『ビビり』:THE RESCUED <保護猫>
RESCUEDとは、保護された、生命からがら死にそうなところを助けられた、と言う意味である。「保護」には 、
●PROTECTION(守護、加護) と
●RESCUED(命を救われた)
と、言う二種の意味ががあるが、犬猫の場合、動物愛護的支援の視点において、後者が断然、重要になってくる。
そして、RESCUEする事によって、
●虐待された動物に、生きるに足る栄養と活動を与える
●且つ、動物個体に幸せなペットとしての生涯を、全うさせる
➡つまり、残りの彼等の生涯には、虐待などが介在しない様に補填(つまり保証)せねばならない
と、謂う二点を現実にする事を目的とする。
我が保護猫、黒猫🐈⬛くぅやん🐈⬛は、子猫時代を棄猫として過ごし、飢餓で死ぬ直前に、我が家の近くのNPO団体に栃木市で保護された。
今までに私が飼育した、他団体で棄猫レスキューされた猫達の中で、一番、虐待被害が大きかったと思われる、トラウマ持ちの猫である。
●リラックスし難い性格、
●飼育している飼主の横に静かに座っていたとしても、完全なリラックス状態はない
●突然パニックの波が来る、
と言う、いわゆる超「ビビり」である。
それでも、過去約7か月で、彼からかなりの信用を得た私は、彼にとって、非常に大切なマミィ(養母)になった。
私がトイレに行ったり、外へ行ったりすると、出入り口の扉の所で待っているようになった。私が何処かに行こうとすると、
「何処へ行くの?」、
とミャーミャー鳴きつつ、訊いてくる(様な顔をする、って言った方が正確かな(笑)💦)。風呂に入れば、風呂の一歩手前まで入って来ようとする(笑)。また、日程が分かってくると、朝、遅刻しそうなら、ミャーミャー鳴いて知らせてくれる。誠に養親思いの利口な仔である。
私は、この仔が、ビビる度、どの位の人間による無神経、無関心、そして不要な暴力を以て虐待を受けて来たのか、この恐れ方を見て、不憫になったものである。
昨年の初夏(5月末)に保護元から引取った当初、彼の落着く場所は、なるたけ、私と離れた食器棚の上で、自分の状況を上から俯瞰出来る場所だと、この利口な猫は選んだ。この仔、30日間、続けて上に居たんだ。
引取って約一か月、それは怖い顔をして上から眺めているだけの猫に、暑い夏に直面して、その最中に仕事で忙しい私は彼に、充分、新しい自分の暮らしを彼なりの方法で見せてやった。彼は私がいない間に室内を冒険し、私が配置した餌を平らげ、私が彼の面倒を見るのを、客観的に見続けた。
以前から大の猫好きで、今、二匹飼育しており、前の奥さんと暮らしている頃に私に黒白の棄猫をくれた、猫博士で親友のマイケルに、FacebookのDMで新しい保護猫を引き取った、と言ったら、アドバイスをくれた。
「三代目と言っても、CHACHAはこの猫は初めてなんだから、まず、先々代のころから同じに、大切にしてやること。彼の猫権利をきちんとレスペクトする事だよ。CHACHAを自分のご主人様にして、好いのか否かを見定めているんだから、暫くCHACHAに冷たいと思うよ。彼の世話を十二分にしてやりなよ。彼は貰った恩を、無駄にはしない筈だ」。
そう謂われてみると、彼が私にくれたシルヴィー(先々代CHACHA家の猫)は、彼が身体に巻き付いてパニくっていた際に、私が巻き付いた糸を丁寧に取ってやったら、それまで冷たかったけれど、その夜から私の布団に上がって来て、一緒に寝たもんだった。
保護猫は自分が主人にとってどの位大切か見てるんだ、って事だろうか。特に保護猫は自分を大切にする人を望むもんだ。自分がこれからどんな目に遭うかは、主人の今の状況を見ていると分かるって事か。
🐈⬛くぅやん🐈⬛が食器棚から降りて来て、突然、ピューマの様な声でゴロゴロ言いつつ、私に飛びつき、
「僕はあなたを選びます」
と動作で表現したのは、NPOが私にくれた、『養子猫お試し期間』があと6時間で切れるところだった。
それまで、私は今までに飼育した事がある猫達以上に、🐈⬛くぅやん🐈⬛の世話に苦労していた。筋肉質で大きな猫だし、コワかった。動きがピューマ並みに素早い。何かしようとすれば、素早い動きで、ぎぇっと言う程、3回喰い付かれ、右手は傷だらけ、4~5回足をトンでもなく鋭い爪から引っかかれ、痛い思いをしていた。
が、都度、NPOに依頼された通り、喰い付かれた事を回数と状況報告したとしても、
「引き取りましょうか?他の黒猫もいますし」
と謂われても、
「いいえ。私はこの仔がいいです」
と、引取を頼んだりはしなかった。
🐈⬛くぅやん🐈⬛の猫権利を考えて、彼に選ばせたかったんだ。
CHACHAにしては珍しく、文句言わずに、黙って面倒を見ていた。
アメリカの親友、マイケルのアドバイスじゃないけれど、返そうとは思わなかった。だけど、彼は、過去に、養子先から二度ばかり返された事があるからか、お試し期間終了一歩前に、自分で私に
「宜しくお願いしましゅ」、
と、言いに来た。また、NPO帰りになるかと思ったのかな(笑)。
彼を抱きしめて😊にこにこする私😊をジィっと見て、みゃん、とカワイイ声で鳴き続け、意を決して(と言う感じで)、下を向いたり上を向いたり、横目になったりしつつ、時に大きな瞳で恐る恐る、私を見上げた。そんなカワイイ彼を見た時は、私自身が泣いてしまった。この時、重大な責任を彼に感じたのだ。こんな不憫な猫はいない。
「🐈⬛くぅちゃん🐈⬛、😊良かったぁ、マミィを選んでくれたんだね。返さないから大丈夫だよぉ💚🐈⬛くぅやん🐈⬛の事、マミィ、大事にするからね。愛してるよ。大好きだからね」
人間様に信頼感を与えるのが、怖くて仕方なかった🐈⬛くぅやん🐈⬛は、勇気を出した大きな一歩で、私に抱付いたんだな、と感じた。だから、コワがりながら震える身体をしっかり抱き留められて、とっても嬉しかったみたい。
私は、
「良かったぁ、選んでくれた」、
と思ったものである。
🐈⬛くぅやん🐈⬛は、私と互いを知合って行くに従い、この半年でとにかくビビりが激しく、感受性が凄く強い猫である事を見せてくれた。
余程、人間に酷く痛めつけられた事があるのかな。可哀相に。
●大きい音、
●大きいモノ、
●大きいヒト、
●外の騒音
●電話の音、
●洗濯機の音、
●電子レンジや電子オーヴンの音、匂い、
●YouTubeの音量やテレビの音量が高い時、
●私がモップ、箒を手に掃除を開始する時、
●私が🐈⬛くぅやん🐈⬛の隣に座っていたけど🐈⬛くぅやん🐈⬛の前を通る時、
●私が🐈⬛くぅやん🐈⬛が予測していない行動を突然とる時 (例えば、立ち上がってトイレに行く時とか)、途端に、大パニックになる。
何かの音がする度に、びくり、とする。
マミィが好きなので、マミィの横に座り始めてから、食器棚には最近登らぬが、食器棚の横下にある、洗濯機にのぼり、いつでも上にある食器棚へ上れるように、彼はジャンプの用意をする。
私は、彼がパニクって走り回る前に、
「大丈夫、大丈夫だよ、🐈⬛くぅやん🐈⬛、ビビらない、ビビらない」
と元気づけて上の棚へ上らない様にしている。未だにそうだ。
慣れるまで、電話の鳴音を低めのショックの少ない音にするなどして、ショックが少なくなるように対応したけれど、コロコロを手に持つだけでも目が大きくなってドドドドドと逃げ回り、食器棚の上に上がって此方を睨んだりしていた。
最近は大分慣れて、椅子に腰かけて仕事をしていたりメール書いたりしていると、横の所にチョコンと腰かけ、私の行動を見ている。あんなに恐れていたPCも、彼には何もしない、と謂う事を発見して、カーソルの動きに猫本能を掻き乱されてみたりする。
10月に私がインフルで突然倒れた際、看病してくれて、恥ずかしい事に、餌が切れてしまった。熱が下がらず自分のごはんにも困っていたら、NPOの奥さんが、一度だけの条件で、好意で餌と人間のごはんを買ってきてくれた。
だけど、
「二度と、こんな電話架けてきたら、この仔は返して貰う事になります」
と言われ、幾ら熱が有ったとは言え、恥じ入り、重々謝って、超久々に、深く自己嫌悪した。
「棄猫にしちゃうところだった、ごめんね」、
と🐈⬛くぅやん🐈⬛に謝りながら、それ以降は都度、優先して、猫餌と猫砂 (木のチップ) は、それからずっと食器棚の横の取置き棚に山程、置いている。
本猫は冷たいウェットフードが好きだが、この時季、寒いので、食べると必ず下痢する。だから、寒い間はカリカリだけにしてやっている。本猫は嫌がるけどね😅💦とにかく、彼の食べるモノは毎月、沢山の量を買い足して、私が一時的に倒れても、絶対に切れないようにした。
それを見たか見なかったのか分からんが、我が愛猫は病気が酷かった私を心配したのか、未だに咳き込んだり、寝込んだりしていたマミィを見て、あんなに嫌がっていた小さいベッドで、私の横で一緒に眠る様になった。
布団が暑過ぎて厭な場合は、私の身体に架かっているフカフカの毛布の一番上で、私の脚の上に寝転んで、コロッと気持ち良く寝ちゃうのだ。
それを見て考えてみると、人間に棄てられて、然も物乞いしていた元野良なので、ご主人様と一緒に寝るなど、した事無いのだろう。
(^^ゞ まぁ、馴れていなくて当然だろう、と思った。
私が病気が長引いた際に心配してか、横で寝てくれてから、
「そうか、マミィはコレが欲しいんだ」
と分かったのか、一緒に真横や足元で一緒のベッドで寝てくれるようになった。つくづく、利口な仔なのだ。
最近では、前猫と同様に、寝る時間が遅くなると、呼びに来る。
「早く寝ようよ、マミィ」
とばかりにみゃあみゃあ言う。何処から聴いて来たのよ、と思った。
以前観たビデオに、霊能者のアメリカ人が話していたプログラムがあり、
「あなたのペットが死ぬと、次のペットが来た際に、前のペットから教えを乞う。あなたがいない間に、霊として現れ、当代のペットに、ご主人様の扱い方法を教えてやるんだよ」
と言っていた。
ウチのも、先代とか、先々代の猫の亡霊でも出て来て、私と旨くやる方法を教えて貰ったのかな、と思う程、最近じゃ先代猫がやっていた事をまるで聴いて来たかの様にしてみせる。
「猫は霊能があるからね。人間には見えないものが見えると謂う」。マイケルがメッセージをくれた。
そう謂えば、CHACHA家の先代猫は、亡母命日になると、明後日の方向で何も見えない所に向かって、喉を鳴らし、目を閉じてゴロゴロ言って、誰かとお話して居る様に見えていたものだ。
私がインフルになった時、日中ずっと熱に魘されたり眠ってばかりだったから、猫にウチの亡母から声くらい架けたかも知れぬ。
「ウチの娘は気が利かないからね、ごめんね、🐈⬛くぅちゃん🐈⬛、悪いけどさ、苦労懸けるけど、あの娘の面倒見てやってくれる?夜型で寝る時間が短いのよ」
とか(苦笑)。
それとも、神様がウチの🐈⬛くぅやん🐈⬛に耳打ちして、
「早く寝る様に様子見てやってくれる?悪いね」
なんて、謂ったのかしら(笑)。
日々、段々、私の生活に同化して行き、私と暮らして信頼度を深めてくれる我が保護猫🐈⬛くぅやん🐈⬛。
これからも、お世話になります。