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【北アルプス縦走 5Days】準備編

初めての日本アルプスへ

山登りを初めて7年くらい。今年のお盆休み、ようやく初の日本アルプスは北アルプスへ。前から行きたいなとおもってはいたけど、様々な理由から行こうに行けなかった。それが今年ようやく行ける感じになって、さらにTJARと日程も被っている。あまりに遠かった…!!

というわけで、上高地からスタートしてTJARのルートを立山まで逆走して辿る旅とした。選手の応援をしたいのにくわえてルート自体も進みやすく魅力たっぷりだと思ったからである。

予定の行程

あまり無理して早く進み短くするのはもったいないし、多少余裕を見て6泊7日の日程を想定(うち、テン泊5日、小屋泊1日)
普段のように市街地にがんばればエスケープでき、丸一日動き続ける縦走とはだいぶ話が変わってくる。まず荷物が重いので無理だし、テン泊も特定の時間内に行かないと取れない。

そこらから行ける限界範囲を現実的に考えたところ、以下の予定だった。

①福岡空港→上高地→徳沢キャンプ場
②徳沢キャンプ場→槍ヶ岳山荘テント場
③槍ヶ岳山荘テント場→黒部五郎小屋テント場
④黒部五郎小屋テント場→薬師岳山荘(小屋泊)
⑤薬師岳山荘→五色ヶ原テント場
⑥五色ヶ原テント場雷鳥沢キャンプ場(立山経由)
⑦雷鳥沢キャンプ場→立山駅、下山

当初の予定
エスケーププラン

実際には④で小屋についた時点で天候が怪しくなり、ニュースをみると台風が北上してきたということで⑤にはいかず折立よりエスケープし、4泊5日となった。この辺は想定内と言える。

実際の天気推移を見ると、やはり進んでいた場合は五色ヶ原以降は夜間ビチョビチョになった可能性がわりと高そうだった。残念であるけどしょうがない(レイン着て歩くのは良いけど、持参したシェルターは耐水圧500mlしかないので…)

五色ヶ原から雷鳥沢にいかず直で室堂へ行くのはアリだった気もするけど、初めてのアルプスかつ山行における中期テン泊だったので無理はしなかった。むしろ夏の北アルプスに5日いて雨が行動中に直撃しなかったこと自体が奇跡だと思うし、「100点満点」で降りようと考えていたので結果的には良かったと受け止めている。

反面、テン泊が続く中期縦走時の雨対策を今後もっと詰めて考えるべきリアルな材料となってよかった。



装備

装備については軽くできるものは軽くしつつ、手持ちをベースに最低限必要と考えられるもの+αを持っていった。ULまでは行かない範囲で軽量化したって感じ。

ザック

ザックはスタウト45。これにOMM、パーゴワークスのポーチをつけて52Lとした。

普段は基本的に長くて1泊2日なので45L以上のザックは持っていない。なので手持ちで最大容量のスタウトにした。旧型なので色々欠点もあるけど、アルプス縦走でも充分使える。
ただ、やはり55L以上で軽量かつ背負いやすいザックは欲しいと思った(ハーネスが細いので重さがモロに食い込んで痛かったし…)

マップポーチは雨傘に外付けであるため、荷物の積載量が減ってきたらザック内に仕舞えるというのが良かった。


住環境

普段の延長

テント
重さを考えモンベルのULドームシェルター1とした。旧型なので耐水圧500mlしかないシングルウォールの自立型ポールシェルターだけど、晴天時はほぼテントと言って差し支えない。重さは全込み800gを切っている。モスキートネットが内側から閉められないという謎の欠陥があるけど、標高の高いアルプスでは特に問題はなかった。槍ヶ岳ではハエが多かったので時間帯によっては追い出すのに苦労したけど。

弱点は言うまでもなく雨。小雨以上は諦めるしかない。それもあって短縮日程とした。そしてシングルウォールなので当然結露もする。ちなみに結露程度なら多少拭き残しがある状態で片付けたとしても、翌日晴天なら設営後に太陽光ですぐ乾く。

マット
安物のグローズドセルを半分にカットし、下半分はOMMのデュオマットでカバーした。どうせ深く眠ることはできないのでこれで全然問題なかった。岩場の突き上げも特に感じなかった。

破れるリスクがない、ザック容量次第で外付けと内部格納が切り替えられる、設営が一瞬、軽量とメリットが多い。加えていうと安い。

シュラフ周り
2000m級はイスカのウルトラライト単品で充分だった。3000m級対策でエスケープライトヴィヴィも用意したが、これは正解だった。

小屋泊用にインナーシーツも持っていったけど、室内が暑くて不要だった。ちなみに早く下山したことで余った日はネットカフェに泊まることになり、その時に役立った(帰りも飛行機だったため)。軽いしあって損はない。

食器類
いつも使ってるエバニューの500ml、コッヘル、スノーピークの180mlチタンマグを持参。すべて使ったのでこの組み合わせは手堅い。
バーナーはSOTOのアミカス。実際使ってみると槍ヶ岳付近では着火がうまくいかないことが多かったので、3000m級にいくならマイクロレギュレーター付バーナーが良いと思う。


衣類

なんかグレーばっかやな

ベースレイヤー

①モンベル・メリノウールプラスライトT

ウール78%+ポリエステル22%とウール比率が高いため、汗をかくと乾くのに若干時間がかかる。ただ意外と頑丈で、今回4日着てピリングがほとんど起きなかった。これはすごい。

着心地は肌触りがよくて気持ちがいい。ウール比率が高いので、いくら調温に優れるといっても30℃を超える夏の下界ではさすがに厳しい。でも高山の上では最適だった。何より最高の特性として「臭わない」ということ。前述の通り4日着て悪臭がほぼしなかった。すごい。

若干ウール特有の獣っぽさはしたけど、明らかな悪臭ではなかった。鼻がバカになってんじゃないか?と思い、下山後風呂に入ってから嗅いでそれなので間違いない。それよりはさすがに身体からの脂が気になって着替えた。

※大きく個人差があります。普段から夏でもよく走る人は比較的大丈夫かと…

②スタティック・オールエレベーションT

こちらはウール50%でかつ通気性が良いため、どちらかと言うとトレイルランニング向きのアイテムではあるけど長期縦走にも向いている。
生地がボーダー状に異なる薄さで並ぶ作りのためか、ピリングは起きやすくスレには弱い。ただ着る分には差し支えなく、毛玉が出来やすいなってくらい。

こちらもおそるおそる3日着て、最後はさすがにすこし臭うかも?と思ったけど大丈夫だった。山の上では1.5日だけであり、かなり暑い下界で1.5日なので良好と言ったところでしょう。

パンツ
モンベル・クリフライトパンツ

最初は速乾ナイロンパンツでしょ、と思ってたけどかなり優秀だった。そりゃみんな山用ロングパンツ履くわ。足上げがかなりしやすく、蒸れにくい。そして多少の汗ならすぐ乾くし、風が吹いても体温が下がりにくい。岩で擦れても大丈夫だし、多少の水は撥水する。これが1万円以下というのはモンベル様様である…マジで。

左サイドに小ポケットがあり、これがスマホ用として地味に活躍した。いい塩梅の位置にある。

結局5日履いて、意外にも光ったのが「臭わない」ということ。また臭いの話してる。たしか抗菌防臭とかそういうのはあると思うけど、びっくりするくらい無臭だった。これもっと推していいと思うのよね。

サブでミレーのショートパンツも持って行ってた。これは山では山荘くらいでしか履かなかったけど、下山してからは大いに役立ってくれた。

下着
ニュートラルワークス Nスキンボクサーパンツ

この日数だと必然的に下着どうする問題が発生する。最初はメリノでいいかな、とおもってたけどたまたまセールしてたので買った。まず1枚試したところ、わりと良かったのでもう1枚追加した。

パッと見はコットンパンツなのだけど、マキシフレッシュという抗菌防臭機能のある素材が含まれている。これが凄く、本当に数日履いても臭わない。やはり臭いは山でも大切だ。同じ下着を履き続けるのは気分が良いものではないけど、山だとしょうがない。
さすがに汗を大量にかくと乾くのに時間はかかるけど、メリノほど暑くはないと思うしコストパフォーマンス自体も良いとおもう。

ミッドレイヤー
①山と道・バンブーシャツ(長袖)
汗で濡らすのもなぁ、ということで行動着ではなくテントを立ててから羽織ってた。着心地が良くてリラックスできるし、パジャマにもなる便利な1着。

②スタティック・アドリフトベスト
Octaを全面的に使用したアドリフトシリーズへの信頼感は個人的に揺るがない。今回も念の為持って行ったら、槍ヶ岳で大活躍。軽いし小さくできるのでとりあえず入れとけば役立つ。

③アールエル・メリノウールアームスリーブ
一応これもミッドレイヤー扱いで。日が昇るまではそれなりに冷えたのでこれが活躍した。日が昇るとすぐ暑くなったので外したけど、サイズが小さく軽いので邪魔にならない。そしてウールなので臭わない!

アウター
モンベル・ライトシェルジャケット

写真ではマイルストーンのマークがあるけど、直前になってこちらに入れ替えた。それが大正解。ないとしんどかったと思う。

こちらのシェルはもう7年近く使っているけど、九州の低山ならインナー次第で冬でも使えるし本当に汎用性が高い。そして頑丈。小さくもできる。かなり信頼のおける一着である。

靴下
モンベル メリノウールトラベルソックス

トレッキングではなく?と思われそうだけど、トレッキングは生地が厚いため標高が低いところでは暑すぎる。そして経験的に充分な厚みがあると判断したため、二番目のこちらとした。トラベルと言いつつそれなりの厚さがあるので正解だった。

一応予備としてアイスブレーカーのハイク+ライトも持っていってたけど履くことはなかった。

5日履いたので当然最後は中々…刺激的!
とはいえ真夏の革靴の中にぶち込まれて蒸れた化繊よりはマイルドであり、言われなきゃ気にならない程度であったのでメリノウールすごいと改めて思った。

シューズ
ニューバランス・Hierro V7 Gore-Tex

①トレイルランニングシューズではあるけど、ビブラムメガグリップを装備したハイクにも向いたシューズ。普段はノーマル版でミドル以上のレースや縦走ランをしている主力。なので特性を良く理解してることからも採用となった。
雨は直撃しなかったにせよ軽い沢歩きはあったので、防水であることは役立った。

②ルナサンダル・レッドヴィルトレイル
こちらはテントを立ててから履いていた。靴下がないだけで蒸れから解放!靴下も乾かせるし。
下山後、こちらも大いに活躍した。


その他主要なもの

ヘッドライト
マイルストーン・ms-i1
さすがのロングライフ!ランタンがわりにもなる。重さだけが欠点。

グランドシート
タイベックシート
定番ですね。軽くて頑丈!

レインウェア
モンベル・トレントフライヤー上下
使わずにすみました。軽く性能が良いためトレイルランニングでは役立つけど弱いので…

他は多分色々あるけど忘れました。
もちろんエマージェンシーやファーストエイド類も常備。

あとはkindleを裸の状態で持っていったけど、これが中々役立った。電波が全く通じないところで長時間テントの中で過ごすため、どうしても読み物があると助かる。kindleはないも同然の軽さかつ電波が関係なくバッテリーはまず切れないので最高だった。今後も持っていく。


食料

食料は1日の必要カロリーを計算して、いるぶんは全て持参した。4日目だけ山小屋を体験してみたいということで晩御飯もついでに頼んだので、そこだけは除いた計算になる。

昼飯用
晩飯用
行動食用

上記のように日にち・時間帯ごとに個包装し、匂いが出るものはそのまま防臭袋に格納できるようセットした。

ちなみに朝は写真を撮った時点では用意してなかったけど、BASEブレッドを日数分用意。これは若干高いけどカロリー・栄養価が高いこと、サイズが小さいこと、そして賞味期限が長いため山向き。

行動食についてはやはり重量比で考えるとカロリーメイトが多くなる。そしてグラノーラにスキムミルクを加え、水を入れたら擬似的に牛乳入りが再現できるものも用意した。

結果から言うと行動食はかなり改善の余地がある。はっきり言うと失敗した。もうしばらくカロリーメイトは食べたくない。

夕食は主にカレーメシなど。カレー飯があればとりあえずなんとかなる。

重量
正確な数値は測ってないけど、ベースウェイトはだいたい8-9kg程度。
食料と水を入れてない状態でこれが加減となる。地味にモバイルバッテリー2つが重い。

水を3L入れたとしたら、最大のウェイトが18kg程度になった。それもあって2日目の槍ヶ岳山荘に着くまでは半分苦行だった。進めど進めど…

もし食料を想定通り全て消費した場合は1日に600-700gほど軽くなっていく…はずだったけど、実際は確実にあまり続けた。つまり一向に軽くならない。




さておきそんな感じで準備は整った。
次回からは1日ごとに分けていく。
と言いつつ一稿だけでわりと時間がかかったので、いつになるか、そもそも書くからわからない…

次回へ続く(たぶん)

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