懐かしのPDA(Palm)とAppleへの思い
単なるおっさんの回顧録なので特に内容はない。
Palmを使っていた人は「ああ、あったなあ」と懐かしく感じてもらえると思う。
Palm Pilot
今は知っている人がどれだけいるかわからないが、僕が学生だった2000年、米Palm社から「Palm IIIc」というハンドヘルドが発売された。
「HotSync」という技術を使って「母艦」であるMacとスケジュールデータなどを同期して使用する。
文字入力は「Graffiti(グラフィティ)」という専用文字を使ってローマ字入力する。ちなみにGraffitiはもともとはAppleのPDAの原点であるNewton用のアプリケーションだったらしい。
その当時からガジェットが大好きだった僕は、SHARP ザウルスと迷いに迷った結果、スケジュール管理を主目的にPalmを購入したのを覚えている。
以下は購入の履歴。
今から考えると短期間でよくもこれだけ購入したと思う。
(家庭教師のアルバイト代をすべてつぎ込んでいた)
括弧書きの数字は発売年。実際に購入した年かは覚えていないが、僕の性格を考えるとVisor Deluxe以外はおそらく発売日に購入している。
Palm IIIc(2000年)
それまではモノクロ液晶だったPalmが満を持して投入した反射型TFTカラー液晶端末。目が痛くなるほどカラーが鮮やかだった。
購入後すぐに「実はカラーはいらないんじゃ・・・」と気づいてしまい、バッテリーの持ちが良いモノクロ機(Palm Vx)を買いなおした。
ちなみに、当時の僕は、高校・大学・院が東京の町田に近い場所だったので活動場所を同じくしていたが、最初はメディアバレー、その後は駅向こうのソフマップによく行った。
この端末はソフマップで購入した気がする。
Palm Vx(2000年)
反射型STNモノクロ液晶。
銀色の端末で、ずんぐりむっくりなIIIcと異なり非常にスタイリッシュだった。
持ち運びが容易でバッテリーの持ちも良かったので、すぐにメイン機はこちらになった。
PEG-S500C(2000年)
死ぬほど購入を後悔した端末。
当時Palm界隈は「ついに天下のソニーがPDA市場に参入する!!」と、ものすごい盛り上がりで「機長」や「Muchy」のページも何度となく見に行った覚えがある。
しかし現実は残酷で、Palm IIIcの美しいカラー発色を想像して購入したこの端末は、ライトが暗すぎて使用するのが苦痛なくらい駄作だった。(若かった僕は初号機=テスト機だと理解できなかった)
m505(2001年)
Vxのカラー版ともいえる端末。
反射型TFTでとても見やすく、アルミ合金のソリッドで高級感がある見た目をかなり気に入って使っていた。
カラーなのにバッテリーの持ちはVxと同等という事も大きなポイントだった。
Visor Deluxe(2001年値下げのタイミング)
透過型TFTモノクロ液晶。iMacの様なカラフルなカラバリがあり、かなりポップな路線だった。5色のうちからオレンジを購入した。
明確な購入目的はなく、接続形式がシリアルからUSBに変更になったとかSpring boardという拡張端子を単に触ってみたかったという薄弱な理由だったと思う。
実際にスケジュール管理などに使っていた記憶がない。
PEG-N700C(2001年)
PEG-S500Cの液晶から逃げ出したい一心で購入した端末。
この機種自体はメディアプレイヤーとしての機能を前面に出していた端末で、MacAmpでリッピングした椎名林檎をMAGIC GATE対応のメモリースティックにいれて毎日聞いていた気がする。
その為、この頃僕が映っている数少ない写真はもれなくヘッドホン着用になっている。
余談だが、このMacAmpのスキン(見た目を変えることができるプラグイン)や、音楽に合わせて色とりどりのエフェクトが踊るプラグインが好きで、暇さえあればネットの海を徘徊していた。
PEG-TH55(2004年)
完璧な1台。これ以上の機種はないと確信していたため、2005年7月の製造中止後もオークションなどで新品を買いあさり数年使い続けていた。
背面のジョグダイヤルとPOBoxやATOKで予測変換を行いながら高速入力ができた。
Zire 72(2004年)
CLIE撤退がささやかれていたので、乗換先になるかをテスト購入した。
しかしPEG-TH55の足元にも及ばなかったため、それ以上の記憶がない。
そしてiPhoneへ
CLIEも手に入らなくなってきた2007年、ついに「iPhone」が発売された。
完全に生活を変えるデバイスである事はすぐにわかったので、国内で使用できない事などお構いなしで、すぐに輸入したのを覚えている。
思えばあれから17年、今も毎年iPhoneを購入し続けている。
最後に
Appleはいまや生活になくてはならない企業になった。
しかし、今のAppleには過去の魅力は無い。
たとえるなら、自分たちしか知らないインディーズがメジャーデビューした時のなんとも言えない複雑な気分、というのが最も近い気がする。
パソコンとは思えないほどに美しく、死ぬほどバイトをして購入したLombardやPismo(PowerBookのコードネーム)を販売していた頃の「僕たちのApple」がもうなくなってしまったことがなんだかとても悲しいのだ。