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GINKAに釣られ

いいゲームを遊んだ。
忘れたくないのでと書いていたら文字数が膨らんでいた。


このゲームはEVO2024年のパンフレットでチラ見したのがきっかけだった。

セールで売ってるのをみてメインビジュアルのギンカに誘われてATRIと一緒に買ってしまったがしばらくデスクトップで積んでいた。

ビジュアルノベルとかドキドキ文芸部しかやったことないしいざ始めたら仕事とかでいちいち切られて楽しめないだろうと。というか他のゲームもやりたいし。
でも丁度集中出来るタイミングである今、ここでバーッとぶっ通しでやってきた。
先に感想を述べておくと遊びやすくていいゲームだった。ユーザーが感じるストレスとかに最大限配慮されたUIに話の内容として伝奇というわかりにくい話をテキストで伝えるためにわかりやすい説明を入れてくれる。
ルートがほぼメインの1本道なので余計なフラグを踏む心配がない。故にメインストーリーに集中できた。
これは私がビジュアルノベル初心者なので言えることだとも思っている。プレイヤーが出来ることも何個かある選択肢を押すだけなので楽であり手持ち無沙汰に感じると言われたらまあそうだなと思う。

(もっとサブキャラクターの掘り下げとかあってもいいんですよ。釣具店でひまわりとか草仁と一緒にデブ猫をつつくドラマCDとか欲しいけどなぁ??」

GINKA、それは生まれつき体の弱い主人公が死に場所としてひめ島にて過去を追い続ける物語だった。

生まれつき心臓の弱い(古武術の心得あり)
ちょっと精神力強すぎるよこいつ。

5年前のギンカの行方を追って神様の島に行って3日間行方不明になり注意される。ここのくだりで神話信仰、というか伝奇話なんだと気がつく。
銀髪碧眼美少女に釣り上げられた一人のahoよ。
村の掟や信仰における禁忌も先人達の知恵であり、何かしらの教訓の証であると自分もそう思っている。
自分だったらゴムボートをあの場で引き返して終わりだったろう。
流石に話が進まないので霧のなか前に漕ぎ出したが。

ギンカがただかわいらしくて、そのやりとりに心が暖かくなった。
カレーを辛口で食べて悶絶するところも、
突然テレビの前に立ちダンスを踊りだすところも。
ギンカが友人をつくりアサガオの観察をみんなで見守っている日々が暖かかった。

リンねえの水着はエロすぎるし
ひまわりなら水着はなんか隠すところ微妙にズレてない?

途中から出てくるブルーハワイちゃんこと銀花もつっけんどんでトンチキなやりとりから急にシリアスな話に入ったりと単純に修行一筋で現代の価値観から離れていたりでコメディの描写が多かったと思う。

ここからネタバレしまくるので最低限分けておくことにする。


さて、この話は2部構成のようなストーリーとなっており、

話の主軸として、5年前に住んでいた主人公は当時行方不明になり、両想いであった銀花と別れる前に何があったのかを確かめるために。

突然記憶を失った銀髪碧眼美少女ギンカとの出会いを経て島の再興を願う若人と交流し、島民を引っ張り夏祭りを復活させる手伝いというのが主な筋ですがなんやかんやあって失敗します。
その裏で主人公の心臓が止まりギンカと共に神様の島へ。
そこで流星は行方不明になっていたのは銀花ではなく自分だったという真実、そして今までのやり取りは5年前に流星が死んだ際、銀花が神様に「新しい心臓」を要求し答えた。その心臓が形となるまで五年の歳月がかかっており今のゆめ島での生活は体が再生するまでの夢であることを知る。
わかりやすく言うと現世とあの世との境目である。

そして神様が求めた銀花への代償は「流星への恋心」でありここの神様って案外ポエマーなんだなと思った。
自分の命と大切にしている人への気持ちの勘定比べをした時、後者が勝るという考えを持っている神様はそこら辺の人間よりずっと心優しい存在として生まれていただろう。

島民はカタシロ流しという願いごとを紙に書いて海に流すという行いに対して銀花含めそれを神の島に届けにいくお役目様という一族は願いを書いて流してはいけないというルールがある。

「壊れてない心臓がほしい」という流星の願いを依代に顕現したギンカが、流星を想い現世に返すシーンは今見ても泣きそうになる。

銀花は現世の人間でどうにかして流星を現世へ連れ戻そうと動いていた。

ギンカの正体って一体なんなんだって見直している時に整理できたんだけど本当だったら神様が銀花に求めた代価として「流星への恋心」これは島内に止めるか吸収するなりしていたんだろうけれど、神様は願いを叶える力がなく、自分の命を流星の命として蘇らせたんですね。
よくよくみなおしたら全部書いてくれてた…
頭から抜ける情報が重大過ぎる。
よって所有者と行き場を失った霊体である「ギンカ」が神が死んでいなくなった島に流星の死体と共に取り残される事となったんですね。そして

こうして丈夫な心臓を手に入れた流星はギンカとの生活の中で己の生きる目的、希望がギンカとの生活出会ったことを叫び、嘆き、現世の釣具屋で泣くのだった。


ここで一度区切られてED入ったと思って
「鬱になるタイプの泣きゲーかよ」とヤジを飛ばしました。

なずな先生とかも話したいけど流石に細かく覚えてられないので省略。
タイトルに戻るとNEXTということで2部のストーリーが始まるってわけですね。

2部はこの島の根幹に関わる話となっており神様の命と引き換えに心臓を賜った際、自信も神の力を継承してしまいそれにより神様の島に溜まっていた呪いが島全体に不幸を呼ぶので封じないといけない、自分の命が呪いを呼び寄せているということで話のスケールが大きくなっています。もう島全体の存亡の危機。

2部では現世の世界の出来事であり、合流した銀花と共同生活をしたりと時は進む。
現世の呪いを神様の島に封じ込めるため、また上記の理由で島に災いが来ると銀花の母に襲撃されるもお守りに入っていたギンカのカタシロからギンカが顕現する。が今回のギンカは1部とは違い何も依代を持っていないので流星や銀花に触れることができない。銀花母を退け、なんとか説得に成功して
しばらくギンカ、銀花と過ごす猶予を貰った。
神様へと命を返すために。

ギンカは元は銀花の流星への好意の塊であり言ってしまえば二人は元は一人である。
のでいがみあうことはあれど最後には一人になると思った。
いや、一人にはなった。
最悪の形で果たされているけど。
銀花がギンカを刀で刺し、消滅させたのだ。
銀花の中には流星への恋心が芽生えかけている。

流星の命を助けるために恋心を捨てた。
その恋心を捨てても、助けたかったから。
流星は神様の心臓を手に入れて思った。
銀花と共に生きたいと。

その直後、銀花の体は限界を迎え自らが呪いとなり神様の島へと消えてしまった。

取り戻すために神様の島に行くために、夏祭りのカタシロ流しの準備を進める。


男性をマーケティングしてるんですよね?

七守草仁という男
この草仁という男、流星への対抗意識が高過ぎる。
終始高圧的な口調と流星の適当な生き方も相まって相性が悪い。本人たちも言う程。やれ流星を疫病神扱いしたり侵略的外来種というあだ名もこいつがおそらく付けて裏で呼んでいただろう。
顔を見るたび喧嘩を売っていた1部と比べ2部では会話すらしてくれない状況、なにか裏があるとは考えていたがなんか流星に向かって負けたくないからという理由だけで邪険にしていた。己を流星と比べて恥じぬよう律して生きていた。七森家というお役目様一族や島民の護衛を代々していることもあり5年前のカタシロ流しで流星を死なせたことに対して思うことがあるだろうがいくらなんでもそこからずっと引きずっているとは思わないじゃん。流星に詰められて話した時に顔赤くしてるし。するな!!この色男メガネめ… 

男性をマーケティングしてるんですよね!?


呪と化した銀花を察知し銀花の母が流星を殺しにきたところを草仁が論破し弁舌だけで退けた。
事実を突きつけられて冷静になり帰っていく母も凄い。普通に殺されて終わると思ってました。
そして友情を確かめるような笑みを見せる。
ざけんな!染めるな頬を!!
さらに神様の島へ渡る際に護衛につけさせるので大したものである。
1部でも2部でも祭りの設営や島民への根回しも彼を中心に進めている。
お前が普通に一番MVPだろ…

ひまわり代理のお役目様とし、門を開けてもらいそこからは銀花母と流星で神様の島に向かう。

島の中で神様の死体が呪いとなっており神となっている流星が浄化を試みる。
神様の呪いの根本を解決できれば浄化に成功し、元に戻れる。
そこで大樹の視点となり永い時を経てひめ島の成り立ち、お役目様の起源は呪いを押し付ける生贄という事を含めて追体験していく。

そこで花憐母は呪いと化した銀花と交戦しその中で銀花が自分を上回っていることを感じる。

場面は移り突然小学校や高校生となった銀花とイチャイチャしだす。
ただ流星から好意を伝えると銀花は流星を殺害しまた夢の初めからやり直すのだ。

流星の好意だけは受け取ってはいけないのだ。神様との契約を守る為に。
他の願いならすべて叶えられる。
ただその一つだけはダメなのだ。

座敷牢に監禁しても流星の心は折れず、花憐の介入もあり流星は戦いの最中探し物をする。



それはカタシロだった。
銀花の刀を致命傷で受けながら銀花のポケットから抜き取り開く。

銀花は1部にあった夢の世界の中で流星への好意の塊であるギンカが、5年前彼の事をどう想っていたか
知ってしまった。

好意を銀花が認めてしまうと流星は消える。
流星をそのまま生きていると、銀花は流星への想いと楽しかった記憶を思い出すことができない。

選択を決め、別れる前にもう一度、5年前夏祭りの後の想いを打ち明ける夢をと入り直す途中で夢は途切れる。
神様に命を返却する時間がきてしまう。

そこで神様の望みはこの世から消えたいという、命の拒否だった。

失ったものは帰って来ない苦しみを神様は知った。
その絶望はハナという初代お役目様の少女を失ったから。

流星は最後に残された神の力でハナの願いを叶える。

ハナと神様の対話により、神様の本当の願いが引き出され、願いと呪いとともに宇宙の彼方へと飛び去っていった。
そして現世に戻ってきたらもとから流星は死んでおらず流星と親公認のカップルでラブラブな世界になっていた。
そして5年前カタシロ流しの日の告白は全て上手くいき、二人でリンゴ飴を食べ、星空の下で神様を見た。



疑問
つまりのところ神様が世界をいいように改変したのだ。
ハナが流星と銀花のカタシロを連れて行く(叶える)という話をしていたので、二人の願いを聞き入れたものだと思ったけれど、どこでそんな神様の力を取り戻したんだろう?
ハナの願いが「神様を生き返らせる」とかだったら力を取り戻してもおかしくないと思うのだけれど、どこかに見落としがあったかわからないので識者いれば教えて欲しい。
神様になった流星の格がわからないので神様の命を甦らせるほどの力はないんじゃないのっていう妄想だからなんとも言えない…




ゲームをやり切った後感想とかをnoteにまとめることは多いけど表に出すことはあまりないのでここまで纏められて良かったと素直に思う。

何個か不満がある。

エンディング後のキャラクターの掘り下げがほぼないことだ。
このゲームではサブキャラも含めて好きになれた。
だからこそもっと先生も入れて夏休み実行委員会全員集合で遊ぶイベントが欲しかった。
エンディングが終わったらサッと引くのも潔良いけどもうちょっと触れてくれてもよくない?
ひまわりと草仁とかの印象が濃いキャラのエピソードが薄いと感じた。
神話モチーフって説明文多くしないと上手く伝わらないところがあるから仕方がないのかな…
草仁とガチ喧嘩してリン姉に両成敗されるイベントが欲しいよ…
ひまわり…もっかい蝉の抜け殻を踏み潰してくれ…


もう一個ある。それはギンカの扱いだ。
自分はパッケージのギンカの姿に魅了されて買ったに等しい。ギンカは5年前の流星もといプレイヤーと過ごした記憶がある。だが2部では1部の記憶はなかったものとされており、さらに銀花によって途中退場する。
その際に「私の中に受け入れられない」と告げられて。
私はギンカと銀花を区別している。もう既にべつの人格であると。
まあでもわかるよ神様が改変した世界ではギンカと銀花に別れることはなくAFTARストーリーでもギンカの素が柔らかく、年相応になっている部分がある。

でも私はエンディングで流星と銀花とに連れられているギンカが見たかった。夏休み実行委員会メンバーやクラスメイトに可愛がられるギンカを見ていたかった。
また3人で激辛カレーをヒーヒー言いながら食べるのを見たかった… 
クソ…どうして俺はこんな…

消えたい…

ん?公式サイトにグッズがあるんですか?
確認しにいきます。


は?

なんですかこの抱き枕カバー?
本編では銀花のパンツ見えたかどうかで刃傷沙汰だったというのになんですかこれは?

許さんぞFrontwing




総プレイは8時間半くらいでした。
初心者にも遊びやすい作品でビジュアルノベルゲー興味と時間がある方にとてもオススメです。
一本道で遊びやすいし。

ATORIもそのうち遊ばせていただきます。
とにかくギンカ、銀花ロスにはなります。
いる気がします。

添い寝ボイスってどんなものなんだろう…
草仁とのタイマンシチュボイスドラマCD、お待ちしております。


いいゲームでした!

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