21-22シーズンアーセナル展望~昨シーズンの反省~
昨シーズン、アーセナルにとって悔しいシーズンに終わった。ほんの一部ではあると思うが、昨シーズンのアーセナル問題点を考えていきたい。
スカッドの整理
昨シーズンの序盤の失速の理由の1つに人員整理が遅れたことが挙げられる。コロナ禍ということもあり、選手を獲得したいチームが現れても、移籍金やプレミアリーグの高い年俸を払えるクラブが少なかった。その結果、余剰戦力とされていた選手をチームに残すことになった。特に、アーセナル1の高給取りであったメスト・エジルがプレミアリーグに登録されなかったことは少なからず、チームに負の影響を与えていただろう。これに関しては、様々な問題が複雑に絡み合っており、いまだに明らかにされていないことであるため、何とも言えないが高給取りの選手がプレーできないというのはクラブにとってあってはいけないことである。アルテタにとって、戦力とみなしていない選手を多く抱えた状況でマネジメントするのは、とても困難なことであっただろう。結局、冬にシュコドラン・ムスタフィ、 セアド・コラシナツ、 ソクラティス、メスト・エジルなどといった選手を移籍金が発生しない形(自由移籍やレンタル)で放出した。本来ならば、夏のうちに移籍金を貰って放出するのが理想だっただろう。
冬以降のスカッドを見てもらいたい。
しっかりと放出ができた冬以降は成績が上向き、クリスマス以降だけでいうとアーセナルは3位だった。この表をみるとスカッドのバランスが良いことがわかる。強いて言えば、キーラン・ティアニーの控えとなるLSBがいなかったことが言えるが、第3GKのルナルソンとネルソン以外は戦力として試合に起用することができていたように私には見えた。今シーズンは、しっかりと放出を進めてバランスの良いスカッドで序盤から迎えてもらいたい。
余談になるが、このようにしてスカッドをみると、やはり今のアーセナルにはリーダーシップをとれる選手が少ない。一昨年優勝をしたリバプールは、アリソン、ファンダイク、ミルナー、ヘンダーソンといったリーダーが各ポジションにいた。こういったリーダーの存在はタフなシーズンを戦い抜くうえで重要になってくると思う。アルテタには、リーダーの育成、補強をしてほしい。そうすれば、チームに安定感が加わるだろう。今シーズン、プレミアリーグでの経験が豊富な、ダビド・ルイスやライアンがクラブから退団したことは懸念材料である。
得点力
ヴェンゲル退任以降、良くも悪くも失点数が減っているが、得点力も減っている。昨年の得点は55。リーグでは8位となる。アーセナルにとって今シーズン順位を上げるためには、得点力の向上は必須となる。
昨シーズンは、特にファイナルサードで相手に引かれた状態での得点と、セットプレーでの得点が少なかった印象だ。ファイナルサードの崩しに関しては、スミス・ロウやウーデゴールの帯同で改善されたが、かつての流れるような素早いパスワークは少なく、悪い時は、サカの独力での突破に頼るしかないような日もあった。また、引いた相手に対しては、ミドルシュートを枠に放つ選手が増えてもよいと思う。そういった意味でも私は、ウーデゴールの再獲得やマディソンの獲得を推したい。また、セットプレーでの得点の向上も必須である。どういったトレーニングをしているのかわからないが、ペペやサカ、スミス・ロウなどファウルを貰うのが上手い選手がいるので、そういったオプションを持つというのは上位進出の一つのカギになると思う。誰が出ても変わらないというのが強いチームの条件となるが、昨シーズンのアーセナルはそうではなかった。特に、キーラン・ティアニーの怪我は明らかにチームの攻撃の質を低くした。今シーズンは、様々な想定をして柔軟な戦いをしないと、安定したチームにはならない。
まとめ
私が昨シーズンをゆる~く振り返っての反省点であるため、これらはほんの一部にしか過ぎない。アーセナルが安定して毎シーズンを送るためには、まだまだやるべきことがあると思う。とはいえ、昨シーズンは若手の帯同であったり、チェルシーに17年ぶりにダブルを達成したことなど、ポジティブなことも少なからずあった。いかにして、今シーズン上積みできるのか。ヨーロッパのコンペティションがないことなど、今後数年のアーセナルが問われるシーズンであると個人的に思っている。そういった意味でアーセナルの真価が問われるだろう。
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