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NCT 127 "Love Song" 嫌いな人おらんやろ説

※このブログは超自己満足で書いてます。思いつくままに書いてます。まとまりありません。
そして所々クラシックをベースに進めています。
ポップスでは違う書き方だよ!とかあると思いますが、いろいろとご了承をお願いいたします!🧸💛

前の記事でこの曲について話そうとしたのですが、ヘチャンの天才っぷりを話したらそこで終わってしまいました。すみません。→ヘチャンの天才の話


ようやく本題に入ります。NCT 127 "Love Song" 嫌いな人おらんやろ説です。👶🏻


Love Song を聴いた所感

アルバムが出た頃はまだ𝑵𝑬𝑶 𝑪𝑼𝑳𝑻𝑼𝑹𝑬 𝑻𝑬𝑪𝑯𝑵𝑶𝑳𝑶𝑮𝒀 オタクでは無かったので、英雄しかチェックしてないサボりボケボケ野郎でした。


英雄は 𝑩𝒓𝒖𝒄𝒆 𝑳𝒆𝒆 の語感がまず良きです。

まさかの人名を背負ってカムバするとは思わんじゃん。

キャッチーだけど今までのネオカルサウンドも維持した天才さには超気持ち良く裏切られました。それ、みんな好きなやつじゃん。


その頃はまだNCTにハマっていなかったけど、密かに「そろそろNCTの時代来るんじゃね?」は真面目に思いました。確実に時代が追いついてきた感はある。

英雄の両乳首に湧いたり、それなりに楽しく番組見たりしてました。(いつから両乳首放送OKなったん?)

そしたら自分が𝑵𝑬𝑶 𝑪𝑼𝑳𝑻𝑼𝑹𝑬 𝑻𝑬𝑪𝑯𝑵𝑶𝑳𝑶𝑮𝒀 にハマったというね🥲SMの犬なのでいつかは来ると思ってたけどもっと早くハマる時来てほしかったな🥲英雄リアタイで湧きたかったぴえん🥺







すみません。話が脱線しました。


Love Songを聴いた所感はですね〜、まずは1つめ、多幸感がすごいです。これは2つめの所感とも繋がってますが…。(後でわかるよ)

初めて聴いた時にもう、聴いててめちゃくちゃ幸せになっちゃうやつじゃん…てなりました…。

R&BはSMのお家芸なのでみんな好きだと思いますが、chillな雰囲気でめちゃくちゃお洒落だし、コードがすごいおもしろい。(コードについては後で死ぬほど話します)

NCTて難解な曲が多いと思うんですが、シンプルイズベストで勝負に出て圧勝しとる!!と思いました。歌のうまさはもちろんですが、曲の構成の取り方や仕上がり具合が極上にも関わらず、アルバムの中の一曲というのが至極の贅沢って感じで、たまらんです。





そして2つめ、音楽面でそそられるところがたくさんあります。

後でコードの話もしますが、ここではビートについてちょっと話します。


ビートが興味深いです。

ベースはずっと2ビートで流れてるんですが、裏で時計の秒針の音が4ビート(4ビートというか4と8どっちも流れてるんだけど音楽の取り方がそこだけ4になるところ)で流れる時と8ビートで流れる時があるんですよ。ビートの種類が2・4・8ビートと3種類ある。

で、多分、歌詞とリンクしてます。

(ユウタ)
너의 숨소리도 들려
君の息遣いまで感じる

이렇게 가까우니까
こんなにも近いから

(テイル)
이대로 투명해진 채
透明になったまま

시간이 멈췄으면 해 yeah
時間が止まればいい



(ヘチャン)
너의 눈에 내가 비쳐
君の瞳に僕が映る

이렇게 가까우니까
こんなにも近いから

(ドヨン)
날 보며 웃음 지을 땐
僕を見て微笑むとき

심장이 멎을 것 같아 yeah
心臓が止まりそうになる



(マーク)
Rain don't stop 비 내려와
雨よ 降り注げ

둘이서 1인용 umbrella 아래
二人で一人用の傘の下

내 하루는 so bright
僕の1日は とても眩しい

떠올라 넌 지지 않는 나의 빛
浮かぶ君は 消えない僕の光

(テヨン)
Doo-doo-doo- rain drop Hop out my foreign car
外車を跳ねるしずく

흠뻑 젖은 이 아스팔트 위에는
ぐっしょり濡れたアスファルトの上は

한편의 scene을 만들어내지
一つのシーンを演出して


(ジェヒョン)
어느새 여기 내 안에 네가 겹쳐와
いつの間にか 僕に君が重なって

(ジェヒョン&ドヨン)
내 맘속에 너는 저 촉촉한 비처럼
心の中へ 雨のようにしっとりと

(テイル)
스며들어와
染み込んでくる

上の抜き出した歌詞は、時計のビート(4・8)が無い所です。さらに太字のパートは、4ビートで取る所です。


ビートって時間を区切る単位なんですが、ユウタとヘチャンパートの、

「君の息遣いまで感じる こんなにも近いから」
「君の瞳に僕が映る こんなにも近いから」


で時計の音が消えちゃうことで、「相手を意識してしまう距離にいるので、時間が過ぎていくのが感じられない」ということが強調されると思うんです。


そして、その後のテイルとドヨンパートの、

「透明になったまま 時間が止まればいい」
「僕を見て微笑むとき 心臓が止まりそうになる」


で再び4ビートだけの時計の音が鳴るんですが、そこから少しずつ時間が動き出しているんですよ。「時間が止まればいい」「心臓止まりそう」言うてるのに。


エモ。超ーーーーーーーーーエモ。


意中の人とデート中か何かわからんけど(雰囲気もクソもねえ)、予想外の雨で予想外の相合傘になってしまって、僕の気持ちは心臓ドキドキなんだけど、雨っていつかは止むじゃないですか。そのまま続いてほしいけど、この幸せな時間は雨が止めば終わってしまう。

この幸せな時間にも終わりがきてしまうことを、暗喩的に時計の音で表してるんだろうな〜と思います。


もー、あなたたち二人の間だけ雨降っときなよーー!!!!ヒューヒュー!!!☔💓

て言っちゃう。



そして、ラップのマーク・テヨンパートは、

「雨よ降り注げ
二人で一人用の傘の下
僕の1日はとても眩しい
浮かぶ君は消えない僕の光」

「外車を跳ねるしずく
ぐっしょり濡れたアスファルトの上は
一つのシーンを演出して」


という歌詞なんですが、マークは、相合傘の下で「雨よ降り注げ」と思ってるし、君は僕の光だから「僕の1日はとても眩しい」し、てよよは、相合傘の二人が映る水たまりにドラマ(シーン)を見い出してる。ドラマのようにハッピーエンドになってほしいんかな。

よって、二人とも願望を書いてるので、このまま時間が止まって欲しい=時計の音が聴こえない んだろうなあ。と思います。


ジェヒョン&ドヨン&テイルは、

いつの間にか 僕に君が重なって
心の中へ 雨のようにしっとりと
染み込んでくる


で、多分😘しちゃったんだろうな❣️かわゆい❣️

いやらしくない😘がかわゆい❣️






ビートの多用に関しては、EXO/Tempoを思い出しました。

Love Songは基本2ビートなんですが(ベースが2ビートなので)、その上に4・8ビートの時計の秒針を重ねるのはもう、もろTempoのキコキコと一緒や。

まあでもTempoみたいに複雑に絡んでる横の繋がりのビートチェンジでは無いですが、2ビートの上に4・8ビート流れてんのかよ…SMの血もろ受け継がれとる…と思いました…。

Tempoの「なぜかエンドレスリピートしたくなる」と同じ現象だろうな…。

Tempoが出た後に、作曲陣(主にMZMC)に「Tempoみたいな曲作って」という声がいろんな所から出ていたそうですが、Tempoみたいな曲は(ビートに限ると)Love Songです。(ドヤ)(ドヤではない)

しかもMZMCじゃないって言う。(笑)


まあこんな感じで、ビートについては以上となります。(笑) なんかすみません。(笑)(気を取り直して!!!)






そして3つめは、イリチルの曲の消化力がすごい。です。

英雄とかSit Down!のHIPHOP!!イケイケどんどん!!!からの、ガラッと変わったお洒落な声とセンスの良さとグルーヴ感よ。

メインボのシャウトとか所々の合いの手(合いの手で気になるのが、誰の声かわかんないけど(ジェヒョンな気もするが)不定期に「ア゛ッ」て声が聴こえるんですよね。どなたかわかる方いらっしゃいます?)も良いですし、ラップも良い味を出してるし、何より音から情景が思い浮かびますよね。歌詞を知るともっと思い浮かぶけど。

私はよく、初めて聴く曲は歌詞を気にしないで音に集中して聴いちゃうんですが、歌詞があんまりわからなくても、雨の中で相合傘してる初々しいカップルがそれぞれ思いを馳せている風景がバン!!て脳内に来ました。

この感覚になる曲はそうそうないと思います。これは彼らの音楽の消化能力の良さが抜群だからだと思います👼🏻いろんなジャンルの音楽を聴いてないと、この音楽の創りの幅広さは無理ですね。音楽経験が豊富だろうな。

イケイケどんどんもシャレオツなのも出来ちゃうイリチル、天才なんだと思います。

最後のサビのメインボのシャウトは、超、もう、最高。至高。もっとやりな???てなる。

NEOZONE 是非、全人類聴いてほしい。飛ぶぞ??








Love Song の一番おもしろいところ

ここからはしばらくコードの話です。中々の長さです。手元にLove Songの音源を準備してください。

こっちは曲全部入っているほうで、この記事の一番上にあるのは Track Video というミニMVみたいなやつです。1分半くらい。アナログな感じでかわいいです。いろんな雨があります。☔

アルバム全曲に Track Video 作れちゃうSMの資金力と意気込みも合わせて、お時間あれば是非、全曲楽しんでください。

あと、Love Songはサムネがかわよい。私のすきぴ3人でござるよ。()
Track Videoのマンネ3人がよりかかってるところ、エンドレスに観ていたい。




コード"進行"の話

はい、コードの話、いきます。

この曲はエンドレス多幸感なので、私はこの曲を勝手に合法ドラッグと呼んでます。

聴いたら幸せになっちゃうんだもん。合法ドラッグだよもう。聴いたらもう最後、やめられないとまらないかっぱえびせんのループです。🦐


ではこの合法ドラッグを生み出しているコード進行を書きますね。

("コードの正しい書き方"だとC#m→D♭m、F#→G♭ですが、理論に沿って音楽的考察をしたいのでこの表示にしています)

ほとんどの部分でこの進行しか使ってないです。

B major
A♭ major が繰り返し転調して構成されています。基本これだけ。

1曲の中で出てくるコード進行が少ないんですね。

まあコードか少ない曲は他にもたくさんあるので、そんなに珍しくも無いんですが、気になる点というか「これなんかヤベぇんだわ」と思う中のひとつである、コード"進行"の話をします。

少しクラシックな音楽理論の話になりますが、コードは理論的には「和音」と同じになります。
複数の音が重なって演奏されるものが「和音」です。
その「和音」が規則に沿って進行することがクラシックでは「和声」と言い、ポップスでは「コード進行」となります。

そのコード進行の規則というのが、Love Song では詳しくどうなっているかと言うと、

こうなっています。

2段目は、和音記号を現しています。
和音をいちいち1段目のように書くと面倒いので()、ローマ数字でこのように書くことがあります。
まあ和音記号を書くのはほぼクラシックに限るので、別にそんな気にしなくていいです。笑

その調の2番目の音を基本とする和音を、5番目とする和音を、1番目の音を基本とする和音をと表します。
Ⅱ→Ⅴ→Ⅰに行くんだ!って言うのだけ、頭の片隅に置いていてください。

和音記号の進行には、「型」と呼ばれる、決まった進行をするものが3つあって、Ⅱ→Ⅴ→Ⅰは、3つの型のうちTSDT型(K2型)というものに当てはまります。(別に知らんくていい)
ここで3段目が絡んできます。



3段目の S D T というのは、

サブドミナント - ドミナント - トニック

を略したものです。

どういうこっちゃ!と思われると思いますが、これは「ツーファイヴツーファイヴワン)」と呼ばれる、音楽のエネルギーが非常にまとまりがある超ノーマルな進行の型を表しています。(ツーファイヴという名前は、2段目の和音の進行Ⅱ→Ⅴから来ている)(ポップスだとサブドミナントはプレドミナントとも言ったりする)

ツーファイヴ(TSDT型)を一つ一つ略さないで言ったらこうなるよ、ってことです。(最初のTが進行に無い場合もこの型にあてはめることがある)(以下、TSDT型をツーファイヴと言っていきます)

上記のようにツーファイヴは音楽にまとまりがあるので、「聴きやすさ」や「一貫性」のようなものを感じることができます。

そして曲中はこのツーファイヴをほぼ9割繰り返しています。(残りの1割はイントロ・アウトロなどで同じコードを続けてるやつなのでコード"進行"としては成り立たない)

このツーファイヴの進行はクラシック音楽の世界でもポップスでも普通に使われます。ジャズでもよく使われる。

でもツーファイヴしか使わない曲は、ポップスではあまり無いと思います。

別に、ツーファイヴを使うのがおもんない、ではなく、ツーファイヴしか使われていないのがヤバい。

昔の曲なら進行が少ない曲もありますが、今のこのK-popというジャンルの中で、言うならばK-popが飽和状態の「K-pop戦国時代」と呼ばれる中で、こんなシンプルな進行のみを使うのは、はっきり言って超自信あるんやな、という感じでヤバいです。

だって他の曲はいろんな進行をやってんだもん。
だから逆に異質なこの曲が目立つのかもしれませんけど。!

普通は最低でも2,3パターンの進行を使うと思うんですけど、これは本当にこのツーファイヴだけなんです。

マジでこれは勇気ありすぎてイカれてる。(良い意味)


では、何でこんなに自信があるのか?

Love Songは何で曲の個性を出しているのか?

何で曲を面白くして差別化を図っているのか!?

次。




A. コード


はい、正解はコードです。和音で差別化を図ってます。


もう一度、Love Songのコード進行・機能(S-D-T)・和音記号(ローマ数字)を書きます。

このコードについて何か気づく方いますか?
ちょっと音楽かじってる人だと、もしかするとわかるかも。






#と♭が出現してますよね!そうです。

B major(#系の調)とA♭ major(♭系の調)が交互に出現し転調していることが、この曲の一番おもしろいところなんです。

そもそも#と♭は同じ曲の中で頻繁に繰り返し出てくることは9割無いと思ってください。なぜ無いかと言うと、#(半音あげる記号)と♭(半音下げる記号)は相反するものであり、上手く良く使わないとまとまりが無くなってなんとなく曲が散らばった中途半端な印象になりがちだからです。

下手な作曲家ならそんな危ない橋渡らないです。

でもこれがSM作曲家陣の手にかかると、違和感なく繋がっているんです。

これめちゃくちゃすごいことなんですよ。力がないとこんな風に上手く作れないと思います。流石。



ではなぜ#と♭が繰り返し出現しても違和感なく繋げられたのか。
我々はこの謎を解決すべく、アマゾンの奥地へ向かいます。(行かないよ)





SM作曲家陣の力の見せどころです

#と♭が自然に転調できる理由としては(理由の答え方になってないくらい長いですが)、

元々平行調同士の B major → G# minor の進行から、G# minor である A#dim をいじって Am にすることで、A♭ major へ進行するフラグを立てています。→答え①

そして、メロディーを見れば、G# minor からピカルディー終止をして異名同音調の A♭ major と捉えることもできます。→答え②

以上のことにより、

最終的に B major A♭ major の転調祭りになるという、遠隔調同士の転調を繰り返しているようで音楽理論的には自然に繋がる転調の仕方をしています。

ハイ、ここからは中々にコアな話になります。ようわからんってなるかもですが、この記事のこの部分まで辿り着いているということは、貴方様ももう充分なコアなファンだと思われますので、一緒に理屈を共有しましょう。(怖)

バリバリ音楽理論の世界です。そういうのすこだわ〜〜!って方と、やる気と熱意と気力のある方だけついて来てください。





答え①

平行調?異名同音?ってなる方いらっしゃると思います。説明します。

🧸平行調 … 同じ調号によって示される調。もっと噛み砕くと、調(キー)を構成する7つの基本の音が同じである長調(メジャーキー)と短調(マイナーキー)同士の関係のこと。長調は明るい響き、短調は暗い響きの調です。

童謡だとイメージしやすいかも。きらきら星・チューリップは長調、ひなまつり・小さい秋は短調。とか。

明るい感じがメジャー暗い感じがマイナーさえ押さえればいい。

これは平行調の対応表です。平行調同士は使っている音は一緒なので違和感無く転調することができます。

で、表の一番下、

B メジャー ⇔ G# マイナー

に注目しててください。平行調同士です。後で出てきます。

🧸異名同音(いめいどうおん) … 漢字の通り「名は異なれど音は同じ」です。(唐突な漢文読み)(レ点を思い出せ)
真面目な意味は→ピアノの鍵盤上では同じだけど楽譜上では違う音同士(例:C#とD♭、F#とG♭など)のこと

🧸遠隔調近親調(平行調・属調・下属調など)以外の調。
わかりやすく言うと、関係があんまり無い調同士のこと。

近親調が家族とか親戚なら、遠隔調は友達のような、血の繋がりがない間柄同士、みたいな感じ。



Love Songのコードは、

です。
mが付いているのはマイナーコードで、mが付いてないのはメジャーコードと表します。


これをスタンダードな書き方、言い方悪くしてしまうとひねりが無い作曲家()だと普通に理論通りに、

こう作ると思います。
ここでさっきの、B メジャー ⇔ G# マイナーがここで出てきます。

B major
G# minor は平行調です。平行調同士だと転調がスムーズにできるから、このような進行は普通にあることです。転調は曲の色付けのためにやります。普通の人間ならこう進行します。

でも普通だからひねりが無い。色付けが普通の色付けになる。どこか、人を惹き付けるものにならない

これを惹きつけるものにするために、まずG#mのサブドミナントであるA#dimをA#mにいじります。


上はG# minor(嬰ト短調)の音階、下はA♭ major(変イ長調)の音階(gis moll, As durはそれぞれドイツ語)です。


Ⅱの和音は、その調の2番目の音を基本とする和音なので、G# minorのサブドミナント(Ⅱ)は青丸で囲まれている A#・C#・E(ラ#・ド#・ミ)A#dimです。

このA#dimEを半音上げて、A#・C#・ E#(ラ#・ド#・ミ#)で考えると、A#m という和音になります。


そしてまた、上のA♭ major(変イ長調)の音階を見ると、A♭ majorのサブドミナント(Ⅱ)は赤丸で囲まれている B♭・D♭・F(シ♭・レ♭・ファ)B♭mです。

A#mとB♭m
が、鍵盤上では全く同じ音になりますよね?


異名同音
ですこれが。



和音が異名同音している(異名同音している)ので、異名同和音と言いますが、A#mを異名同和音で読み替えるとA♭ majorB♭mの和音になるので、それをそのままA♭ majorのツーファイヴの進行に沿って進めば、

となるわけです。



少し脱線…

M3=長3度、m3=短3度、P5=完全5度、+5=増5度、-5=減5度

別にここは深く知らなくても良いですが、和音は音と音の重なりで成り立っていて、音の幅(これを音程と言います)の違いによって成立する和音も違ってきます。

A#dimというのは、和音の中でも最少の音程で成り立ちます。なぜいきなりdimが出てきたかと言うと、(細かいとこ除くと)minorのⅡの和音がdimで出来ているからです。(少し上のG# minorの音階を参照)
同じ音から始まるmajorとminor(例:C majorとC minorなど)でも構成される音が若干違います。

※同じ音から始まる長調短調同士を同主調と言う。
※同じ音を使うのは平行調同士。




答え②

先程はコードを見ましたが、次はメロディーに注目してみます。

メロディーだけ見れば終始、G# minor に解決するつくりになっています。

まずここが1つめのポイントです。

B major のコードの上に G# minor のメロディーを重ねていることで、どこに落ち着くか分からない浮遊感を出していると思います。

この浮遊感が不思議な感覚を生み出しているんだろうし、恋愛している時のあのふわふわした柔らかいきもちを表現してるんだろうなー!と思いました。


そして2つめのポイントは、ずっと G# minor のメロディーではなく、A♭ major になるところがあります。


まずは、音階を確認しましょう。

G# minor と A♭ major の音階ですが、上の二つの音階を比べた時に、鍵盤上ではそれぞれどの音が違うかと言うと、丸が付いている音(G#m:B・E、A♭:C・F)です。
それ以外の丸が付いていない音は、異名同音読みすると同じ音ですよね。

ということは、この丸が付いている音によって、その時の調性が何かわかるということになります。


終始 G# minor の曲中で A♭ major になるところ(CやFが出てくるところ)を探してみます。

またここも歌詞とリンクしているんだわ…。

大変なので1番のみ…(2番以降も同じところが変化しているので…)。

너를 향해 기운 우산이
君の方に傾いた傘が

이렇게 때마침 참 작아서 다행이야
都合よくも 小さくてラッキーだ

Hoo 이런 건 예상하지 못한 상황이야
Hoo 予想外の状況だよ

어깨가 닿은 이 순간
肩が触れる瞬間

‘어디 들어갈 델 찾자’
「どこかで休もうか」

말하면서도 내 걸음은
そう言いながらも 僕の歩みは

자꾸만 하염없이 느려져
どうしようもなく 遅くなる

I can't stop, I can't stop this feeling
膨らんでいくこの想い 


너의 숨소리도 들려
君の息遣いまで感じる

이렇게 가까우니까
こんなにも近いから

이대로 투명해진 채
透明になったまま

시간이 멈췄으면 해 yeah
時間が止まればいい


비는 질색인데
雨はうんざりだけど

오늘 좀 좋아지려 해
今日は少し好きになりそう

아니 아직 그칠 생각은 말고
まだ終わりは気にせずに

왼쪽 어깨는 흠뻑 적셔 놔도 돼
左肩はびっしょり濡らしてもいい

빗속의 Love song, Love song, love song, yeah
雨の中の ラヴソング

둘만의 섬을 만들어 ooh
二人だけの島を作って

이렇게 Love this, love this, love this rain
特別な雨だから

떨어지는 빗속에 all day
降り続く雨の中 一日中


太字のところが、A♭ major になっているところです。

最初のテイルパートの"ラッキーだ"、ジェヒョン&ジョンウパートの"feeling"、サビの"好きになりそう"で、majorになっているのは、震えました。

ポジティブなワードで調も明るくなっている。これは本当に狙って作っていると思いますよ。絶対。流石としかいいようがない。


雨はうんざり
だけど 今日は少し好きになりそう
G# minor
   →   A♭ major

何も言うことないです。bravo。


造形美だわもう。美しすぎ。

後世に残したい Kpop R&B部門 ぶっちぎり第1位。







で、このminorからmajorに変わる現象をクラシックではピカルディー(終止)と言います。

ピカルディーというのは、バッハとかわかります?わかりますよね?カツラ被ったおじさん。バッハとか生きていた時代によく使われていた技法で、minorの曲の最後をmajorにすることで、minorで終わるよりも終止感を強くする効果があります。

ピカルディーは教会音楽から生まれたもので、当時のminorの曲のイメージというのは、罪とか苦しさを表したものだったんですが、それをmajor(=キリスト)で終わらせることによって魂が救われる象徴、みたいなことを音で表したものとかなんとか、らしいです。



なんかLove Song聴いてると救われる気持ちになりませんか?まあこれが多幸感なんだろうな〜〜。


すげー。してやられた感。何も言えねえ。







はい。コード終わり。

長かった。

以上の答えふたつより、B majorA♭ major の転調祭りになるという、遠隔調同士の転調を繰り返しているようで音楽理論的には自然に繋がる転調の仕方をしています。

音楽的に繋がりはあるので、散らかってもいないし、でもどこか不思議な感覚になる曲です。

本当にすごい。





Billboardインタビューより


この曲についてBillboardインタビューに載っていたユウタ・ヘチャン・ジェヒョンのコメントを見てみます。

ユウタ:これまでのNCTのアルバムの中でもお気に入りの曲です。この曲は同じ言葉をリピートするので、一緒に歌いやすいと思います。そして、メロディーは本当に耳に良くはまり、簡単には忘れられません。ヘチャンは曲の後半で素晴らしい仕事をしたと思います。僕はそれが本当に好きです。

ヘチャン:最終録音を聴いたあと、本当に好きな曲の1つになりました。R&Bの雰囲気があり、各メンバーが必要に応じてテクニカルな才能を強調しました。今はこのアルバムの全トラックで最も聴いている曲の1つです。

ジェヒョン:とても楽しい録音でした。曲そのもののフィーリングや、特にアドリブをしている時はpush-and-pullのゲームをしているみたいで、それがとても楽しかったです。



push-and-pullのゲームってなに?よくわかんないんですけど、みなさん楽しい録音だったようで良かったです〜〜👼🏻

どこかで「この曲は録音が早く終わった」って見かけたけど、どこで見たかな〜〜🥺
B major(調号#5つ)とA♭ major(調号♭4つ)の転調お祭り曲なので、音も取りにくいはずなんですが、サラッと歌ってるの、本当に彼らの耳が良いです。調号多いほど難しいもん。すごいなあ。👶🏻

ちなみに私が好きなパートは全部なんですが、特にヘチャンのシャウトめちゃくちゃ好き。本当ヘチャンいい仕事したよ。天才だよ君。もっと叫んでほしい。ソリジラしてほしい。ジョンウの2番頭も好き。音の取り方が独特なのが良くハマってる。あとラップ3人。あれもう、なんなんかな。私全然ラップ出来んけど言いたくなってまう。言えんけど。真似したくなる。みんな好きです。

くやしい。私の好きなもの全部やってくれてる。(好きです)







最後に

つらつらと思うままに書きましたが、長かったですねほんと。すみませんねえ。
でも、本当にこの Love Song の天才さを誰でも良いからひとりくらい拾ってくれる方がいらっしゃれば伝えたかったっていうのと、私自身もどういう作りになってるのか一度自分の中に落とし込んで聴いてみたかったので、超自己大満足です!!!💮


コードはどこにいくかわからない浮遊感なのに、進行は一貫性があるから、不思議と何回もエンドレスしちゃうこのやみつきはみんな好きになると思います…✨ Love Song 嫌いな人おらんよね本当??私見かけてないよまだ???

あと、ジャニとヘチャンがLove Songオキニってメンズノンノで言ってくれたの、本当にもう、お友達になりたい。音楽についてお話するお友達。下心は無いです。()


(補足:Love Songの曲作りの詳しい話もっと知りたいんだけど、新参者にはまだまだ調べ方が悪いのか、リサーチ力が無くてですねー、、、以上の情報以外に何か知っている方いらっしゃったら是非ともご教授ください。たくさん知りたいです!)


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