移動中の酸素濃度維持について(酸素発生器)
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2023年2月2日:チューブ配管を改善
このnoteについて
自宅にいるは時は酸素濃度を維持した状態を作ることができたが、獣医さんに行く際などはどうしても酸素濃度が落ちてしまう。
この問題を解決するために試した事や最終的に決めた仕様について記載する。
結論からいうと袋に酸素を充填して持ち運ぶのだが、刹那的な対応ではなく今後も継続して使えるような仕組みを作るのも大きな目的。
このnoteではそれらの点について触れていきたい。
移動時の酸素維持について
考えられる方法は2つ。
運搬可能な小型酸素濃縮器を使う
高濃度酸素を何かしらの方法で持ち運び、移動中に酸素補給をする
各々についてみていく。
1.運搬可能な小型酸素濃縮器を使う
車で移動する場合など、外部電源がある場合はこちらが良いと思う。
ただ、在宅時に使用する酸素濃縮器ではなく、車載電源で使用可能なタイプを別途準備する必要がある点に注意。
また、このタイプの小型濃縮器は24時間連続運転を想定していない事も注意した方が良いと思う。(要は移動用と自宅用を両用できない)
2.あらかじめ袋などに高濃度酸素をストックしておく
獣医さんまで徒歩10分以内である事と、そもそも車を持っていないので、我が家はこちらを採用。
酸素を袋にいれて運ぶという方針にきまったので、次は具体的な充填から運搬までを考えていく。
高濃度酸素を持ち運ぶ際に考える事
高濃度酸素を持ち運ぶ際にいくつか考えることがある。
「何に」高濃度酸素を充填するか=保存容器
「何で」高濃度酸素を充填するか=酸素濃縮器
「どのように」充填するか=充填手法
「どうやって」持ち運ぶか=運搬方法
「何に」高濃度酸素を充填するか=保存容器
前述の通り、我が家では袋に高濃度酸素を充填するという方法を採用した。
すぐに思い浮かぶのはゴミ袋の様な大きいビニール袋に高濃度酸素をいれるという方法で、これがうまくできれば最も安く手軽。
しかし、実際に考えてみると酸素の漏れや運用方法に問題があり、実用に耐えない事がわかる。
例えば、実際に獣医さんに行ってから家に帰ってくるまでの時間を考えると数時間は高濃度酸素を保持してほしいところだが、先述の大型ごみ袋だとなかなか難しく、冒頭で記載した「今後も継続して使える仕組み」とは言い難い。
それでも強引に考えるとすれば、
ゴミ袋に酸素充填用のチューブをいれる
漏れないようにテープでガッチリとめる
何かしらの方法でチューブに栓をし、酸素が漏れないようにする
しばらく放置し、酸素の漏れがないかを確認する
使用後はチューブを取り外し、残ったテープの粘着剤を除去する
酸素の漏れがある可能性が高い事から酸素の充填は出発直前に行い、漏れ発生する可能性を加味して往復分2個+予備2個の合計4つの袋を準備する事になると思うが、個人的には完全に「無し」。
無駄な荷物が増えるし、漏れがないかの確認も含めた充填時間がかかりすぎるのが理由。
酸素の保持を重視した袋
酸素を漏れなくしっかりと保存する為には「テドラーバッグ」が最適である。もともとガスを捕集するための袋なだけあって性能は申し分ない。
この袋は薄い割にはとてもしっかりしており、コック付きのノズルがついている点も大きい。
唯一の欠点は価格でAmazonで1枚4,500円~6,000くらいする。
ちなみに夜に充填して次の日のお昼の時点でも特に酸素が漏れていないので、余裕をもって酸素の充填を行うことができる。
ちなみにテドラーバッグに充填した酸素濃度は52.2%だったので、携帯用酸素として十分に機能する。
使用したテドラーバッグ:20Lタイプ
酸素の充填に必要な時間:約5分30秒
充填に使用した酸素濃縮装置:オキシランド Z-3000(ユニコム)
酸素濃度:流量1~3L/分範囲内で90%以上、流量8L/分で40%以上
(3L~8L/分 90%~40%)流量:毎分1~3L/分(目盛り範囲)最大流量約8/分まで
「何で」高濃度酸素を充填するか=充填機器
充填する機器はすでにレンタルしてある酸素濃縮器(酸素濃縮器オキシランド Z-3000)を使用した。
細かいスペックは前述の通り。
約5分30秒で20Lのテドラーバッグを満たせるので流量についても問題ない。
「どのように」充填するか=充填手法
酸素を充填する為にオキシランド Z-3000を使用するが、この機器は通常マーブルが生活しているルーミーに酸素供給を行っている。
そのため、一時的とは言えルーミーへの酸素供給をカットした上でテドラーバッグに酸素を充填する必要がある。
この時間はマーブルにとって良い時間ではないので、可能な限り短縮したい。
そこで、酸素濃縮装置から出ているチューブとルーミーにつながるチューブ、そしてテドラーバッグのコックを簡単に接続できる仕組みを考えた。
酸素濃縮器から出てくるチューブ:外径6mm
ルーミーへつながるチューブ:外径6mm
テドラーバッグのコック:外径8mm
通常
外径6mmチューブ→継手6/8mm→継手8/6mm→外径6mmチューブ→ルーミー
充填
外径6mmチューブ→継手6/8mm→継手8/8mm→外径8mmコック(テドラーバッグ)
下記の様に継手部分を接続しなおすことで、ルーミーへの酸素供給とテドラーバッグへの充填を切り替えることができる。
また、継手にもコックがついており、中に入った酸素を漏らさない様になっている。
これはテドラーバックのコックの付け根ががちょっと弱そうに見え、何回か使っているうちにそこから漏れてしまいそうな気がしたので、なるべく負荷をかけない様にした結果。(基本的にテドラーバックは使い捨てなのでこれは仕方ないが)
また、チューブ部分も8mmに統一してしまおうかとも考えたが、今後もこのレンタル会社で借りるときには6mmのチューブが付属してくるし、何よりも酸素濃縮器の出力部分が6mmなので、最初からその仕様に合わせてしまった方が良いだろうと判断した。
念のため8mmだけでも組めるように継手だけは準備してある。
追記
継手部分を接続しなおす方法だと奥さんがちょっと外しづらそうだったので以下の様に変更した。
外径6mmと8mmの異径継手を接続し、ルーミーとテドラーバッグへの酸素供給制御をコックで行う。
実際につなげたところは以下。
この状態ではルーミーに酸素が流れており、テドラーバッグ方向には酸素が流れない。
テドラーバッグへ酸素供給を行う際にはコックでルーミー側の酸素供給をカットしてテドラーバッグ側を開放する。
酸素供給量は落ちるが、同時に2方向に酸素供給する事も可能。
実際にルーミー60とルーミーに分岐したところ、15分後の安定状態における各々の酸素濃度は以下の通りになった。
(下の写真のテドラーバックをルーミーに変更)
ルーミー(小さい方):酸素濃度41.6%
ルーミー60(大きい方):酸素濃度36.7%
特に小さい方のルーミーに酸素を供給し始めてから5分もあれば40%程度の酸素濃度になる事から、掃除の際もマーブルに負担なく行うことができる。
「どうやって」持ち運ぶか=運搬方法
持ち運ぶ際に最も問題になるのが酸素を充填した袋から酸素が漏れてしまうことだが、これは継手のコックをしめることで解決した。
テドラーバック事態にも小さなコックがついているが、何度か使っているうちに壊れてしまいそうなので継手のコックを使っている。
あとは20Lのテドラーバッグを入れる袋さえあれば問題なく、これは奥さんが好んで着ていたロージーピンクというお店の袋(大きめ)を使った。
ルーミーを持ち運ぶ袋とテドラーバッグをいれたロージーピンクの袋は2つ一緒に持つことができるので、常に酸素補給をしながらの移動が可能となる。
まとめ
上記方法により、酸素の充填もスムーズに行うことができ、且つ、移動時も含めて可能な限り高濃度酸素状態を維持する事ができるようになった。