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焚火のけはい



1週間前にトイレが届いた。
数年振りに見るトイレは大きくて洗面所へ向かう廊下の角に置いてみたけど、ものすごい存在感。わたしは使わないものが家にある。わたしじゃない生きものの予感。

いままで同居してきた子たちは既に名前が付いていて、そのことを疑問に思ったことなかった。それぞれにぴったりの名前だったし彼らはわたしの”もの”ではない、同居人みたいな感覚がいつもあった。今回も施設での呼び名があったのでそのままでもよかったのに。部屋で一緒に呼吸する相手を初めて自分で選んだ。”選ぶ”なんて分かりやすく人間らしいことしてしまって微かにしょんぼり。さらに名前を付けてみようかなと思うくらいにわたしはさみしくて弱っているらしいです。



「たきび」

まだらに光ってあたたかい 「焚火」
触れても触れなくて温度があるもの。


もうすぐよろしく、たきびさん。

きょうもいそいそとネットショッピングでまだ居ぬ焚火に課金している。

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