ある珈琲屋さんのお話 コピ・ルアク編
先日、どうにもこうにも
溜飲が下がらない出来事があった。
どうしてくれよう、と思っていた所、
いつも行く喫茶店の人が、
コピ・ルアクが入ったと教えてくれた。
コピ・ルアクとは、
オブラートに包んで言うと、
ジャコウネコの落とし物から
作られたコーヒー。
ストレートに言うと、
ジャコウネコに糞から採取された
未消化の豆から作られたコーヒー。
一杯2,200円。
高っ！
どうする？
だって、落とし物から作られた
コーヒーだよ。アホちゃう？
まぁでも焙煎されてるから、
菌とかは大丈夫そうだよね。
いや、そういう問題ではなくない？
でも面白いよね。いったれ。
いやいやいや。高いよ？
メルカリで売れたし、いいって。
いや、お金入ったから使うって、
それ、駄目な考えなんじゃ…？
と言うやりとりが、脳内で行われた。
結果、
飲む事にした。
「コピ・ルアクください」
「…怒ってる時じゃなくて、
普通の時の方が良くないですか？」
とお店の人。
「今がいい。ください。」
という訳で、コピ・ルアクを飲んでみた。
挽く前の豆の匂いを嗅がせてもらう。
普通の豆とは違って、湿った香り。
お店の人も、いつもと違い、
ゆっくり入れてくれる。
説明を聞いたり、
香りを楽しんだりしているうちに、
気持ちも落ち着いてきた。
私は、本当に喫茶店が好きだ。
確かに自分で入れた方が早いけど、
誰かに丁寧に入れてもらって、
出してもらう飲み物と、
喫茶店という空間が好きだ。
こんな風に、喫茶店に来れる余裕を
いつでも持っていたいと思う。
コピ・ルアクは、そんなに頼めないけど。
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