泣きたくても泣けなかった日々に終止符を打った、彼らの歌声(その1)
コロナ禍が始まる前から少しずつ心が疲弊していた。それが、コロナ禍に突入した2020年冬~春の時期、お客様も一緒に働いてる人もとにかくピリピリしている。その雰囲気に心が過敏に反応して、それゆえに仕事のつらさが限界に達しつつあっても「やめる」という選択肢が取れなかった。
やめたところで次の働き先が決まる保証がゼロに限りなく近い状態だったから。
「これ以上続けたら取り返しの付かないことになる」とわかっていてもどうしたらいいかわからず、壊れる寸前の心をなんとか奮わせて仕事をしていた5月のある日、ふとスンチの回の“HIT THE ROAD”を思い出し、気付いた。
「スンチだってお休みしたんだもん、私だって休んでもいいじゃん。つか、休まないと危ないじゃん」
運よく4日後が月一の受診日だったので、メンタルクリニックの先生に診断書を書いてもらい、2週間休職。
表面上は回復したので、予定どおり2週間後に復帰。
だけど、コロナ禍で顕在化した、思いのほかたくさんある深い心の傷は未だに治っていないし、治る気配もない。
それを自覚しつつもなす術を見つけられないまま過ごしていたせいか、いつの頃からか泣けなくなってしまった。
涙を流せば楽になるはずのときでも一粒の涙もこぼれなくなっていたのだ。
そんな日々に終止符を打ったのは、彼らのこの曲だった。