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白鷹の花嫁 ※個人サイトに再掲完了

2018.2.26~3.30、WebマガジンCobalt様で連載していた『白鷹の花嫁(異世界転移 × アラビアに恋愛FT)』について、本編の個人サイト再掲が完了しました。

→ 本編は「こちら」から ※HP内の目次ページに飛びます

4年前、自分をかばった兄を事故で亡くしてから、自分を責めつづけてきた少女・陽菜は、ふとしたことで見知らぬ世界に迷い込んでしまう。
偶然、片翼を失った《砂漠》の魔王・カマルに拾われ、その歌声を愛でられた陽菜は、生き延びるため、自らカマルの「奴隷」になることを選ぶ。
異形の魔族たちが生きる不可思議な世界で、陽菜はいくつもの出逢いを経験して……!? [※WebマガジンCobalt掲載時、紹介文より引用]

眠れない魔王と、彼のために子守唄を歌う女子高生。
月の美しい《砂漠》の国を舞台に、過去に囚われた二人が、優しい夜明けを目指す異世界転移FT。


再掲、お付き合いいただき、ありがとうございました!
心の在り方も、命の長さも違う二人が手を繋いで、同じものを愛して、同じ幸福を分け合う、そんな優しさのある物語であれば、と。
いつか別れが訪れたとしても、ふたりは幸せに生きると思います。

また、再掲はじめたときにも書きましたが、どうにか形にしてあげられないかな、と諦めきれない物語でもあります。
もともと文庫化等の予定なかった物語なので、作者個人の我儘でしかありませんが、お手紙に感想を書いてくださる方もいらっしゃって、大事にしてくださる方もいて、すごく嬉しかったので。
いろいろ未練のある物語でもあります。

もし気に入ってくださったら、RT等で他の方にご紹介いただいたり、
御言葉やお声がけ、編集部様まで御葉書や御手紙いただけると嬉しいです。
応援していただけると、作者としても物語を書く励みになるので。


本編の再掲が終了しましたので、以下、小ネタを一部だけ紹介。

◆ 陽菜の苗字
赤星(あかほし)はサソリ座の恒星Antaresの和名。
シャムスとの関係性から、この苗字になっています。
伏線とまでは言わないですが、仕込みのひとつでした。
気づいた方いらっしゃれば、握手してください。

◆ 陽菜という呼び方について
本編に登場する魔族では、カマルだけ「陽菜」と呼びかけます。
作中、陽菜が自分の意志で名乗ったのはカマルだけなので。
(漢字表記なのは、陽菜が漢字も教えたから)

◆登場人物の名前とか、いろいろ
●赤星 陽菜(あかほし ひな)
赤星は、前述のとおりサソリ座の恒星から。
陽菜の由来は『太陽』、シャムスと名前被せています。
あと雛鳥の「ヒナ」の意味もかけている。綺麗に囀る(歌う)子であり、カマルとも薄っすら血が繋がっているので、鳥にまつわる名前になりました。

●カマル  :月。陽菜(太陽)と対になるように。

 主役ふたりのコンセプトは、「夜に囚われた月と、それを夜明けに連れて行く太陽」でした。物語自体、この関係性を発端にして作った(気がする)ので、ふたりの関係性が、物語のテーマかつ根幹でもありました。

●シャムス
太陽。陽菜との関係性も踏まえて、同じモチーフです。
ちなみに、陽菜の家系は、金色の瞳を持つ子が生まれたとき、
必ず太陽にまつわる名前をつけることになっています。

●ナジュム:星。カマルとシャムスに合わせたもの。

●イト
漢字にすると「糸」あるいは「絃」。
過去、人間との間に子どもを作っておきながら、相手の人間を頭からばりばり食べちゃった(溶かしちゃった)蜘蛛の魔族。無駄に長生き。
彼女の子どもは、《神木》の国で花街の元締めをしています。母親と似て、愛するものほど食べたくなってしまう蜘蛛の青年(半妖)。
個人的に蜘蛛が好きで、生き物として美しいなあ、と思っているので、この人がヒーローの話もいつか書きたい。(たぶん、凄いろくでなし)

●アーシファ:嵐。シャムスが好きすぎて砂漠から引っ越さない。
      今後もいろいろやらかして、カマルに半殺しにされる。


◆ イトの相棒について(※白鷹の花嫁では不在)
 湖城の魔王~では、イトは猫耳少年魔族とコンビを組んでいます。名前はマオ(偽名)。
白鷹の花嫁では里帰りしており、故国である《大河》に戻っています。
大河には、ネコ科魔王(綺麗なヤンデレ)と腹ペコ男装少女(人間)が
いるのですが、そのあたりは別の魔王と花嫁のはなし。
たぶん、いちばん平和で、少女小説!という感じの話になります。いつか書きたい。


◆ 湖城の魔王
カマルと争ったのは、先代魔王になります。
いまの魔王が、既刊『湖城の魔王と異界の少女』のヒーロー、ヴィリ。湖城~と白鷹の花嫁は、魔界での時間軸では、かなり近しいので、両方読むと、いろいろ繋がって楽しいかも。


◆ 本編に出てきた《雪原》の国について
雪に閉ざされた国。ここの特産品は(魔族の)剥製です。
ただ、特産より、魔王と暗殺者の少女をめぐる御伽噺の舞台として有名。
切り落とした少女の片腕を剥製にして、それを頼りに少女を探した魔王の
10年間にわたる血みどろシンデレラ。
この話も、いつか書けたら良いね、と思います。
ちなみに、湖城~の御手紙の御返事に添えている掌編でも、ちょっとだけ触れている。


◆ 椿の隊商/ギルド
花の紋を掲げる隊商は、奴隷商です。
高級奴隷を売っているのが『薔薇』、奴隷を聖女と称して売りさばくのが『白百合』。『椿』は、わりとスタンダードです。


◆ 魔界にある国々のこと
現在進行形で数多の国が生まれては滅びゆくので、全体像がどんなものか誰も知らない。魔界に地図がないのは、国の興亡が激しすぎて、作っても意味がないから。
長くある国は、たいてい長く治める魔王がいるけれども、長生きしすぎて、
とんでもない性格になっているのが大半です。


本編の再掲が終了したので、来週は番外編『月のための夜想曲』を更新予定です。後日譚にあたる掌編なので、よろしければ、読んでやってくださいませ。

再掲にあたり、お付き合いいただき、本当にありがとうございました。
少しでも楽しんでいただけたなら、とても嬉しく思います。
願わくば、別の物語でもお会いできますように。

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