書店から出版社に返品されてくるものの中に、お目当ての書籍があれば、出版社から書店へ優先して送られてくるという算段だ。
  しかし大きな問題が一つあり、永遠に返品されず、一生届かないということもあり得るという点だ。駄目で元々という気持ちで使ってみて欲しい。また管理の面倒さから請け負っていない書店もあるかと思うので、快諾してくれる書店を探して対応してもらおう。

最後に

  自分の知らなかった業界に足を踏み入れるのは、いろいろな発見があって意外と楽しい。そんな発見で得た知識、みなさんはどれくらいご存知だっただろうか。そんな経験が皆さんの役に立てば、嬉しく思うスナガガでした!



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