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【大会】第3回五ヶ山・脊振クロストレイル/32km・D±2000m(2023/03/12)
基本情報
開催日: 2023年3月12日
走行エリア:五ヶ山・脊振エリアの周回コース
距離:約29.4km(YAMAP計測値)
標高差:+2082m -2026m(YAMAP計測値)
制限時間: 8時間
開始時間:朝8時00分
那珂川市、吉野ヶ里町に連なる脊振山脈の一部とダム周辺で周回するトレイルレース。アップダウンは激しめ。ダム付近を走るので少し長めのロードもあり。制限時間は8時間で、同じ制限時間で2周する「ダブル」も同時開催 (このコースを4時間以内に完走できれば翌年資格が与えられる。ダブル完走の難易度激高)
動画
※写真をほとんど撮ってないので適当に動画からキャプチャする。
会場・スタート前
最初に勘違いしてたこととして、「受付時間」は朝早くであるけど前日受付してたら行く必要はない。そりゃ当たり前だ、という感じであるけど早朝から行ってしまったので真っ暗な中でけっこう待つことになった。
暇なのでぶらぶら付近を歩いて過ごす。
そして明るくなってきたころには段々人も増えてくる。
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駐車場は4つのブロックがあるけど、第四駐車場はかなり遠くしかも登りを歩くので注意。ちなみにバイクは会場にとめることができる。
大会のゲストランナーは望月将悟さんと山本健一さん。
前日に「北アルプスブーメラン」の紹介イベントをやっていて(もちろん行きました)、当日はまさかのゲストランナーである。
このお二人が九州の大会に出るというまたとない機会、エントリー後に発表されたことなので偶然とは言え申し込んでよかったと心底思えた。
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ちなみに二人は出走を見送ったのちにスタートし、望月さんは交流をメインとしてわりとマイペース、山本さんはガチで走ったようだ。
スタート~坂本峠(10km)
すっかり明るくなった朝8:00からスタート。
五ヶ山ダムの上を走ってキャンプ場を越えていく。
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キャンプ場の先には九千部山への登りが待っている。
500m超の登りが最初に来るというなかなかなレイアウト。
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九千部山に来たのはこれが初めて。
ひたすら登っていくところで山本さんに抜かれた。一言かけた後にサッとかけて登られていき、何名か着いていったが自分はそこのペースまで上げられなかったので黙々と進む。
ピークは避けるコース設定なので、眺望はない道を進む。
最高点からやっとトレイルを走ることとなった。登山者が多いルートゆえに整備されておりかなり気持ちのいい区間だった。
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降りきると少しだけ坂本峠のロードを挟んでトレイルに合流。
まもなく第一エイドに着く。
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ここで10km。ペースはぼちぼち。
ちなみにこの大会では実験的に「ジェル禁止」縛りをしていた。
マルトデキストリンベースの補給をしないで乳酸閾値レベルの強度を走り続けた場合、エネルギーの残存感覚と身体的な変化はどうなるか?を知りたかった。
この辺でバナナを摂っているが、他にはパラチノース配合のスローバーを食べていた(走りながら食べるのはカロリーメイト並みに全く向いてない)
坂本峠~脊振少年自然の家(約20km)
エイドを抜けると次は蛤岳を登る。ここも何気に初めてだった。
タイムを考えると大会にあたって試走をするのがいいのだけど、それをすると初見の楽しみがなくなってしまうので基本的にはやっていない。
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黙々と登っていると、なにやら後ろから声がする。
振り向くとなんと望月さんが登ってきた。これはまたとない!と合流させてもらい、しばらくの間並走させていただいた。
色々な話を聞かせていただき非常に勉強になった。
九州に来てくれること自体も非常に驚きだが、まさか同じレースで色々なお話しつつトレイルをご一緒できるとは…これは間違いなくこの先忘れない経験になる。
本筋から脱線してしまうので長くは書かないが、私は色々諦めてるときにTJARでトレイルランニングを知った者とだけ書けば、この経験にいかなる価値を覚えているかおわかりいただけるだろう。
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エイドではおにぎりとチキンスープをいただく。
チキンスープ…外は暑いけど…意外と飲める…
そしてレッドブルを飲む。先に言うとこれは…ミス!
ここからは再びレースである。
脊振少年自然の家~ゴール
エイドを出てからは脊振ダムのまわりをぐるっと走る。
けっこう長めのロードで、疲れが出始めた状態なので速度を出すのが少ししんどくなってくる。単純にグルコースの枯渇を感じ始める。
確かこの辺でベスパ、羊羹を摂った記憶がある。
羊羹は…ミス!
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ぐるっと周ってから再びトレイルへ。
この辺から五ヶ山ダム前のトレイルまでは不明瞭な道が増えていく。
先に書いたレッドブルと羊羹のミスであるが、それは何か。
それは単純、急激な血糖値の上昇が起きる。
そうなると体はどう反応するか。インスリンショックである。
エネルギー切れとは違うくらみ、なぜか力は入らないし暑いのに感じる謎の寒気。初めて味わった感覚であったが原因はわかりやすいのでいったんペースを落とす。まぁそのうち平常値に落ち着くだろうと進みはする。さすがに追い羊羹はまずかったか…
ちなみに脊振ダムあたりから前後に全然人がいなくなって単独走の時間が長くなる。後で走りながら他のランナーに聞いた感じ、やはりそうだったらしいのでこのエリアから多くの人が揃って減速、自分のペースで進むから前後数分くらいの間隔が保持されていたようだ。
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この辺はアップダウンが続く。更に道がわかりにくい。
加えて言うと倒木が連続してたりなかなかワイルドなレイアウトで新鮮だった。
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不思議なことにこの辺でいつの間にか前後の差が縮まり、3人くらいで抜いたり抜かれたり並走したり、というグループラン状態になったのできついですね~と話しながら進んでいく。
この辺くらいからは体調は回復しており、糖質の補給自体はできていたことからわりと元気が戻っていた。
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最後のトレイルを抜けると、絶妙に傾斜と距離のあるロードをしばらく走る。進み続けるうち、前方におそろしいものが見える。
ラスボスの五ヶ山ダムの登場だ。写真だと絶対に伝わらないのだけど、これがとんでもなく高く見える。脇にある階段を駆けていくのだが実測値で140mくらい登っていた。超大型巨人の倍以上。なんだむしろあいついうほどでかくないな、と思った。ただでさえピークの眺望が望めない中、最後の最後にこれが待っている。距離と標高差のわりになかなか厳しめのコースである。
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長い階段を抜けるとスタート地点を横目に最後の階段が待っている。
その先はいよいよフィニッシュ。前後に人はいないが会場には一般客の方を含めて人がそこそこいる。
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当日は雨の予報が出ていたけど降る前にゴールできてよかった。
タイムは4時間半と少々。そこまで意識してなかったし、補給縛りをしたことを考慮すると上々でしょう。普通にやれば4時間半切り自体はできる範疇ではあるけど、4時間切りはだいぶしんどい…というのが今のレベル感。
リザルトを見たところ、4時間切ったのは10人だけだった。
実際走ったことで、制限時間8時間で倍量走るダブルの完走難易度が理解できた。むり。
ちなみに第1回のゲストランナーである上田瑠偉さんは3時間を切るという意味不明な記録を打ち立てている。これが世界トップレベル…
しかもこの翌々日にFKTチャレンジとして三郡縦走ピストンで3時間5分43秒を出している。たぶん私のシングルより速いんですが…
完走後はもてなしをいただき、天気がいいうちに撤退。
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写真ないけどTRAILという施設内にあるカフェの作ってくれるレモネードが美味しかった。TAG STAの経営する店らしい。
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コース
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まとめ
先に書いた通り、距離と標高差のわりにけっこうきつめのコース。
登りが延々続いたり降りもテクニカルだったりするし、意外と林道・ロード比率は高いのでシューズは選んだ方がよさそう。今回はアルトラのティンプを履いたところチョイスとしてはバッチリだった。
眺望はないので山頂の景色を楽しみたい、という方にはつらめだけどバリエーションにとんだレイアウトなので走ってて景色の変化が楽しかった。
トレイルランニングの大会なのでそうなるよな、という感じはするけどエイドが少なく道中に水場はないので、その点は注意。
何より先に書いた通り非常に貴重な機会であり、今後忘れることはないだろう大会になった。本当は最初同じ日に開催された球磨川リバイバルトレイルも検討していたのだけど、虫の知らせでこちらにしたことは本当に正解だった(なお仕事の都合上前後の連休をとることが不可能な状況だったため直感自体もあたってしまった…)
今回の補給食
結局以下の通りだった。
<水分>
・水 500ml
・トップスピード ウルトラミネラルタブレット 500ml
・エイドで水300mlほどとコーラ200mlほど、レッドブル1本
・メダリスト黒x1
<食料>
・スローバー x1
・羊羹 x1
・ベスパハイパー x1
・エイドでバナナ切れ端x1、おにぎり小x1、チキンスープx1、コラーゲンゼリーx1
単純計算してカロリーは全然足りてないけど体が動かないレベルのエネルギー切れは起きなかった。普段携行してるパワープロダクションCCDも飲んでないのでカロリーは全然足りてない。心拍ゾーンは4が5割と優勢、5も3割ほど。心拍とペースは終始安定している。
ジェルを1つくらい摂ってればもう少しペースは上げられたと思うけど、これくらいの距離・時間・強度であれば脂肪優勢で活動すること自体は可能らしい。ロングトレイルになると更にペースは落とすため、今回の構成をベースに拡張しつつ、ジェル比率を下げても問題はないと思う。