トレイルランニング:第2回脊振全山縦走 福吉駅~天拝山歴史自然公園 (2023/06/17-18)
【基本情報】
実施日: 2023年6月17日午前8時前出発~6月18日午前9時前到着
走行エリア:福吉駅~脊振山(一部はピークをパス)~天拝山歴史自然公園
距離:YAMAP実測/74.6km
標高差:YAMAP実測:+5244m -5188m
前回から2月月半。早くも2回目の脊振全山縦走。第⚪︎回と標榜する、つまりそういうことです。今回はソロではなく経験豊富な方々とのグループ縦走でピークもパスが多めのショートカットルート。まぁ別にピークハントは必須と思わないしこれでOK。動画はありません。
詳細情報
気候条件
当日の天候:晴れ(1日中)
最低・最高高度: 7m - 1043m
最低・最高気温: 16~19.9℃? - 29.6℃
フィードバックデータ
かかった時間:25時間14分(コースタイム170-190%)
消費カロリー:推定7122kcal
推定発汗量:9678ml
休憩時間:累計4時間16程度
平均移動ペース: 14:13/km
平均移動速度 : 3.2km/h
平均心拍:122
縦走開始
①福吉駅〜十坊山
前回と同じ福吉駅より7:45からスタート。
前回との大きな違いはソロではないこと、ザックがsetaroでなくOMMのPhantom25を使用したこと。
Phantom欲しいな〜と思ってたところ、旧版ではあるものの格安の新古品があったので購入。
現行品はハーネスがベスト型だけど、こちらはベルト型なのでドリンクホルダーがない。グレゴリーのクイックポケットで代用したら問題なかった。そもそもサイドポケットにボトルが格納でき、ゆっくりなペースの縦走なら別にそれでも良いかなと思った。
十坊山までのルートは一本道で前回と同じ。雲がなく登山口の時点で汗をかいていた。登山口についてからGarminのログが取れてないことに気づいたので記録はここからとなった。たまにあるね…
山頂まではあっという間。登山者は少なかったけど、後になって思えば比較的多い方になった。
②十坊山〜女岳
この区間はアップがしんどい。全体を通しても急登が続く部分となる。
それでも話しながらだと速く感じるもので、ソロよりは楽だった。西からスタートのほうが楽と言われるのは、この区間を体力のある最初にこなせるため。
日陰が多く直射日光はそこまで当たらず、風もすこし吹いていたので気温は高いながら意外と涼しさはあった。
③女岳〜羽金山
荒川峠は荒れ気味の区間。
4月に来た時に比べ明らかに植物が生長している。
上の写真は入り口を斜めから撮っただけなので覆われているが、道自体は藪というほどではなく日陰も多かった。鬱蒼とした雰囲気が広がる。
④羽金山~井原山
羽金山~雷山までが最も藪がすごい区間だった。
羽金山から進んでからすぐシダが藪を形成しており、漕ぐことになった。
嫌な予感がしていたがこの時点はまだマシだった。
峠を降りる手前でいったん開けた見通しのよい場所に出るのだけど、ここが最も藪がひどい場所だった。様々な植物のアソートセットで、人の背丈以上に伸びきっており前方が全く見えない。それが200mくらい続く。ソロで行っていたら別ルート探していたかもしれないレベルでジャングルだった。
上下半袖なので擦れて痛かゆい。
雷山山頂に向かう前に避難小屋へ。その間、上下の写真にあるススキのような植物の間を通っていくのだけどこれが最悪だった。アレルギーなのか触れるだけで被れてきて、水膨れのようになった。とにかくかゆい。
避難小屋は初めて来たけど非常に勝手が良かった。トイレもある。
しかし残念ながら来年春には解体されてしまうようだ。
この縦走においてはかなり痛手となりそう。
機器と心身を充電し、一休みしてから先へ。
雷山まで行けば人はいるだろうと思ったけど誰もいなかった。
結局、天拝山まで登山者は一切いなかった…
ちなみに西から来た場合は十坊山からは久々の眺望エリアとなる。
そういう意味でも西側の縦走者が少ないのは納得感がある。
雷山からはサクサク進む。
井原山までは1時間弱で、イメージより離れているけど稜線は整備されたきれいな一本道なので歩いてて気持ちいい。
山頂は日暮れの気配。開けた空を燕が縦横無尽に飛び回る。風も心地よく、いい時間だった。
⑤井原山~金山
前回同様、日が落ちる前にヘッドライトを装着する。トレイルは日陰なので日没前でもすでに薄暗い。
三瀬峠までは1時間以上かかるので、峠に着くころにはすっかり夜になっていた。金山まで淡々と進む。時折左手には夜景がちらりと見える。
金山のピークはパス。
白い蛾や小さな羽虫などがライトめがけて飛んでくる。
春との違い、夏の夜は虫の世界。下手に口を開いて進むと大変なことに。
⑥金山~脊振山
三瀬峠を境に、九州自然歩道のエリアに入るためかこの区間でも藪の心配はなくなった。道も明瞭で暗くても歩きやすい。
椎原峠に向かう道は脇道を進む。荒れ気味の道になるので、人によってはやめた方がいいかもしれない。下の写真のように崩落した場所があり、下は急斜面になっている。ロープもあるけど当てにせず、しっかり足元を保持して進んだほうが安全。
椎原峠は非常に楽に進めるので、あとは山頂の自販機のことだけを考えていた。ときおり見える夜景はとてもきれいだった。
ただし、この区間は虫が凄まじく…
他のメンバーのアイデアで、ヘッドライトを手持ちすればマシでは?と助言をいただいたのでやってみると随分よくなった。それでも顔に突っ込んでくるやつはたまにいるけど…
足元は霜なのか湿気ていた。
舗装路に入ってからはあと少し。
想定より早く自販機と再会できた。
補給食の整理、トイレなども済ませゆっくりする。
山頂はパスした。進行は脊振山までで全体の3分の2くらい。そのため、「やっとここまで」と「あと少し」が実感として出てくる。まぁそれでも8時間くらいかかるんですけどね…
⑦脊振山~九千部山
蛤岳までは峠を迂回して進んだ。時間的には若干のショートカットになる。
この山域は非常に水量が多く、ちょっとした渡河もありアドベンチャー感があって楽しい。水流の音も単純に心地よい。
蛤水道までいくつか川を渡りつつ楽しく進んだ。
坂本峠、七曲峠は前回通った時よりは短く感じた。この辺はどことなく不気味な雰囲気が漂う。ソロだとちょっと怖い。
残り区間で言うと一番長い登りはこの九千部山までの道となる。
ここを抜けると後は降り基調だ。
九千部の登りは1時間以上かかる。ここさえ越えるとあとはグッと楽になるのでひと踏ん張り。蜘蛛の巣が多かったので木の枝をぐるぐる回して進む。
次第に空は明るくなり、雲のシルエットが見えてくる。
そして鉄塔が見えた。すっかり夜は明けていた。
九千部山頂はパスした。
長い夜を終え、朝が来ると元気が出てくる。
言葉にするとそうだろうね、という感じだけどリアリティのある共感はオーバーナイトの縦走を経験した人にしか伝わらないと思う。
⑧九千部山~天拝山
九千部山からは前回と同じルートで峠を進み、柿ノ原峠での分岐を左に進み天拝山方面へ。実はここまでもけっこうトレイルの区間があり、半分以上は降りなので朝の気持ちいい時間を軽快に進める。キツめの階段も待っているのだけど。ハンガーノックに気をつけ、補給は定期的に行う。暑くないので水の消費量は少ない。
林道を越えて天拝山の山域へ。
こんな道があるのか、という道を進む。
もうすぐゴール!と思っていたけど、黒金山から進むので天拝山までは意外と離れており1時間以上かかった。
きつめの坂がないのが助かる。とは言え、余裕は普通にあって試してみたらアップダウンでも快調に進めた。
天拝山のピークもパス。天神さまの径を通り最短経路でゴールに向かう。
9時少し前、天拝山歴史自然公園にてゴール。想定コースタイムより1時間速かった。意外と体力は残っており、最後もアップダウンで全力出しても問題なかった。私が最年少になり、なんなら20以上離れてる方が多いのだけど皆さん余裕があって驚く。さすがである。
解散のち、着替えを済ませ軽く補給食をとってから駅まで向かい、ゆっくりと帰路についた。意外と眠くならず、駅までの約1.5kmはあっという間だった。
【所感】
なんだかんだで短期間で2回目の脊振全山縦走となった。
細部は異なるけど、西からというのも同じなので文章も巻き気味になった。
初回は踏破できるか不安しかなかったけど、今はもう大丈夫だ。
今回は補給についても改善し、ハンガーノック的なガス欠は起こさずに済んだ。そして思ったのがやはりパーティーを組むと格段に楽になる。特に夜道は短く感じる。最近よく思うのが、ソロもいいけど誰かと行くともっと良い。経験が多い方ばかりで色々なことを教えていただき勉強になった。
そしてPhantomはいいザックだった。欲を言えばこの縦走ならおそらく新型の18のほうが向いている(25よりボディがタイトなため、荷物が減っても過重が下に寄らず安定すると思われる。そのうちこっちも買いたい)
ザック類は今後OMMをベースに移行する。実はTrailFireVestとGoPod×2、Compressor Podも注文済み。流用可能で状況によって着脱できるというのは便利だ。
ぶっちゃけ最初、OMMはロゴの圧が強すぎてうわ~っ…と引き気味で身につけたくなかったのだけど、今は逆にすごくカッコよく見える。さすがに「TシャツにOMMロゴが…ドン!」はいまだ抵抗があるけど、多分そのうちウェア等もOMM率が上がる気がする。考え抜かれた構造からくる信頼性と機能美と言えよう。Function is Beautyである。それを謳ったモンベルはいまだカッコよく見えないが…ブランドは信頼しているのでOK。
まずかったのはやはり藪。あとアレルギー。雷山では避難小屋からの復路でレインパンツを履いて例のゾーンを進むと大丈夫だった。やはり触れるのがまずいらしい。教訓として装備に簡易に着脱可能な藪対策アイテムの追加、かぶれ用の塗り薬の追加を決めた。
おそらく今後も脊振山域の長距離縦走は定期的に参加すると思う。
今回はデータ的から見てもトレーニング的にいい数値だった。
25時間の活動ながらペースが遅いため意外と身体負荷は少なく、「長時間活動」に特化した効果は見込めそうだ。つまり100マイルなどを想定すると基盤強化になる。
翌日も普通に楽にジョグ出来た。やはり、心拍ゾーンの比率が疲労度に直結しているというのは間違いないようだ。この点も自分で検証できたのは大きい。つまりこのレベル感の強度ならこれ以上の活動は十分可能で、睡眠を挟めば更に伸ばせるということ。
100マイルを軸に考えると、この負荷はベースアップによさそうだ。もちろんソロならもっと速く進めるけど負荷が大きくなるので生活に差し支えない時期を選ぶ必要がある。スピード持久力アップにはそっちのほうがよさそうだけど、それぞれ別に良い点があるのでどちらも行うのがベスト。
これから夏に向けて高心拍域の強化を行いつつ、夜間などを利用してロングトレイルもこなしていきたい。虫対策もね…。キャップにバグネットつけるか…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?