なぜテーラーを変えようと思ったのか(イージーオーダーのススメ2)
追記
ビックヴィジョンその後
前回のnote
テーラーを考え直すきっかけ
もともとは僕の知識の無さが原因なので書くのも恥ずかしいのだが、結果としてテーラーを考え直すポイントを与えてくれたのでポジティブにとらえて記載する。
テーラーを考え直すきっかけは大きく2つ。
理由を説明せずに押し切ろうとされた
そのテーラーの品質基準が僕には合わなかった
2は良い悪いではなく、単純に合わなかったのだから仕方ないと思っているが、1は論外。
以下は詳細について触れていく。
ちなみに、文句を言うならもっと高いテーラーに行け、というのはその通りだと思う。
マニカカミーチャ(雨降り袖)
いつも通り何も考えずにビッグヴィジョンに行き、夏用のスーツを作った事から始まった。
毎度の事だが、盛夏用のスーツは快適さと耐久性のバランスで悩む事になる。
耐久性といっても摩耗的な耐久性の事ではなく、ここでは生地のヨレなどの事を指している。
要はジャケット裏地などを極力なくすアンコンなどの軽い仕立てにした場合は生地本来の強さ(硬さ)に頼るしかなく、特に柔らかい生地の場合はどうしても時間経過と共に襟の部分に気になるヨレが出てしまっていた。(財布の厚みの影響も大きい)
この時、ビックヴィジョンにお願いをしたのは以下の通り。
全てを満たすのは無理だとわかっているので、優先順位をつけてお願いをした。
ビジネス用途
盛夏専用
2-3年で買い替えるので耐久性はそれほど重視していない
2ピース
2パンツ
4と5は生地選択に影響を及ぼさないが、上記のリクエストに対して、アンコンを提案された。
もちろんアンコンの提案には何の問題もないのだが、いつもは左右0.5cm違いの肩パッドをいれているのでその点を伝えた所、アンコン(肩パッドなし)でも、以前同店で作成したスーツ(肩パッドあり)と遜色ない仕立てができるとの説明を受けた。
そういうものなのか、とアンコン(肩パッドなし)でお願いをした。
しかし、完成したスーツをみたところ肩部分に違和感を感じた。
肩パットがない分、ヨレが多い
肩部分の裁縫がガタガタになっている
(肩の形にカーブを描いているのではなく、少し大げさに言うと直線が右に行ったり左に行ったりしてガタガタになっている)
項目1については単純に僕の知識不足で、僕の感想は見当違いだったのだが、奇しくもこれが全てのキッカケとなった。
当たり前と言えば当たり前なのだが、肩パッドなしの場合、当然肩の膨らみはなくなり、僕の様に知識が無い人が見るとシワがあるように見えてしまう。
しかし、これはマニカカミーチャ(雨降り袖)というもので、ギャザーが雨の様に見えるので雨降り袖とも言われるものだった。
この存在を知らなかった僕はお店の人に「これは正しい仕立てですか?」と聞いた所、理由もなく「そうだ」との回答。
項目1について、その場では納得したが、後からマニカカミーチャの存在を教えてくれて説明してくれた方がわかりやすいのに、と自分の知識の無さを棚に上げて不満に思ったりもした。
家に帰ってから色々しらべた際、検索に引っ掛かってきたマニカカミーチャとお店での仕立てはかなり異なって見えるので、この仕立て方自体が僕には向いてないのだろうと納得する事にした。
また、いつも行っている店舗ではなかったため、販売員との人間関係が出来ていなかった事も大きな要因だと思う。
項目2だが、こちらについても問題なしとされた。
しかし、流石にこれが正常であるならばとても許容できないので、肩パッド入りへの変更をお願いした。(ちなみに別のテーラーでこの写真を見せた所、「ウチならお客様にお渡しする事なくやり直しになる」と断言された)
納期が3週間程度かかるとの事だが、どうしようもない。
上記の販売員とは波長が合わない事はすぐにわかったので、仕立て直しだけお願いし、早々に店をでた。
販売員の話から肩パッドを入れれば何とかなりそうだったので、とりあえず今年を乗り切るためのスーツを買うべくその足でいつもの店舗に向かい、同型の肩パッド入りを2着お願いをした。
別のテーラーへ
夏用は5着作る予定だったので、あと2着作る事ができる。
先に記載した通り、もうこのお店(とばっちりだが、ビックヴィジョン自体も)への信頼はなくなったので目星をつけていたテーラーに予約をし、訪問する事にした。
選定の基準は以下の通り。
2パンツ、2ピース、オプション込みで1着15万円以内である事
イージーオーダーである事
1枚襟である事
数店舗程度展開している事
いざ店舗へ
予約当日になり、奥さんと訪問。
入店して名前を伝えた所「では生地を見ましょう」といきなり案内。
予約をメールに記載したのは「盛夏用、ビジネス用途」しか書いていないのにヒアリングせずに幾つかの生地をピックアップしていく。
この時点で僕のテンションはダダ下がりで、いくつか生地が出てきたタイミングで僕から「まずは用途を説明させてください」とヒアリングの時間を取ってもらう始末。
このテーラーは1人の接客品質だけで切るのはあまりにももったいなかったので、頑張って購入を前提に話を進めたが、納期が4か月程度かかるとわかり挫折。
長期的なお付き合いをしようと思ってテーラーを探していたが、この時点で接客に複数問題があったためこの店舗はあきらめ、別の店舗/テーラーに行くことにした。
まあ、僕の恰好がどう見てもお金を持っていない様にしか見えないからだと思うけど、ちょっと悲しい。
新たなテーラーへ
上記のテーラーは納期がかかるのが確定しているので、来年の3月-4月頃に夏物を作りに行くことにした。
それまでは6-9月を夏物3着のスーツで乗り切る事も考えたが、いろいろ調べているうちに「強撚糸」という糸を見つけた。
強撚糸の特徴を調べていくうちに、この糸の性質が盛夏用にとても向いている事がわかった。
そして、ウールの強撚糸を使ったゼニアのHigh Performance-Cool Effectや、強撚糸は使っていなさそうだが、同じコンセプトのREDAのアイスセンスなどが目に留まった。
ここらへんの生地や糸の存在は今まで一度も提案されたことがないので、次回のテーラーではこれらを中心に選んでみようと思う。
ゼニア
High Performance-Cool EffectREDA
アイスセンスロロピアーナ
サマータイムタリア・ディ・デルフィノ
Aria3.1-エリア3.1
追記
ビックヴィジョンその後。
お試しでゼニアのスーツを2着作成したまでは良かったが、対応してくれた採寸担当(いつもと違う人)が想像以上にひどく、金輪際ビックヴィジョンの利用を控える事にした。
僕も営業なので無茶な要求は絶対にしないが、相手との会話が成立しないレベルだったのでこれ以上は時間の無駄と判断。
お願いした内容を後付けで改変した挙句「その時僕の了承を得て作成したので問題は無い」と開き直る始末。それが成立するなら何でもアリになるが、理論が破綻しているのを理解できない様子だった。
ちなみに今回の件は以下のレベルの話。
みかん→オレンジへの改変をされるとどうにもならない。
僕が店員にみかんをください、と注文
店員が「わかりました」と応対
渡す際にちらっと袋の中身を見せて「はい、みかんですね」と確認
家に買って見てみると、みかんではなくオレンジだった
お店に戻って僕が「みかんを頼んだのですがオレンジでした」と言うも、店員は受け取るときに「オレンジです」と言って渡したと主張、僕も了承したから持って帰ったんでしょ?と言う
目的のものと違うので交換してほしいと主張すると、1か月後にみかんではなくマンゴーが出くる。
今回の件で気づいたが、ビックヴィジョンは商品に関するクレームは各店舗に直接連絡とされており、これはすなわち上記のように開き直られると完全に詰む事を意味し、長い時間をかけて調整を繰り返すしかない。
スーツの需要が急速に落ちているご時世でなかなかロックな対応だが、上記の様な対応をするお店には近づかない方が無難だと思う。
これ以上頭のおかしい人との会話をしたくなかったので、信頼しているテーラーで仕立て直しをお願いし、難しい様なら廃棄しようと思っている。(スーツには可哀想だけど)
現在お世話になっている別のテーラーは、比較してしまうとどうしても10%以上価格は高くなってしまうが、心の底から「オーダーしている」という感覚を持てる対応をしてくれるため、結果的に満足度は非常に高い。
バリラックスの時もそうだったが、安かろう悪かろうはどうしても存在する。安物買いの銭失いをするくらいなら、頑張って良いお店に行くべきと改めて感じた。
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